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外池 大亮 / Daisuke Tonoike   元Jリーガー|現在:早稲田大ア式蹴球部監督/スカパー勤務

元Jリーガー外池大亮:早稲田大サッカーで教える、体育会学生の人間力の磨き方【後編】

―― PRといえば、外池さんはツイッターでの発信も積極的にされていますよね。

ツイッターはチームブランディングの他に、チーム内のコミュニケーションツールとして使っています。学生たちに届く言葉を選んだり、リツイートしたり。「今日は○○が決めると思ってた!よくやった!」とか。学生としては僕から直接言われていなくても、ツイッターでは褒められているっていう(笑)。

ピッチ上ではサッカーを厳しく指導して、ツイッターではまったく関係ないこともゆるく話す。何でも話す。その方が今の学生たちは心を開きやすいのかな?と感じています。だから、彼らの不安を取っ払うことはものすごく意識しています。

昨年はチーム全員がブログを書いて、それを僕が要約してリツイートすることもしていましたね。もちろん部員じゃないひとにも見られていること前提で、噛み砕いて発信して。そうしたらやっぱり外側からも反応があるんですよ。

早稲田大ア式蹴球部という歴史ある伝統的な箱があるからこそ、そこでのコミュニケーションが世の中で価値を生み出していく。部員たちはア式蹴球部の活動を通して、世の中で自分の価値がどう生み出されるかを体感できるし、社会性を磨くこともできると思います。

  変化し続ける時代にこそ、不変の主導権を握ること

―― まわりが注目する伝統的な環境と現代的なコンテンツをうまく活用しながら、コミュニケーションを育てているんですね。

そうです。これはね、思っていた以上にものすごく効果がありますよ。 僕自身もびっくりするくらい。これ意味があったな、やってよかったなと。

情報や発信の価値ってサッカーに限った話じゃないし、世の中全体で行われていることだよということは部員にも伝えていますね。だから、みんなどんどんやるようになって。そうしたら「早稲田のア式がやっているから!」って、他大学や他の部活も動きだすんですよね。

そんなザワザワが部員にとって刺激になるし、周りから反応があることによって、半信半疑だったことが手応えに変わり、自信になっていく。すると、また違う景色を見ることができます。

SNSやインターネットの広がりで、今の学生たちは昔よりもずっと自由に情報を扱えますよね。そういう中で工夫してチャンスを掴めることができたら、体育会学生としてのあたらしい強みやステージを作り出せるはずです。 「体育会学生は不利だ。」って言うひともいるけれど、全然そんなことない。

―― ひと昔前はこんなにSNSも普及していなかったし、時代とともにさまざまなことが変化していきますよね。企業も含めて。

そうなんですよね。僕らの時代は、どんな理不尽があっても受け入れて、NOと言わなくて、その中で頑張れる体力もあって……そういうひとが部活でも企業でも必要だ!なんてって言われ続けていたし(笑)。

メディアも変化している時代ですよ。
昔は王様だったテレビですら、広告費がネットに抜かれようとしている。他にもいろいろなルールが変わっているし、これまでの常識が非常識にもなっている。その中で大切なことは、自分たちがいかに主導権を持つかということ

就活においてもそう。たとえばいわゆる大手企業志望の学生に「お前、そこでやりたいことあるの?」って聞くと、「いやぁ、安定していますしね。」って返ってくるんです。今は安定していても、この先ずっと安定し続けるか?と。

大手で知名度があるから、今安定しているから、親が勧めるから……まあ、それでもいいんですが、そうじゃない選択肢もある。自分の就職なんだから、ちゃんと自分で主導権握らないと。それはこれからも伝えていきたいです。

  サッカーでも社会でも、成熟度の高いひとを目指して欲しい

―― 昔と今では、学生のキャリアへの考え方や就活、部活への姿勢なども変化していると思います。

今の学生たちって本当にサッカーのレベルが高い。僕らの時代はいろんなやつがいて……とんでもないやつもね(笑)。それに比べると今はちゃんと教わってきているし、しつけもされている。ただその分、学生たちが枠に収まっちゃうところもあります。

その枠をどうするか……。マネジメントサイドのやり方が大学サッカー最大のポイントだと思っています。優秀で能力も上がっている学生に対して、大学や指導者が時代に合っていかないと彼らの能力を引き出せません。外側から見ていても、実際に中に入ってもそう思います。

就活と部活のバランスに関しては、僕は両方やれと言います。大学4年生という時間は社会との接点がより色濃く出る時期。社会というものをよりリアルに感じて、悩み苦しみ、考える。ここでめちゃくちゃ成長するんですよ。

だから両方やりなさいと。就活を優先したいなら優先してもいい。ただ、サッカー部の一員としてのビジョンやミッションもある。体はひとつだけなので、悩んだときには全力で相談に乗るよというのが、僕のスタンスですね。

―― 最後に、部活や就活に励む学生たちにメッセージをお願いします!

僕らの時代よりもサッカーそのものの影響力は強いし、巻き込めるものも相当増えたと思います。そういう変化って今までの歴史と伝統があってこそ。なので、それらをまず知っておくことは大前提です。

ただ、学生たちにはこうも話すんです。「伝統こそ革新」と。 既存のものを何となく続けていくことじゃなく、あたらしく進化すること。それこそが伝統であるし、捉え方を間違えるなよと。守り通すだけじゃなく時代に合うものは取り入れること。

その姿勢が社会で豊かに生きていくことにも繋がるし、そんな成熟度の高いひとがスポーツにおいても必要とされていくでしょう。人間力は学生時代にも磨かれるものなので、そんなひとを目指して欲しいですね。

今、早稲田ア式蹴球部のビジョンは「日本をリードする存在になる」。 これだけ変化が速く多様的な時代に日本をリードするには、変化を生み出すこと、さまざまな価値観や違和感を受け入れることが大事です。だからこそ学生たちには寛容さを身につけて欲しい。そう願っています。

 

取材/アスリートエージェント 尾崎俊介
文/榧野文香


外池大亮 twitter
@tono_waseda

Tシャツ提供 ニューモード株式会社
https://newmode0209.fashionstore.jp/

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