Career shift

戸井田カツヤ / Toida Katsuya   元プロ総合格闘家|現在:

昔の名前で勝負しない 元修斗世界ライト級1位 ・戸井田カツヤ

Profile

 

戸井田カツヤ(といだ・かつや)
1977年長野県長野市生まれ。元プロ総合格闘家。柔道をバックボーンとする寝技のテクニシャンで、「UWFの回転体を修斗で実践している」と評されるほど面白い試合をすることで知られている。二十五歳より現役選手と並行して格闘技道場の経営を始め、現在は都内を中心に格闘技を通じてフィットネスを行う「トイカツ道場」や「ファイトフィット」など四十三店舗の格闘技道場を運営するトイカツ道場の代表を務めている。格闘家としても、元修斗世界ライト級1位、元修斗環太平洋ライト級1位、全日本アマチュア修斗選手権 ライト級 準優勝(1998年)、全日本コンバットレスリング選手権 優勝&MVP&最多一本賞(2002年)、アブダビコンバット世界大会 日本代表(2003年)、アブダビコンバット世界大会 アジア予選 準優勝(2009年)など輝かしい実績を誇る。著書に『プロ格闘家流 「できる人」の身体のつくり方』、『プロ格闘家流「史上最速ダイエット」世界標準のビジネスエリートが実践する』がある。

小松:
様々なジャンルのアスリートがユニフォームを脱いだ“その後”に迫る連載企画「表彰台の降り方。〜その後のメダリスト100〜」。今回は元総合格闘家で経営者の戸井田カツヤさんにお話を伺います。

東:
戸井田さんは格闘家としてのキャリアもさることながら、実業家としても卓越したご活躍をなさっていて、現在、格闘技を通じてフィットネスを行う「トイカツ道場」や「ファイトフィット」など都内を中心に三十店舗以上のジムの運営などを事業とするトイカツ道場の代表を務めておられます。

小松:
現在の戸井田さんの活動を“その後のメダリスト100キャリアシフト図”に当てはめてみると、ジムでの指導が「A」の領域、トイカツ道場の代表が「C」の領域、格闘技の解説者や「プロ格闘家流 史上最速ダイエット」などの執筆活動が「D」の領域と、幅広い範囲でお仕事をなさっていることが分かります。

注1)親会社勤務とはいわゆる企業スポーツである実業団チームで自らが所属していた企業で一般従業員として勤務していること
注2)親会社指導者とはいわゆる企業スポーツである実業団チームで自らが所属していた企業の指導者を務めていること
注3)プロパフォーマーとはフィギュアスケート選手がアイスダンスパフォーマーになったり、体操選手がシルク・ドゥ・ソレイユのパフォーマーとして活動していること
注4)親会社以外勤務とは自らが所属していた実業団チームを所有している企業以外で一般従業員として勤務していること

東:
今回は格闘技界No.1経営者として名高い戸井田さんがどのような選手生活を送り、経営者となられたのかについてお話を伺ってまいります。

 “絶対王者”を追い込んだ男

小松:
戸井田さんは元々柔道や空手をなさっていたそうですが、総合格闘技を始められたきっかけというのは何だったのでしょうか?

戸井田:
中学生の頃からプロレスラーになりたいという想いがあって、強くなるために柔道や空手をやっていたのですが、大学進学後に遊び感覚で入った総合格闘技サークルで出場した大会で優勝。本格的に総合格闘技を始めようと決意して、和術慧舟會(わじゅつけいしゅうかい)東京本部に入門したのがきっかけです。

東:
和術慧舟會、宇野薫選手や岡見勇信選手など海外でも活躍した選手を多数輩出した名門ですよね!戸井田さんが入門なさった1996年当時は、1993年にアメリカで始まった“UFC(アルティメットファイティングチャンピオンシップ)”などの影響もあり、強さの象徴がプロレスラーから総合格闘家に移り変わっていった時期でしたね。

戸井田:
初めてUFCを見た時に、総合格闘技があらゆる格闘技の中で一番強いと思いました。強さを求めるならば総合格闘技だろうと。

小松:
その後、1990年半ばから2000年代半ばまでの約十年間に渡り、日本には“K-1”や“PRIDE”を筆頭にバブルとも言えるほどの格闘技ブームが訪れましたが、戸井田さんはその中でも柔道の技術を活かした“寝技師”として、日本の総合格闘技団体の老舗“修斗(しゅうと)”を中心にご活躍なさいましたね。

東:
僕は格闘技が大好きで様々な団体の様々な選手を見てきましたが、戸井田さんは日本人の層が厚い軽量級選手の中でも寝技の技術はもちろん白衣を着て看護師とともに入場するなどのパフォーマンスも含め非常にキャラクターが立っていましたよね。

戸井田:
ありがとうございます。よくご存知で(笑)

東:
戸井田さんが繰り広げてきた名勝負の中でも、僕が最も印象的だったのは2001年に行われた修斗ライト級チャンピオン・“ペケーニョ”ことアレッシャンドリ・フランカ・ノゲイラ選手とのタイトルマッチです。惜しくも判定でやぶれはしましたが、当時、必殺のギロチンチョークを武器に“絶対王者”の名を欲しいままに連勝を重ねていた“ペケーニョ”を相手に最終ラウンドまでもつれ込んだ凄絶な試合でした。

戸井田:
残念ながら勝利することは出来ませんでしたが、テレビで中継されたこともあって、いまだにあの試合で私のことを覚えてくれている方が多いですね。

小松:
当時はフジテレビ「SRS」やテレビ朝日「リングの魂」など地上波でも格闘技を取り上げる番組がいくつかあり、実力があって弁が立つ戸井田さんは出演なさる機会も多かったようですね。

東:
テレビはもちろん様々なメディアで格闘技の選手が取り上げられていて、知名度も高かったように思います。戸井田さんとしても実感はありましたか?

戸井田:
オリンピックのメダリストやプロ野球選手に比べるとまだまだでしたが、地上波の影響力の大きさは感じましたね。

 アルバイトをしながらのプロ格闘技選手

小松:
当時はどのような生活を送っていたのでしょうか?

戸井田:
最初は警備員や結婚式場などでアルバイトをしながらプロ選手として格闘技をしていました。

東:
格闘技ブームと言われるような時期に戸井田さんほどの有名選手でも格闘技だけで生活していくことは出来なかったのですね。

戸井田:
大学を卒業後、格闘技で生きていこうと思い、プロ選手になったのですが、ファイトマネーだけでは暮らしていけないのでアルバイトをしながら練習していました。それでもある程度までは強くなれたのですが、ペケーニョとの世界タイトルマッチにやぶれた時に、このままアルバイトをしながら練習していたのでは絶対に勝てないと感じたんですね。

小松:
本物の“プロフェッショナル”との差を感じたのですね。

戸井田:
そうですね。彼に勝つにはもっと練習しなければならないのですが、時給で収入が決まるアルバイトでは生活していくための収入を得るだけの時間働くと、十分な練習時間を確保出来ないんです。そこで、もっと効率的に練習しながらお金を稼ぐにはどうすればいいかと考えて、初心者に格闘技を教えることにしました。それが二十五歳の時に格闘技ジムの一角を間借りして始めた「トイカツ道場」です。

 格闘技に没頭するための効率の良い仕事

小松:
当時、現役の格闘家が道場を開くことは斬新だったのではないですか?

戸井田:
強くなるため、プロになるための練習をする道場を経営している選手はいましたが、トイカツ道場のように週に一度、フィットネスとして楽しく格闘技をやりましょうというコンセプトの道場はなかったと思います。私はたまたまジムが週一度しか借りられなかったので、このスタイルで始めてみたのですが、思った以上にニーズがあって、ほどなく会員が六十名ぐらいになりました。そのぐらいの人数が集まると、他にアルバイトをしなくても生活していけるんです。

東:
六十名の会員がいらっしゃれば、一ヶ月の会費が五千円だとしても三十万円の収入になりますし、施設の使用料以外には身体一つあれば元手もかかりませんものね。

戸井田:
はい、生活していくのに問題のない収入を安定して得ることが出来るようになりましたし、週に一度格闘技を教える仕事をして、残りの六日間は全て自分が強くなるための練習をする時間にあてられるようになったので非常に効率が良くなりました。

小松:
また、警備員や結婚式場などの仕事とは違い、楽しむことが主目的とはいえ格闘技に関わる仕事なわけですから、理論や理屈を頭の中で整理するのにも良い影響があったのではないでしょうか?

戸井田:
おっしゃるとおりで、初心者に教えることで、改めて格闘技の理論を頭の中で整理する機会にもなりましたね。

東:
単にお金を稼ごうとして道場を始めたのではなく、より強くなりたいという気持ちが実業家への第一歩を踏み出すきっかけになったわけですが、振り返ってみて成功した要因は何だと思われますか?

戸井田:
簡単に言えば“差別化”ですね。当時は格闘技ブームで、ボクシングジムやキックボクシングジムはもちろん、総合格闘技を教えるジムもいくつかありましたが、本気で強くなることを目指す“選手向け”のジムばかりだったのを、一般の人でも通える場所をつくろうと考えたことが一番大きな成功要因だったと思います。

小松:
初心者&女性大歓迎の強くなるためではなく、楽しみながら身体を動かすための総合格闘技道場という他にはない“オンリーワン”の場所をつくられたことが成功の要因だと。

東:
自らが強くなるために、強くなることを目的としない道場をつくったところが面白いですよね。

 格闘技道場の業界最大手へ

小松:
続いて、現在のビジネスについて詳しくお教えいただけますでしょうか。

戸井田:
主なビジネスは格闘技ジムの店舗展開で、現在都内を中心に三十五店舗を経営しています。実は明日、三十六店舗目が錦糸町に出来、3月の頭には三十七店舗目が完成します。
※取材日は2019年2月22日

東:
凄まじいスピードで拡大なさっていますね。

戸井田:
今年は四十三店舗まで拡大しようと考えています。おかげさまで会員数が約九千名にまで増えていますので、年内に会員一万人、店舗数四十三の達成を目指しています。こちらが実現すると、格闘技道場の業界で最大手になることが出来ます。

小松:
素晴らしいですね。そちらの目標を達成した後にはどのような活動を?

戸井田:
次はフィットネス業界に入っていきたいと考えています。

東:
こちらの道場(トイカツグラップリング東中野)は、非常におしゃれで清潔感がありますが、何かこだわりはお持ちなのでしょうか?

戸井田:
実は内装にはかなりこだわっていまして、私自身も大きくデザインに関わっています。

小松:
やはりそうなのですね!女性がとても喜びそうなデザインですものね。

戸井田:
ありがとうございます。全店舗、女性に喜んでいただけるように意識していますが、特にファイトフィット自由が丘とファイトフィット渋谷宇田川町に関しては、ニューヨークタイムズNext era leaders 2018を受賞した(株)T&C JAPAN 代表取締役の秋葉達雄さんにデザインをしていただいて、格闘技道場のイメージとはかなりかけ離れたものになっています。

東:
格闘技というマーケットではなく、フィットネスというマーケットをターゲットにしているからこそのデザインなのでしょうね。

 知名度ではなく、コンテンツで勝負する

小松:
通常、アスリートの価値が最も高いのは現役時代だと言われていますが、戸井田さんの場合は現役時代はもちろん引退後に大きくご自身の価値を高められているように感じます。
何か意識なさっていることがあればお教えいただけますでしょうか?

戸井田:
そうですね。現役時代の戦績が不甲斐なかったということもありますが(笑)

東:
いえいえ、そんなことはないです!

戸井田:
現在では意識的に私の名前を押し出さないようにしています。愛称である“トイカツ”を店の名前に出しているのは、この東中野の店舗と中野の本店のみで、他の店舗は「ファイトフィット」や「ファイティングラボ」といった名前にしています。

東:
ご自身の名前がついていたほうが集客効果があるようにも思うのですが、何故“トイカツ”という名称を使用なさらないように意識しているのでしょうか?

戸井田:
“人気“や”知名度“はいつかは消えてしまうからです。どんなジャンルでも商品の中身ではなく有名人がやっているからという部分に頼ったビジネスをしていては継続性がありません。あくまでサービス内容や内装のデザイン、清潔感など“コンテンツの魅力”そのもので勝負しなければ。私は常にそこで勝負して勝ってきたので、現在ビジネスを成り立たせ、成長させていけているのだと思います。

小松:
なるほど。現役時代の名前を使って、自らの仲間や格闘技マーケットなど“内輪”の方々を相手に商売をするのではなく、サービス内容を充実させることでより幅広いマーケットの方々に訴求出来るようなビジネスをなさってきたわけですね。

東:
格闘技はもちろん、様々なスポーツに関わる方々、また、スポーツ以外の全てのビジネスにおいても示唆に富んだお話ですね。引き続き、戸井田さんのビジネスが成功している要因について迫ってまいります。

小松:
宜しくお願いいたします。

戸井田:
宜しくお願いいたします。

東:
現役時代のお話から選手としての“人気”や“知名度”ではなく、“コンテンツ”の魅力そのもので勝負することが大切なのだというお話を伺いましたが、ビジネスについてさらに深い部分まで伺ってまいりたいと思います。

 1万分の1になるために、本気で学び、実行する

小松:
多くの格闘家が道場を開いていますが、成功している道場もあれば苦戦している道場もあります。その中で戸井田さんの道場が抜きん出た成功を収めている秘訣があればお教えいただけますか?

戸井田:
分かりやすい部分でいうと、“人脈を上手に使う”ことです。ここでの人脈は、私を“元プロ格闘家”という目で接してくるファンやスポンサーの方々との繋がりではなく、私を“経営者”として見てくださる方々との繋がりのことです。

東:
前編でも伺いましたが昔の名前ではなく、現在の戸井田さんに価値を感じて接してくださる方々との繋がりということですね。

戸井田:
はい。経営者は経営者と繋がりますので、色々な経営者の方々と交流させていただいていますが、中でも特に仲良くさせていただいているのがSBCメディカルグループ総括院長の相川佳之先生で、事あるごとに様々なアドバイスをいただいています。

小松:
相川佳之先生、2000年に湘南美容クリニックを開院以来、わずか十九年の間に九十院(2019年6月現在)を展開するSBCメディカルグループを築き上げた名経営者ですね。例えばどのようなアドバイスを?

戸井田:
こういうセミナーを受けなさいとか、こういう本を読みなさいといった具体的なアドバイスをいただいています。また、相川先生がよく言われる言葉で好きな言葉がありまして。

東:
どんな言葉ですか?

戸井田:
「経営者の中で本を読むのは100人に1人。その中でも読んだことを実行するのは100人に1人しかいないから、成功するのは1万人に1人だよ」という言葉です。私は現役時代は格闘技ばかりやってきたので、他の経営者よりもたくさん勉強しなければいけないと思い、色々な本を読んで、学んだことをとにかく実行しようと意識してきました。本を読んだとしても行動に移さない人の方が多いのであれば、自分はまずはやることを決めて、実際に行動しようと考えたんです。

小松:
なるほど。どのような行動をなさってきたのか、具体的に教えていただけますか?

戸井田:
例えば、店舗を出す時に“どうすれば出せるのか?”と実現の可能性などをじっくり検討してから進めるのではなく、出すと決めて即行動するんです。現在もかなり早いペースで店舗を増やしているので「そんなスピードで店舗を出して、インストラクターが集まるんですか?」と聞かれたりもしますが、実際、最初は集まっていないんです。まだ集まっていない状況でも出すと決めると、それまでに何としてでも人を集めて育てなくてはいけなくなります。そうすると必死になるんですよね。まずはゴールを決めて、そこから逆算して計画を立てて行動するのが私のやり方です。

東:
ゴールが決まってしまえば、何が何でもそれを達成するために行動するので、結果、達成出来るのだと。ちなみに現在、戸井田さんが設定しているゴールは何なのでしょうか?

戸井田:
まずは2025年までに100店舗を出すことと、格闘家を養成するためのスクールをつくることを計画しています。次に2030年までに200店舗にして、格闘技コロシアムをつくります。さらに2050年までに1000店舗にして、格闘技を日本の文化にしたいと本気で考えています。

小松:
大きなビジョンのもとに期限が決められた数値目標が設定されていて非常に具体的ですね。

戸井田:
本気ですから。この“本気度“が他の方との圧倒的な差だと私は思っています。何事も”やれたらいいな“と思う人はたくさんいらっしゃいますが、私は”やれたらいいな“ではなく、本当に”やる“んです。私が他の方々より成功出来ているとするなら、やるかやらないか、その差なのかなと思います。

 デュアルキャリアが“才能”に気づかせてくれた

小松:
戸井田さんは今から六年前、三十六歳で現役を引退なさったわけですが、辞めるという決断をした理由を聞かせていただけますか?

戸井田:
引退を考え始めたのは、三十三、四歳の頃でした。当時は悪くない額のファイトマネーをいただいていたのですが、道場経営が軌道にのってきて、三、四店舗を経営している中で、もしかすると自分は格闘家よりも経営者の方が向いているのかも知れないと思い始めたんです。

東:
強くなるために、格闘技に集中出来るように始めた道場経営で、十分な収入を得られるようになったわけですから、格闘家として強くなることと経営者としての成功の両方を追い求めるという選択肢はなかったのでしょうか?

戸井田:
二兎は追えないですよね。格闘技でチャンピオンになるのは本当に大変なことですから。私自身、タイトルマッチに三度チャレンジして、三度ともチャンピオンになれませんでしたし。客観的に考えて、格闘技の才能よりも経営の才能の方があるのではないかと気づいたんです。

東:
非常に選手層の厚かった当時の軽量級で、タイトルマッチに三度もチャレンジなさっただけでものすごいことですが・・・

戸井田:
格闘技ではチャンピオンにはなれなかったですが、道場経営ならチャンピオンになれるかもしれないと考えて、“向いてない方”を捨てただけなんです。多くの選手が負けが続いたり怪我が原因で引退していきますが、私は違いました。現在でも、週に二、三日はトレーニングをしていますが、まだまだ身体は動きますし、試合に出場すれば勝てるともと思います。ただ、今の自分は格闘技でチャンピオンを目指すよりも、たくさん格闘技道場をつくって、インストラクターを育てて雇用を創出し、そのインストラクターが道場で素晴らしい指導をすることで、格闘技を通して幸せになる人が増えた結果、格闘技が日本の文化になるのを実現することのほうに価値を感じているんです。

小松:
格闘家と経営者というデュアルキャリアを過ごす中で、より自分の才能を活かせるキャリアを選択し、集中なさったわけですね。

戸井田:
格闘技のチャンピオンには私以外の格闘家もなれますし、“ナンバーワン”ではあっても“オンリーワン”ではありませんが、この事業を実現出来るのは日本の格闘家では私しかいないと思いますので、“オンリーワン”の存在になれるんです。

東:
戸井田さんのおっしゃるとおり、チャンピオンはあくまでその時点での“ナンバーワン”ですし、ずっとその地位にとどまり続けることは出来ませんよね。理屈では分かるのですが、これまで自らが人生を懸け、世界の頂きを目指して取り組んでいた格闘技と、格闘技を続けるために始めたいわば“副業”だった道場経営とを天秤にかけて、道場経営を選択した決断力は本当に素晴らしいと思います。

 人脈が変われば人生が変わる

小松:
戸井田さんは2013年6月に後楽園ホールで開催された引退エキシビションマッチで十六年間に渡るプロ選手としてのキャリアにピリオドを打たれたわけですが、実際に引退なさるとなった時にどのような思いをお持ちになりましたか?

戸井田:
おかげさまで様々な分野でご活躍なさっている方々にお集まりいただき、多くの方に現役最後の姿を見届けていただけましたので本当にありがたかったですし、感動しました。最後だと考えると悲しかったですが、自ら決めた引退ですし、次にやりたいことも決まっていましたので、心ではスッキリしていました。

東:
引退エキシビションには僕も応援に行かせていただき、試合終了後に行われたセレモニーでは会場にお集まりになった多くの方々とともに花束を贈らせていただいたのですが、元陸上選手の為末大さんや芸人のねづっちさんなど格闘家以外のアスリートやタレント、経営者の方が多数応援にいらしていましたよね。

戸井田:
確かに普通の格闘家の人脈ではなかったですよね(笑)

小松:
それだけ幅広いご人脈はどのように築かれたのでしょうか?

戸井田:
自分が格闘家より経営者に向いていることを悟ってから、色々な人に出会えるように行動を変えました。

東:
具体的にはどのように行動を変化なさったのでしょう?

戸井田:
まずは、“誘われたら必ず行く”ことから始めました。

小松:
誘いを断らない、ということでしょうか?

戸井田:
はい。私は人生を変える方法は二つしかないと思っていまして、一つが“住む場所を変える”こと、もう一つは“会う人を変える”ことなんです。

東:
僕も以前に戸井田さんにお話を伺ってから参考にさせていただいているのですが、“誘ったら必ず来る人”というキャラクターになることが大切だとおっしゃられていますよね。

戸井田:
そうですね。私は誘われたらほぼ行きます。また、重要なのは誘われたらすぐに行ける環境にいることで、成功している人はだいたい都心で過ごしているので、誘われた時にすぐに行けるよう出来るだけ都心に住むようにしています。そうすると「アイツは誘えばすぐに来るから呼ぼうよ」となっていきます。成功している人の周りには成功している人が集まっているので、その場にいて、一緒の時間を過ごすことで飛躍的に成長することが出来るんです。

小松:
成功している人に誘われた際にすぐに駆けつけられるように“住む場所”を変え、成功している人に誘われるキャラクターになることで“会う人”を変えたわけですね。

東:
“類は友を呼ぶ”という言葉がありますが、格闘家に限らず、アスリート、特に現役時代は、アスリート同士や競技の“ムラ”の中のみでの交流にとどまりがちですが、別の分野で成功なさっている方々と幅広く交流することで、成功している方々の会話を聞き、行動を学ぶことで、自らも成長し、成功に向かっていかれたのでしょうね。

戸井田:
格闘技だけに集中していると、どうしても格闘家の友人しか出来づらいですよね。私は現役時代に経営者を務めていたことで、経営者の友人が出来たのが良かったのだと思います。試合の際にも多くの格闘家が安価なチケットを多数購入してもらうために苦労しているところ、私の場合は経営者の友人に高額チケットを少数販売して同等以上の売上をあげることが出来ていましたので、非常に効率が良かったと思います。

東:
格闘家のファイトマネーはお金以外にチケットで支払われることもあり、販売出来なければ収入が減ってしまうため、チケットを販売するための活動で、練習に集中出来ないこともままあるそうですから、そういった意味でも効率が良いですよね。

小松:
経営者にとってみれば、現役格闘家の友人はなかなかいらっしゃらないでしょうし、戸井田さんは特別な存在だったでしょうから、喜んでチケットを購入してくれたのでしょうね。

東:
“ムラ”から一歩出れば、特別な存在になれる。他のアスリートにとっても同じことが言えるように思います。

 “引退”は“終わり”ではない

東:
戸井田さんのお話を伺っていると、目の前で起きる様々な出来事を一つひとつ素直に受け入れ、真摯に向き合って、人生で進むべき道を自ら決めてこられていて、素晴らしい決断力をお持ちだと思うのですが、なかなか競技を“引退する”決断が出来ない選手も多いように感じます。そんな選手たちに何かアドバイスをいただけないでしょうか?

戸井田:
現役後の人生を心配している格闘家やアスリートは多いですよね。私が伝えたいのは、現役で選手をやっていた時と、引退してからの今を比較しても、日々の楽しさや受ける刺激は変わらないということです。むしろ現役の時よりも今の方が刺激的な人生かも知れません。だから引退することを躊躇する必要はないと思います。

小松:
まだ身体が動くうちに引退なさったわけですが、全く後悔はないのでしょうか?

戸井田:
ないですね。私は三十六歳で引退しましたが、逆にもっと早く引退しておけばよかったなと考えたりもします。セカンドキャリアを築くのであれば、年齢が若ければ若いほど有利ですから。もし、私がもっと若いうちに引退していれば、より早く100店舗を達成出来たのではないかと思っています。他の若い経営者の方々が様々な分野で活躍している中で、なぜ自分はもっと早く決断しなかったのだろうと、少し後悔している部分はあります。

東:
確かに、戸井田さんを見ていると、現役選手の頃も、もちろんかっこよかったのですが、現在のほうがより輝いているように見えます。まるで、経営者になるために格闘家としてのキャリアがあったような。

小松:
トップアスリートは、一生トップアスリートとして世界の頂きに君臨し続けることは出来ないという宿命を背負っています。否が応でも“引退”という転換期を迎えざるを得ず、その後も人生は続いていくわけですが、戸井田さんの築いているキャリアは多くのトップアスリートにとっての素晴らしい道標となるように感じます。

東:
アスリートとしての経験はどのようにビジネスに活かすことが出来るのかについてからお話を伺っていきたいと思います。

小松:
宜しくお願い致します。

戸井田:
宜しくお願い致します。

小松:
現役時代から現在のビジネスのお話に至るまで様々なお話を伺ってまいりましたが、アスリートとしての経験はどのようにビジネスに活かすことが出来るのかについてからお話を伺っていきたいと思います。

 ビジネスに活かせるアスリートの“強み”とは

東:
早速ですが、格闘技選手としての経験で現在のビジネスに活きていると感じる部分があればお教えいただけますか?

戸井田:
そうですね、選手時代の経験が活きているとすれば、努力し続けられることですかね。私は現役の頃、週六日から七日、ハードなトレーニングを続けてきました。この経験のおかげで、同じことをずっとやり続けることが出来るんです。私の強みの一つは同じことをずっとやり続けられること。これは格闘家としても、経営者としても同じです。

小松:
努力を継続する力をお持ちだということですね。

戸井田:
はい。例えば本をずっと読み続けることもそうですし、英会話もずっと続けていて、現在では日常会話は問題なく出来るぐらいのレベルになりました。

東:
英会話も勉強なさっているのですね!

戸井田:
実際に月に五日マンツーマン英会話教室に通うのと、月に二十日のオンライン教室を併用して、マンツーマンでネイティブの英会話講師と話す機会を、月に二十五日のペースで続けています。

小松:
学ぶこと、努力することを習慣づけていらっしゃるのですね。誰にでも出来ることではないと思いますが。

戸井田:
努力を続けていれば成功に繋がるということを格闘家時代に経験しているのが大きいですよね。大体のことは続けていれば誰にでも出来るようになりますから。

東:
トップアスリートは、努力を継続した結果、成功したという経験を持っているはずなので、他のことでも努力を継続出来るし、成功出来るはずだと。

戸井田:
ただ、努力を続けていても、成功出来ない人もいます。何が原因かといえば、正しい選択が出来ていないんです。

小松:
正しい選択とは何でしょうか?

戸井田:
自らが何をやるべきなのか、正しい選択が出来ないと成功しないんです。そのために大切なのが、選択肢を持つための知識を増やすことで、知識を増やすには、勉強をすることと、人脈を作ることの二つが必要なんです。

東:
なるほど。“知識”が不足していると、人生の選択肢は少ないですものね。

戸井田:
私は人に会うことはもちろん、本を読んだり、セミナーを聴講するなど様々なところから知識を吸収するようにしています。また、昨年は月に一度のペースで海外旅行をしたのですが、それは新たな経験をして新たなアイデアを産むためです。多様な経験をすることが知識を増やし、自らの成長につながることがわかっているので、様々な場所へ出かけたり、初めての人に会って話すようにしているんです。

小松:
日々、ご自身をアップデートなさっているのですね。

戸井田:
人は自分に合わないことをやっていても成功しません。知識をつけて、自分に合っていることを見つけたら、それを徹底的にやることです。多くのアスリートは知識が不足していることが原因で、自分に合うことを見つけられていないために、努力を継続出来るという強みを発揮出来ていないのではないかと思います。

東:
自分に合うことを見つけるための“知識”を得るためには“学び”と“出会い”が必要だということですよね。

戸井田:
ただ、世の中には会う機会をつくれない人っていますよね。色々な理由をつけて。たとえば「今日はちょっと予定があるから」と言って誘いを断る人がいますが、予定なんてずらせばいいんです。今日の取材も、元々は同じ時間に別の打ち合わせが入っていたのですが、時間をずらして両方出来るように調整しました。

東:
お忙しいところ貴重なお時間をつくっていただきありがとうございます。
行けない理由をいうのではなく、行けるように工夫をするということですね。

戸井田:
私は、効率的に時間をつかうことで、新しい出会いを生むための時間をつくるようにしています。新しい出会いは新しい機会となり、新しいビジネスにつながっていきますから、出来るだけ多くのビジネスを生むために、時間をつくる努力や工夫をしていますね。

 自らの“ミッション”を決める

小松:
新たな“出会い”や“学び”によって得た“知識”で、人生の選択肢の中から自らに合ったものを見つけられたとしたら、次のステップはそれをどうやってビジネスにしていくのかだと思うのですが?

戸井田:
そこからは、自らの人生やビジネスにおける“ミッション”をいかに明確に描き、“ビジョン”に落とし込めるのかが勝負になってきます。

東:
単に競技やスポーツ全体のために貢献する、のような曖昧な“ミッション”では、明確な“ビジョン”に落とし込めず、実現することが難しいですよね。

戸井田:
そうですね。例えば、私の目標は、格闘技で生活できる人間を作ること。つまり、格闘技界に雇用を生むことなんです。色々な経営者の方にお話を伺ってきて、雇用を生み出すということが、経営者として一番正しいことなのだと思っているんです。

小松:
それが、戸井田さんの人生の“ミッション”なのですね。

戸井田:
はい。格闘技界に雇用を創出し、給料を支払い、それによって格闘技で生活出来る人を沢山つくる。その人たちは当然、国に税金を納めますので、そうやって日本の社会全体に貢献したいと考えています。自分一人が有名になって、自分だけが稼いで、多くの税金を納めていても、自分と家族だけしか幸せに出来ないですよね。そうではなく、出来るだけ多くの人に幸せになってもらいたいというのが私の考えなんです。

東:
なかでも、特に格闘技に関わる人たちを出来るだけ多く幸せにしたいと。

戸井田:
私の中学生の頃の夢は格闘家になることだったのですが、その夢は叶いました。次にどうするのかを考えた時に、格闘技の道場を開いて、道場を店舗展開することが出来たので、客観的に考えてそこに才能があるんだなと気がつきました。なので、この才能を生かして格闘技道場をたくさん店舗展開して、より多くの会員様と、お世話になってきた格闘技界と、格闘家達を幸せにしたいと思ったんです。

小松:
戸井田さんの道場では、多くの現役格闘家もインストラクターとして働いていらっしゃいますよね。

戸井田:
私の道場で働いている現役の選手には好きなだけ格闘技を続けられるような環境を整えています。試合の前には練習に集中するために有給を取得して仕事を休んでいいと伝えていますし、ある程度の年齢になって、格闘家を続けられなくなったら、私の道場で働けばいいと言っています。これまで、格闘家が道場で働きながら自らが納得するまで安心して現役を続けられるという場を誰もつくってこなかったので、私がつくっているんです。

東:
場をつくってこなかったといいますか、つくりたくてもつくることが出来なかったのでしょうね。雇用を生み出すには安定した給与を支払わなければならないため、それに見合うだけの収益をあげなければいけないわけですが、強い格闘家を育てるための道場は、とてもニッチなサービスなのでそれほど多くの収益をあげられず、これまで十分な雇用を生めなかったと。そこを戸井田さんは、「楽しく体を動かしたい」、「かっこよくパンチが打てるようになりたい」、「サンドバッグを蹴ってみたい」という幅広い方々に向けたサービスを提供することで、新たなビジネスモデルを創り上げたわけですよね。

小松:
格闘技界にとって、ものすごい功績だと思います。

戸井田:
格闘家として本気で強くなりたいという人はいるにはいますが、それは正直、格闘技をやりたい人の全体の1%ぐらいです。この1%の人を色々な道場が取り合っていたわけですが、私はこの人たちはターゲットにしませんでした。残りの99%の人たちの中で、格闘技でダイエットをしたい、フィットネスをしたい、そういった方々にターゲットを絞ったんです。現在、トイカツ道場の会員数は約9000人になりますが、格闘技だけではなく、英会話教室も実施しています。英会話教室は通い放題で月謝が八千円と業界最安値でやっていて、追加料金は一切かかりません。最近では、ヨガもピラティスもダンスも習えるスタイルにしていますので、格闘技も英会話もヨガもやりたいという人はトイカツ道場に来ればいい、そういう“オンリーワン”の場所になっているんです。

東:
以前はボクシングもレスリングもキックボクシングも総合格闘技も柔術も習える“格闘技の食べ放題”というコンセプトだったと思うのですが、現在では英会話やヨガ、ダンスまで習えるのですね!

戸井田:
トイカツ道場は、過去に例のない新たなビジネスモデルですが、多くの人が誰かがすでに成功しているモデルを模倣しようとします。成功例の真似をすることは決して悪いことではありませんが、真似をするなら芯の部分まで徹底的にやらなければ、失敗してダメになってしまう場合が多いのではないかと思います。

 ニーズがなければ、ビジネスにはならない

小松:
トイカツ道場のビジネスモデルを後追いすることは出来るかもしれないけれど、本当に成功したいのであれば、自ら考え、新しいことに取り組まなければいけないということでしょうか?

戸井田:
そこは少し語弊があって、“新しいこと”ではなくて、“ニーズがあること”をやるのが大切なのだと思います。今回のインタビューのテーマに沿っていうなら、アスリートにしか出来ないことで、マーケットのニーズがあるビジネスが必ずあるはずです。

東:
新しいことに価値があるのではなく、ニーズがあることに価値があるわけですものね。

戸井田:
私の道場でも格闘技以外のジャンルはあくまでオプションで、あくまで格闘技を広めるという部分がメインと考えていますが、ダンスでもヨガのインストラクターでも、自らの技術を教えたいのだけれど、教えるための場所がなく、お金にもならないから教えていないという人がいらしたので、もしかしたら会員の中で教わりたいというニーズがあるかも知れないと思い、お金をお支払いして、コンテンツの一つとして指導をしていただいています。

小松:
指導者の自らのスキルを伝えたいという“ニーズ”と、道場の会員の方々のついでにだったら習いたいという潜在的な“ニーズ”をマッチングさせたわけですね。

戸井田:
そうですね。英会話に関してもあちこちに教室がありますが、どこも月何回、週何回というプランばかりで通い放題は無いと聞いたので、ニーズがあるのではないかと。格闘技の会員の方々が英会話を始めたり、英会話を目的に入会した方が格闘技を始めることもあるかも知れないですし、シナジーも期待出来ましたので。

東:
格闘家としての経験と道場経営の才能という“核”の周りに様々な事業が広がっていて、今後が本当に楽しみですね。

戸井田:
私は格闘技以外のスポーツでも、ニーズを見極めることでより大きなビジネスになる可能性があると思っています。例えば、野球は年齢を重ねるごとに競技人口が縮小していきます。ゴルフは大人になってから始める人がいますが、野球を大人になってから始める人って絶対的に少ないですよね。私から見ると、野球界は競技人口を増やす努力をしていないように感じるんです。

東:
確かに、未経験者が大人になってから野球を始めたという話は聞いたことがありませんね。

戸井田:
日本では多くの人にとって野球は観戦するスポーツであり、実際にプレーするスポーツではありませんが、ゴルフは観戦スポーツであり、実際にプレーするスポーツでもありますよね。野球も老若男女が楽しむためにプレーするスポーツとしての“場”をデザイン出来れば、甲子園やプロ野球を目指す“野球が上手くなりたい人”以外に向けたマーケットが生まれ、新たなビジネスになるのではないかと思うんです。

小松:
トイカツ道場が、格闘技で“強くなりたい人”以外のマーケットを開拓したように、野球でも同じビジネスモデルを成り立たせることが出来るのではないかということですね。

戸井田:
これだけ野球の人気が高いということは、潜在的なマーケットはあるのではないかと思いますので、野球が気軽に出来るようなマーケットをつくればいいと思うんです。ゴルフの室内レッスン場は沢山あるのに、野球はせいぜいバッティングセンターくらいしかないですし、野球のレッスンプロというのも聞いたことが無いですよね。

東:
野球のレッスンプロ、面白いですね!考えたこともなかったです。

戸井田:
もし、本気でやりたいと考えている方がいれば一緒にやりますよ。野球でもゴルフでもテニスでも全部ビジネスに出来ると思います。月額課金ビジネスを展開するのは得意なので。

 経営とは、人生を背負うこと

小松:
戸井田さんのお話を伺っていると、元アスリートというよりも完全に敏腕経営者ですよね。
現在、従業員は何名くらいいらっしゃるのでしょうか?

戸井田:
正社員が四十名、業務委託が二百六十名で、合計三百名です。

東:
格闘技界にそれだけの人数の雇用を創出していらっしゃるわけですね。
雇用を増やせば増やすほど、固定費である人件費が増えるわけですが、怖さやプレッシャーは無いですか?

戸井田:
そうですね。全く無いといえば嘘になりますが、自ら掲げたミッションを実現するためにはやるしかないですから。今日も採用面談を三名実施したのですが、これからもどんどん人を増やしていかなければと考えていますし、従業員にも守るべき大切な家族がいますからね。
私はいつも「お前たちの人生は一生俺が背負っていくよ」と従業員に伝えています。

小松:
素晴らしいお考えですね。さて、ここで改めて現在の戸井田さんの活動を“その後のメダリスト100キャリアシフト図”に当てはめてみますと、ジムでの指導が「A」の領域、トイカツ道場の代表が「C」の領域、格闘技の解説者や「プロ格闘家流 史上最速ダイエット」などの執筆活動が「D」の領域と、幅広い範囲でお仕事をなさっていますが、基本的には経営者ですよね。

注1)親会社勤務とはいわゆる企業スポーツである実業団チームで自らが所属していた企業で一般従業員として勤務していること
注2)親会社指導者とはいわゆる企業スポーツである実業団チームで自らが所属していた企業の指導者を務めていること
注3)プロパフォーマーとはフィギュアスケート選手がアイスダンスパフォーマーになったり、体操選手がシルク・ドゥ・ソレイユのパフォーマーとして活動していること
注4)親会社以外勤務とは自らが所属していた実業団チームを所有している企業以外で一般従業員として勤務していること

東:
今後、アスリートのセカンドキャリアにおけるロールモデルとしてはもちろん、日本におけるスポーツ産業の発展にも大きく貢献なさっていかれる方だと確信しております。
それでは最後に、競技の名前を使わずに自己紹介をしてくださいますか。

戸井田:
格闘技道場をたくさん経営している戸井田カツヤです!笑

小松:
本日はお忙しい中貴重なお時間をありがとうございました。

戸井田:
こちらこそありがとうございました。
(おわり)

次回は、元新体操日本代表キャプテン・田中琴乃さんです。6月24日公開!

 

編集協力/設楽幸生

インタビュアー/小松 成美 Narumi Komatsu
第一線で活躍するノンフィクション作家。広告会社、放送局勤務などを経たのち、作家に転身。真摯な取材、磨き抜かれた文章には定評があり、数多くの人物ルポルタージュ、スポーツノンフィクション、インタビュー、エッセイ・コラム、小説を執筆。現在では、テレビ番組のコメンテーターや講演など多岐にわたり活躍中。

インタビュアー/東 俊介 Shunsuke Azuma
元ハンドボール日本代表主将。引退後はスポーツマネジメントを学び、日本ハンドボールリーグマーケティング部の初代部長に就任。アスリート、経営者、アカデミアなどの豊富な人脈を活かし、現在は複数の企業の事業開発を兼務。企業におけるスポーツ事業のコンサルティングも行っている。

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