2025.01.23
競輪選手の年収とは?高収入の選手になるポイント
競輪選手は一般的に高収入なイメージが強く、トップクラスの選手の年収は1億円を超えることもあります。
しかし、実力差に左右される世界なので年収にも大きな差があるのが現実です。競輪選手の平均年収や、年収の高い選手の特徴などを解説します。
INDEX
競輪選手とは?

仕事内容
競輪選手とは、整備されたコースで行われる自転車のレースに出場するプロスポーツ選手のことをいいます。
競輪は公営競技の1つであり、競輪選手は他のプロスポーツ選手と同様に職業として確立されています。競技に出ると賞金をもらうことができ、それが選手たちの収入になるのです。
競輪選手は実力ごとに階級があり、トップレベルの選手は年収1億円以上にもなります。
また、競輪選手になるためには「競輪選手資格検定」という国家試験を受けて合格することが必須条件です。
資格取得のためには静岡県伊豆市にある研修施設「日本競輪学校」に入学し、そこで教育を受けるのが一般的です。
競輪選手の資格取得後、新人選手にはA級3班のランクが与えられます。選手たちは競技に出場して実績を残すことでランクが昇進します。
競輪選手たちがレースに出る際は、財団法人JKAから斡旋通知を受け取り、参加の意思表明をします。レースの前に身体検査を受けて合格すると、出場資格を得られるという流れです。
検査後は公正確保のため選手宿舎に隔離され、競輪開催期間終了まで宿舎生活をします。
就職先や働き方
競輪選手としてデビューが決まった人は、全国にある「日本競輪選手会」に所属します。所属後は選手として登録され、競輪のレースに出場することができます。
つまり、競輪選手会が選手たちの雇用主のような存在です。
また、選手によっては副業をしたり講師の仕事をしたりする人もいます。過去に競輪選手として活躍した人が、引退後に養成所の講師に転向するということもあります。
競輪選手の年収

平均年収
競輪選手の平均年収は1,300万円になります。(平均年収推移:400〜7200万円)月収にするとおよそ108万円と高額です。
新人の頃の平均年収は400万円ほどで、ランクが上がったり大きな大会に出るほど年収が高くなる傾向にあります。
S級の選手になると年収2000〜3000万円ほどになり、級や班によって年収の金額幅があります。
賞金額も大会の規模やスポンサーによってさまざま。高いところでは賞金1億円、安いところでは3万円などかなり幅があります。
中には、1000万円以上の年収があっても、練習費用や車両のメンテナンス費用で消えてしまうので、サラリーマンの平均収入程度しか残らないという声もあります。
いずれにせよ、実力勝負の世界であることは間違いありません。
引用:平均年収.jp
賞金は過去最高額!業界が右肩上がり

JKAが発表した2023年の競輪選手賞金取得状況によると、全選手の平均額は1407万9345円で、3年連続で増加中とのこと。
1998年の1315万4744円を上回り、25年ぶりに過去最高額を更新しました。年収1000万円以上を獲得した選手も男女あわせて1602人と昨年よりも263人増えています。
2023年の年末グランプリの賞金も1億3700万円と過去最高額。競輪業界全体の経済状況は右肩上がりのようです。
参考:西日本新聞 レースサイト
給料の仕組み

競輪選手の収入の仕組みをお伝えしましょう。
競輪選手の収入源となるのは、レースの賞金と各種手当て。レースに出ると出走手当と正選手手当(合計約3万円)が支給されます。
レースの時間帯や時期によっても「モーニング手当」「ミッドナイト手当」などが加算されます。
競輪選手は成績ごとにS級からA級までランク分けされ、さらに班別にも分けられています。トップはS級S班、デビューしたての選手はA級3班になり、ランク別に年収に開きがあります。
ランク分けは成績に応じて年2回行われ、新人であってもレースで好成績を残せばいきなりS級になる可能性もあるのです。
なお、S級S班の平均年収は1億円前後といわれています。
競輪選手のなり方

競輪選手になるためには、大きく4つのステップがあります。
参考:日本競輪選手養成所
日本競輪選手養成所に入所する
競輪選手としてデビューするためには、まず静岡県にある「日本競輪選手養成所」に入所する必要があります。
下記の条件を満たしていれば入所試験を受けることができます。
- 満17歳以上(入所する年度の4月1日時点)であること
- 5回及び初回の受験から8年まで受験可
※受験回数・年数の起算は2019年以降からとする - 日本国内に居住する者であること
- その他募集要項に定める応募資格
入所試験は、一般試験と特別試験の2種類があります。大半の人は一般試験を受験しますが、オリンピックにおいて自転車競技で好成績を収めている人などは特別試験を受験することになります。
自転車競技未経験者であっても受験することは可能です。
養成所で1年間訓練を受ける

日本競輪選手養成所は、最新の設備と練習環境を有する、国内唯一の競輪選手養成機関です。
養成所に入所後は、自転車の走行技術や整備技術、競輪に関する法律やルールなどを1年間かけて学びます。
また、入所者は宿舎で集団生活を送ります。4月の事前研修に始まり、定期的に開催される記録会、卒業認定考査、トーナメント競走、卒業記念レースなど1年間のスケジュールはもりだくさんです。
国家試験に合格する
競輪選手としてレースに出るためには、毎年3月に行われる国家試験を受験して合格する必要があります。
経済産業省によると「公益財団法人JKAにおいて、身体、技能、学力及び人物について資格検定を行い、合格した者を選手として登録しています」と説明されています。
養成所でしっかりと学んだ人は、ほとんどが合格しているようです。
参考:経済産業省
選手としてデビューする
国家試験に合格して資格を取得した後は、日本競輪選手会に所属します。ここではじめて競輪選手として名前が登録されることになるのです。
最初のランクはA級3班であり、レースを重ねて実績を残すことでランクアップしていきます。例年は5月からルーキーシリーズが始まり、ここがデビュー戦となります。
養成所で学び、資格を取得したから終わりではなく、むしろここからがスタートです。実力勝負の世界で、常に訓練と学びを続け、トップを目指して上り詰めていきます。
競輪選手が高収入を狙うには?

競輪はレースの結果がダイレクトに収入につながる世界。競輪選手が年収をアップするために必要なことは、自身のランクアップ、そして賞金額が大きなハイグレードの大会に出場することです。
選手としてランクアップする
競輪選手が年収をアップさせるための確実な方法はランクアップです。競輪選手はレースの結果に応じて6つの級班に分けられています。
S級S班の選手になれば年収1億円を達成している人も。実は、レーサーが履いているパンツの色は階級ごとに異なります。レースを見る機会があればぜひチェックしてみてください。
グレードの高いレースに出場する

獲得賞金はレースごとに異なり、ハイグレードなレースほど賞金額が多くなります。つまりグレードの高いレースに出場するほど高収入を狙うことができるのです。
しかし、誰もがハイグレードなレースに出場できるとは限りません。
レースに出るには財団法人JKAから斡旋通知を受け取る必要があるため、当然、グレードの高いレースへの出場権があるのは階級上位の選手ということになります。
選手たちは、グレードの高い有名なレースに出ることを目標に、ランクアップを目指して努力を重ねているのです。
「KEIRINグランプリ」で優勝して1億円を稼ぐ
KEIRINグランプリは、優勝賞金1億円以上をかけた競輪界最高峰のレースです。
年6回開催されるGIレースの優勝者や獲得賞金ランキングの上位者など、約2200名の選手の中からトップ9名が出場資格を得ることができます。
いわば、真の王者の決定戦。毎年12月末に開催され、1レースのみの一発勝負となります。2023年は松浦悠士選手が優勝し、賞金の1億3,700万円(副賞込)を獲得しました。
参考:KEIRINグランプリ
競輪選手の将来性は?

競輪業界はバブル崩壊後から2019年頃まで、競輪場や競輪選手の減少など課題を抱えていました。若い世代のギャンブル離れも大きく影響し、業界の売上規模が激減していたのです。
最盛期のおよそ30%まで売上が落ち込むなど人気が低迷していた競輪業界ですが、2022年の売上は20年ぶりに1兆円を超え、再び業界が盛り上がりを見せました。
その背景にあったのは、デジタル化の取り組み。インターネット投票の導入やアプリの活用などを採用したことで、特に若い世代の人々が気軽にレース観戦を楽しめるようになったのです。
また、新型コロナウイルス感染拡大による巣篭もり需要がこれらの取り組みともマッチしたというのも大きな理由です。
スマホやパソコンで全国のレース映像を視聴したり、様々な決済方法で資金をチャージできるようになり、競輪がより身近なスポーツになりました。
また、女子競輪(ガールズケイリン)も盛り上がりを見せています。2023年にはガールズケイリンのGIが設立され、多くの人に注目されています。
性別や年齢を問わず様々な選手が活躍している競輪の世界。若手ばかりが勝ち進んでいるわけではなく、ベテラン勢もトップで賞金争いをしています。
競輪選手の選手生命は他のスポーツと比較すると長いほうともいわれています。
競輪選手の引退後の道は、競輪場の職員や養成校の講師、解説者など様々。最近は、競輪の魅力を広めるべく動画配信を行っている元選手もいるようです。
年収が高い競輪選手の特徴

難易度の高いレースに挑戦している
高収入の選手の特徴の1つとして、難易度の高いレースに出場していることが挙げられます。先述した通り、難易度の高いレースほど賞金額が大きいためです。
競輪で最も難易度が高いのは12月に開催される「KEIRINグランプリ」です。グランプリに次いで、G1、G2、G3、F1、F2と続きます。
選手と同様、レースにも階級があるのです。G3以上のレースに関しては、1年に一度のみの開催となり、出場できるのはS級選手のみとなります。
また、グランプリの次に難易度の高いレースである「G1」には「読売新聞社杯全日本選抜競輪」、「日本選手権競輪」、「高松宮記念杯競輪」、「寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント」、「オールスター競輪」、「朝日新聞社杯競輪祭」などのレースがあります。
プレッシャーに強い

競輪選手にプレッシャーはつきものです。瞬発力や集中力が鍵となるスポーツであるため、レース前や最中には強いプレッシャーを感じる人もいるでしょう。
また、ランクアップするにつれてプレッシャーが大きくなるという説も。強くなるほどに「勝たなければいけない」「ランクを落とせない」という気持ちになるのでしょう。
しかし、そういったプレッシャーに打ち勝ち自分らしい走りを確立できる選手こそ、トップに上り詰める実力があるといえます。
高い忍耐力や継続力がある

競輪選手になるためには、まず養成校で訓練を受ける必要があり、高い忍耐力や継続力が必要です。
初心者でも養成所に入り競輪選手を目指すことは可能ですが、生半可な気持ちで続けられるスポーツではありません。
なにより、国家試験に合格しなければ選手としてデビューできないので、技能だけでなく知識も身につける必要があります。
コツコツと努力を積み重ね、思うような結果が出せないときも粘り強く頑張ることができる人ほど成績を伸ばし、収入を高めていくことができるでしょう。
レースがないときも自主トレを欠かさない

レースがないときにどれだけ自主練習に励んだかは実力に反映されます。
選手たちは自転車に乗って練習する以外にも、走り込みや筋トレ、ストレッチ、レースのイメージトレーニング、フォーム作り、呼吸法や集中力の訓練など様々なトレーニングをこなしています。
また、コースの特徴に合わせて走り方を変える必要があるため、理論に基づいたコース研究も必要です。
怪我予防をする

競輪選手は常に怪我のリスクを負っているといっても過言ではありません。レースの中では選手同士、自転車同士が接触することも珍しくありません。
競輪の自転車は時速70kmまで出るので、交通事故をイメージするとダメージがどれほどか分かるはず。
怪我をして選手生命を絶たれてしまったり、長期のリハビリが必要になったりするおそれもあります。
まとめ
競輪選手は年収1000万円以上を目指せる職業です。しかしそこに到達するには、無数の努力やハイレベルなレースに挑戦する覚悟が必要です。
競輪選手になって稼ぎたいと思っている方は、コツコツと練習を重ね、実力を磨く必要があります。
スポーツ関係の仕事を探している人は、アスリートエージェントがおすすめです。
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