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岡田 友梨 / Yuri Okada   元レスリング選手|現在:ファッションブランド「KINGLILY」代表取締役

「ファッションを通してアスリートの希望に」元レスリング選手 岡田友梨

かつて、五輪という夢に向かって
懸命に闘っていた勇敢な女性、岡田友梨さん。

今、女子アスリートを美しく魅せたいと
ファッションの世界で闘っています。

夢を実現するための歩みを止めない彼女。
新しいフィールドでも選手のセカンドキャリアのお手本になるべく
全力で走っています。

Profile

 

岡田友梨(おかだ ゆり)1984年5月生まれ

元レスリング選手。高校生のときからレスリングをはじめ、2009年、世界選手権銅メダル、全日本優勝と活躍。2011年に現役引退。2016年4月、女子アスリート専門のファッションブランド「KINGLILY」を立ち上げ、デザイナー兼代表取締役として現在に至る。

  五輪選考会の直前で引退を決意。「もう闘えない」と思った理由

―― 岡田さんは小学校から中学まで柔道をされていて、レスリングを始めたのは高校生からですよね。

そうです。私は遅咲きで、大学2年のときにジャパンクイーンズカップで優勝、2009年に初めて日本代表になり、全日本選手権(51kg級)で優勝したのがレスリング選手としての頂点だったと思います。

もちろん目標はオリンピックの金メダルで、厳しい練習を積み重ねてきましたが、全日本選手権の優勝以降はなかなか優勝できず、2位に甘んじていました。

―― ご自身では、優勝に手が届かない原因をどう考えていらっしゃったのでしょうか。

私は、とにかくレスリングをすることが大好きだったので、たくさん練習していました。質より量、どれだけ練習しても苦ではなかったんです。

でも試合に勝てる強い選手というのは、今、自分に足りないものは何か、それを補うためにどう強化したらいいのかと考え、練習時間の中にピークを作って、そこで100%の力を発揮するんです。私はそれができなかった。力の抜き方を知らないから、いつも100%の力で取り組んでしまうので、怪我も多かったんです。

―― それでも五輪選考会に呼ばれるなど、将来を期待される選手でしたよね。そんな中、2012年のロンドン五輪の選考会前に引退を決意されました。

五輪最終選考に残ったのに、最終トライアル前に引退を決めたので「なぜ、いまやめるの?」と言われました。でもこれには理由があるんです。それはロンドン五輪で48kg級の金メダルを獲得した小原 日登美(おばら ひとみ)選手の存在です。

日登美先輩は、もともと私と同じ51㎏級の選手だったので、よく試合で戦いました。日登美先輩のレスリング人生は壮絶で、彼女は一度うつ病になり、それを克服した選手なんです。最年長の選手だけど、誰よりも練習をするし、とにかく強い!

私はロンドン五輪を目指す日登美さんを見て思ったんです。五輪に出場した選手は、その人生にもスポットライトがあたりますよね。日登美先輩が五輪で優勝して注目されたら、多くの人に勇気を与えると思ったんです。

うつ病を克服して金メダルを獲得するなんてスゴイじゃないですか。それに、私は日登美先輩が出場したら、絶対に金メダルを獲ると確信できたんです。それくらいオーラがすごかった。

私も命を懸けてレスリングに取り組んできましたが、そのとき「日登美先輩に五輪に行ってほしい」と思ったんです。彼女の人生が注目されて、多くの人に夢や希望を与えてほしい!そう思った瞬間、私の中の闘志がスーっと消えていき「もう闘えない」と思ったんです。

  大好きなファッションをセカンドキャリアに!という熱い思い

―― レスリングを引退してからの人生はどう考えたのでしょうか?

「この先、どうしたらいいのだろう」と、頭の中は真っ白でした。引退した先輩方の多くは、指導者になったり、所属企業に残って事務員として働いたりという方が多かったのですが、私はその道は違うと思ったんです。でも、それ以外の道をどう探したらいいのかわからない。見本になる人がいなかったんですね。

―― なるほど。そこからファッションの世界に入ろうと思ったのは?

私は、前から洋服が大好きなんです。ずっとお洒落したいと思っていたけど、普通の洋服が入らないという悩みがありました。一般の女性に比べると、肩や腰に筋肉がモリモリ付いているので、似合うデザインやサイズがないんですよ。

でも、体型に悩んでいるのは私だけじゃない。女子アスリートはみんな同じような悩みを抱えているなと思ったとき「だったら、自分が女子アスリートの為のファッションブランドを立ち上げればいい!」とひらめいたんです。絵を描くのも好きだから、デザイン画もきっと描けると思いました。

そう思ってからは早かったですね。まずは洋服のことを専門的で学ばないとあかんと思って、ファッションの専門学校の社会人コースで学ぶことに決め、上京しました。期間は1年。でも、その学校は途中でやめてしまったんです。

―― それはなぜでしょう?

私は洋服のブランドを立ち上げるためのノウハウを学校で学びたかったのですが、その学校が教えてくれるのは洋服作りの技術。私は当時27歳で、できれば全日本優勝経験もある女子レスリング選手としての肩書が効くうちにブランドを立ち上げたかったので、洋服作りに時間をかけていられませんでした。

でも、私はその学校でひとつ大きな学びを得たんです。授業でデザイン画を描くときは9頭身モデルを想定して描くのですが、私は、肩もヒップもボリュームがある人のデザイン画を描きたいと言って、そういう体型の人のサイズを数値化する方法を教えていただいたんです。

―― それはよかったです。今に繋がる学びになったのですね。

はい。そのあとブログやSNSで、アスリート体型の人の悩みを解消できる服を作りたいと訴え続けました。でも、なかなか良い反応が得られなくて……。

そこでアパレル販売の仕事について、私が提案する「体型に悩みを抱えた人の着痩せコーディネート」がどこまで通用するのか実践しようと思ったんです。これが大当たり!たくさんの顧客がついて、私の方向性は間違っていないという自信になりました。

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