2024.12.12
ラグビー審判になるには?日本ラグビー協会の資格について紹介
ラグビーの試合になくてはならない審判の仕事。しかし、「職業として成り立っているの?」「ラグビーの審判になるには何か資格がいるの?」と疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。
本記事では、ラグビー審判の資格制度についてや適性について紹介します。
INDEX
どうやったらなれる?資格は必要?

2019年に開催されたラグビーワールドカップ以降、日本ではラグビーの人気が徐々に高まっています。ラグビー選手たちはトップリーグに所属するチームと契約し、試合に出場します。
また、コーチや監督も日本ラグビーフットボール協会の認定資格を取得した上で、加盟チームと契約を行います。
そして、競技を行う上でなくてはならないのが審判の存在です。審判は「レフリー」「レフェリー」とも呼ばれます。審判は競技を円滑かつ公平に進める上で非常に重要な存在です。
2019年のラグビーワールドカップが契機となり、日本ラグビーフットボール協会はラグビーの審判資格制度を整備しました。
ラグビーの審判として活躍するためにはまず「スタートレフリー」という資格を取得し、その後は実績に応じて階級を上げていく必要があります。
資格を取得した後は各都道府県ごとに存在する日本ラグビーフットボール協会に登録し、所属します。
監督やコーチとの違いは、チームではなく都道府県に所属するということです。
これは、審判が特定のチームに加担することなく公平にジャッジを行うためです。次の章からは、日本ラグビーフットボール協会が公認する審判資格について解説していきます。
日本ラグビーフットボール協会の審判資格

2019年のラグビーワールドカップ以降、日本ではラグビーに関心を示す人が急増しました。
これまで以上にラグビーの魅力を伝えていき、ラグビーというスポーツを普及していけるように、日本ラグビーフットボール協会では2020年に審判資格制度を整備しました。
これによって、専門的な知識と技術を持った審判(公認審判員)によって公式戦の運営が行えるようになりました。
日本ラグビーフットボール協会は、「レフリーの発掘と育成」および「国内のレフリングスタンダードの向上」「国際舞台で活躍するレフリーの排出」を目標とし、日本のラグビーの発展に寄与しています。
協会が認定する5種類の資格は、いずれも講習会での学習や実技試験をもとに、適切な知識と技能を習得している人に付与されます。また、いずれの資格も有効期限は4年間と定められています。
資格を取得したからといって、すぐに公式試合を担当できるとは限りません。
各都道府県ごとの協会に所属した後は、所属協会から試合割り当てに関する連絡が来て初めて試合を担当することができます。
なお、2019年以前に審判資格を取得した場合は、無条件で相応の資格に移行することが可能です。
審判の種類
ここからは、日本ラグビーフットボール協会が認定する5つの審判資格について詳しく解説していきましょう。
スタートレフリー
スタートレフリーは、これからラグビーの審判を志す人に対して付与される資格です。
初心者向けの資格ともいえますが、スタートレフリーの資格があれば、各協会が主催する公式戦のタッチジャッジ、コンタクトを伴わないラグビー(タグラグビー)の審判員として活躍することが可能です。
スタートレフリーの資格を取得するためには、「JRFUスタートレフリーコース」(eラーニング)を受講する必要があります。
これは、NTTドコモが提供するeラーニングシステム「gacco」を使って行う約90分の講座です。
パソコンやタブレット端末、スマートフォンからも受講でき、特定の会場に出向くことなく資格を取得できます。
講座は申し込みから65日間だけ視聴することができますが、期間内に修了できなかった場合は再度受講料を支払い申し込む必要があるため注意が必要です。
講習を終えると証明書が発行され、審判登録を行えます。審判登録が済むとおよそ2ヶ月後にはスタートレフリーとして活動可能になります。
- 受講料:2,000円(クレジットカードまたはキャリア決済)
- 受講資格:ラグビーの審判を志す15歳以上の人。ただし、中学校並びにこれに相当する学校に在学中の生徒は除く。
ミニラグビーレフリー(MRR)
ミニラグビーレフリー(MRR)とは、12歳以下のラグビー(ミニラグビー)の試合の審判ができる資格です。
スタートレフリーが担当できる範囲に加え、各協会が主催するミニラグビーの試合の審判員を務めることが可能になります。
MRRを取得するには、各都道府県のラグビーフットボール協会が実施する認定講習会を受講する必要があります。
スタートレフリーの資格保有者でないと受講できないため、まずはスタートレフリーの資格を取得しましょう。
また、子ども向けのラグビースクール等で働きたいと考えている人にとっても役に立つ資格といえます。
主に小学生以下の子どもが対象となりますが、子どもたちのモチベーションを上げてラグビーを楽しんでもらうためには専門性が必要です。未来のラグビー選手輩出にも貢献できるかもしれません。
- 受講料:3,000円
- 受講条件:スタートレフリー資格保有者
(年齢や経験値等の諸条件は各協会の要項を確認しましょう)
参考:熊本県ラグビーフットボール協会、日本ラグビーフットボール協会
C級レフリー
C級レフリーはMRRの担当試合に加え、都道府県協会主催の中学生年代(ジュニアラグビー)以上の審判員を務めることが可能な資格です。
資格取得には、各都道府県の協会が実施する認定講習会を受講する必要があります。
講習内容は主に、必携品やルールの定義といったレフリングの基礎知識、レフリーの基本動作、シグナルやアシスタントレフリーの役割といったことになります。
また、基本動作やシグナルの実技講習、持久力評価テストなども行われます。MRRよりもさらに幅広い年代の子どもたちに関わりたいという人は取得しておいたほうがよい資格です。
- 受講料:3,000円
- 受講条件:スタートレフリー資格保有者
(年齢や経験値等の諸条件は各協会の要項を確認しましょう)
参考:三重県ラグビーフットボール協会、日本ラグビーフットボール協会
B級レフリー
B級レフリーはC級レフリーが担当できる範囲に加え、関東支部協会・関西支部協会・九州支部協会が主催する公式試合の審判員を開催することができる資格です。
資格取得には、協会が実施する認定講習会を受講する必要があります。本格的に公認審判員として活動していきたい方や、さらに活躍の幅を広げていきたい方はぜひチャレンジしてみてください。
- 受講料:5,000円
- 受講条件:C級レフリー資格保有者
(年齢、経験値等の諸条件は各協会の要項を確認しましょう)
A級レフリー
A級レフリーはラグビー審判の資格の中でも最上位。B級レフリーの担当範囲に加え、日本ラグビーフットボール協会主催試合の審判員を務めることができます。
有名な大会で審判員を行うことができ、一流のレフリーとしての実力を証明できる資格ともいえます。
- 受講料:20,000円
- 受講条件:B級レフリー資格保有者
詳細は要確認
ラグビー審判としての適性
ラグビーのルールやゲーム性について熟知している
ラグビーのルールや競技規則を熟知していることは審判として最も大切なポイントです。実は、ラグビーの競技規則を熟知している選手はそれほど多くないのが現状です。
怪我のリスクが高いラグビーというスポーツをする上で、競技規則を守らないと大きな怪我や事故が発生する可能性が高まります。
また、講習会でも触れる内容ですが、ラグビーの原則を含む「ラグビー憲章」も押さえておきましょう。ラグビー憲章にはラグビーの原則をはじめ、競技の特性や理念が記されています。
体力、持久力、瞬発力が高い

ラグビーの審判は、広いフィールドを選手と一緒に動き続け、常にボールや選手の動きを見て判定していく役割を担います。そのため、選手と同等の体力・持久力が必要な職業です。
具体的には、筋力、有酸素系能力、柔軟性、スピードといった内容です。プレーヤーの行動の変化に反応して走り、瞬間的に身動きをとり、レフリーとして分かりやすく身動きをとることが求められます。
また、ラグビーは激しい動きが連続するスポーツです。そのため、選手だけでなく自分の安全も守りながら競技を進行しなくてはいけません。素早い身のこなしや瞬発力も問われます。
お互いを尊敬できるフェアプレーの精神を持っている
ラグビーの競技規則には、ラグビーの精神が記されています。行動に対しての規律や抑制、お互いを尊敬し合うこと、フェアプレーの精神といった内容です。
審判員もこのラグビーの精神を守ることが求められます。
勝敗が関わる競技の中でこれらを守るのは決して容易ではないと念頭に置いた上で、審判はラグビーの精神が確実に実行されるように意識しなければいけません。
フランスのラグビー選手であるジャン・ピエールの言葉に「ラグビーは少年をいち早く大人にし、大人に永遠の少年の魂を抱かせる」というものがあります。
この言葉の中にこそ、ラグビーの精神が表されているといえます。
マネジメント能力が高い

マネジメント能力は、競技を運営していくための能力といえます。
競技の中で選手たちとコミュニケーションを図り、チームの集団プレーをコントロールし続けてノーサイドまでゲームを運営していく能力が審判員には必要です。
観客を魅了する試合は、継続性が高くボールとプレーヤーが動き続けるものと考えられています。
審判員と選手が意識を合わせて協力することで、観客が楽しめる良いプレーを実現することができるのです。
勝敗も大切ですが、試合の経過も重視できるレフリーこそ優秀と評価されています。
冷静かつ臨機応変に判断できる
複雑なプレーの中で冷静に判断する力が求められます。競技の中で起こる事象を正確に捉えて判断し、プレーが継続できるかを瞬時に決定しなくてはいけません。
ラグビーの試合は一瞬の油断も許されません。審判員がジャッジをためらっていると、選手たちがパフォーマンスを発揮できなくなったり、怪我が発生するといったさまざまな問題が起こり得ます。
性別は関係ない

ラグビーは男性のスポーツというイメージが根強いかもしれませんが、近年はラグビー界で活躍している女性が増えています。
女子選手はもちろん女性の審判も誕生し、社会的にも注目を浴びています。資格取得の条件として性別は設けられていないので、女性の方も審判を目指すことは可能です。
ただし、現状として女性審判の人数が少ないのは事実です。労働環境や育休・産休といった制度が整備されていなかったり、ロールモデルが少ない中で道を切り開いていく過酷さはあるかもしれません。
しかし、女性の審判が増えていくにつれてラグビーはより幅広いジェンダー、年代の人に愛されるスポーツとなるでしょう。
まとめ
冷静さや判断力が求められるラグビー審判の仕事。自身のラグビー経験を活かして審判の仕事に就くという選択肢もあります。
スポーツ関係の仕事を探している人は、アスリートエージェントがおすすめです。
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