2024.12.07
スポーツ分野で活躍する理学療法士になるには?役割や活躍の場を紹介
理学療法士を目指している人の中には、スポーツ分野で活躍する理学療法士になりたいと考えている人もいるのではないでしょうか。
理学療法士のスキルをスポーツの分野で発揮できれば、より働く幅ややりがいが広がります。
本記事では、スポーツ分野で活躍する理学療法士の役割やなるための方法について解説します。
INDEX
理学療法士の仕事内容
理学療法士は、病気やケガ、高齢など患者の身体的な状態や機能を確認し、その結果にもとづいて改善のための治療計画を立てる仕事です。
患者の個々のニーズや目標に応じて、運動療法、手技療法、ストレッチング、および筋力トレーニングなどの理学療法を使用します。
これにより、患者が日常生活や仕事に戻るための身体的な機能をサポートします。
運動療法 | 正しい姿勢や動きを身につけるための特定の運動やエクササイズの指導 |
手技療法 | マッサージ、関節の可動域を改善するための手技、ストレッチングなどの指導 |
治療計画を調整すると同時に、他の医療専門家との連携やカウンセリングを通じて、患者が自ら健康管理や予防策、自宅での運動の方法を理解できるようにサポートします。
理学療法士は患者が最大限の機能を回復させ、日常生活において最良の生活を送る支援をする役割を果たします。
理学療法士とスポーツトレーナーの違いとは?
理学療法士は、医学的な知識と臨床経験を持つ専門家として、疾患やけがの治療および回復を目的としています。
スポーツトレーナーは、主にアスリートやスポーツ活動を行う人々のフィットネスやパフォーマンス向上に焦点を当てた専門家として、パフォーマンス向上のサポートをすることを目的としています。
両者の目的は異なるものの、理学療法士がケガをしたスポーツ選手のリハビリをサポートすることもあり、理学療法の面から支えることもあります。
また、理学療法士には国家資格が必要になりますが、スポーツトレーナーには必要になる国家資格がないという違いがあります。
しかし、スポーツトレーナーの中には医療系の国家資格を取得している人も少なくありません。両者は目的や必要資格が異なる仕事でありますが、仕事内容には重複するものもあります。
スポーツ分野での理学療法士の役割
ケガの予防や治療
理学療法士がスポーツ分野で発揮できる役割には、ケガへの予防や対応があります。
体が資本であるスポーツ選手にはケガがつきものですが、ケガをしてしまうことで選手生命を脅かしてしまう危険性があります。
理学療法士は、ケガを未然に防ぐための動作分析による改善指導や、準備運動や運動後のケアを指導することで、ケガ予防のサポートをします。
さらに、ケガをしてしまった際の応急処置の対応をすることも。
捻挫や骨折など、早急に処置が求められる場合、理学療法士による適切な対処指導が求められることがあります。
競技復帰に向けたリハビリテーション

ケガにより競技を離脱した選手の、復帰に向けたリハビリも理学療法士が担当します。
医師の診断が前提になることから医療機関と連携しつつ、一般の人と比べてよりスポーツ動作に即したリハビリメニューを組み立てます。
身体機能の回復と、症状が再発しないための動作指導や体作りを中心におこないます。
コンディショニングの調整やパフォーマンスの向上のサポート

理学療法士はスポーツ分野における、アスリートのコンディショニングの調整やパフォーマンス向上のサポートに対応します。
身体機能を把握し、日々の練習の中で効率的な動作ができるよう指導をすることで、パフォーマンスの向上をはかります。
また、マッサージやストレッチなどのケアを通して、痛みの軽減や筋肉の動きの維持をサポートします。
試合で最高のパフォーマンスが発揮できるように、全身のコンディショニングを調整する役割を担います。
理学療法士がスポーツ分野で活躍できる環境

スポーツに特化しているクリニックや病院
理学療法士がスポーツ分野で活躍できる環境には、スポーツに特化しているクリニックや病院があります。
名医の務める病院の中には日本代表選手の治療に対応している病院もあり、そうした病院に入ることでトップ選手のサポートに携わることができます。
また、各地に「スポーツクリニック」を掲げているクリニックも存在し、トップアスリート以外にも部活や社会人チームでスポーツをしている人などが訪れます。
スポーツクリニックでは、大人からこどもまでスポーツをしている幅広い患者さんと関わることができる魅力があります。
プロのスポーツチーム

プロのスポーツチームが、専属のトレーナーとして理学療法士を雇用するケースがあります。
チームの中では、リハビリや選手のコンディショニングの調整、ケガの応急処置などの対応が求められ、プロチームであるほど高いレベルのスキルが要求されます。
成果が認められなければ契約解除になることもある厳しい世界でありながら、プロのスポーツチームの中で任務を経験することは大きな財産になるでしょう。
地域のスポーツチームや部活動

地域のスポーツチームや、高校生など学生の部活動チームにおいても、理学療法士の活躍が目立ってきています。
アマチュアスポーツチームの中には間違ったトレーニングを実践しているケースも多く、主に正しいトレーニング方法の指導やコンディショニングの調整をおこないます。
サポートを通じて、飛躍的に結果を向上させることもあり、仕事を通じて大きなやりがいが感じられることもあるでしょう。
一方で、少ない報酬やボランティアで雇用されることが多く、複数のチームをかけ持ちするケースも少なくありません。
障害者スポーツチーム

障害者のスポーツチームを理学療法士がサポートすることがあります。
障害者に対する知識を多くもった理学療法士は、知識を活かして体調管理などの指導ができることから、障害者スポーツチームの指導が可能です。
義足や車いすの競技によるケガの予防やパフォーマンスの向上はもちろん、ケガや事故が多く起こりやすい障害者スポーツにおける応急処置などに対応することができます。
障害者が安心してスポーツに取り組めるサポートをおこなう、やりがいのある仕事です。
理学療法士がスポーツ分野で活躍するために役立つ資格

CSCS
理学療法士がスポーツ分野で活躍するために役立つ資格「CSCS」とは、特定非営利活動法人NSCAジャパン(日本ストレングス&コンディショニング協会)が主催する民間資格です。
主に運動とスポーツのパフォーマンス向上に焦点を当てたトレーニングに従事する専門家向けの資格であり、スポーツにおけるケガの予防とパフォーマンスの向上を目的とし、安全かつ効果的なトレーニングプログラムを計画・実行するための知識と技能をもつ人材を認定するものです。
この資格を取得することで、個人やアスリートに対して科学的なアプローチを用いた強度とコンディショニングの指導ができるようになります。
国内だけでなく、海外でも通用する資格となるため、高度な指導力をもつトレーナーとして信頼性を高めることに役立ちます。
参考:CSCS
日本スポーツリハビリテーション学会認定トレーナー

日本スポーツリハビリテーション学会が主催している「日本スポーツリハビリテーション学会認定トレーナー」は、スポーツ障害などの運動器疾患の発生やその再発予防を指導する人材、支援できる人材を認定するための認定制度です。
健康科学的側面からケガの予防や疾患の再発予防を目的として掲げ、適切なトレーニングやコンディショニング指導ができる専門技術者の養成と認定を実施しています。
現在認定されているトレーナーの多くが、柔道整復師の資格の保有者や理学療法士、アスレティックトレーナーや医師、学生となっています。
理学療法士がスポーツ分野で活躍するための方法

スポーツの専門スキルや役立つ資格を習得する
スポーツ分野で活躍できる理学療法士になるためには、まずはスポーツに関する専門スキルや資格を習得することがおすすめです。
理学療法士としての知識があったとしても、スポーツ分野に関する知識がある証明にはなりません。
スポーツにもとづく動作分析や、トレーニング要素を考えたリハビリメニューの立案など、実際にスキルの習得ができるセミナーや現場経験を積むことでスキルを習得しましょう。
専門的なスポーツ知識と、医学的な知識の両方が求められる点から、医療系の資格やCSCS、日本スポーツリハビリテーション学会認定トレーナーの資格を取得することがおすすめです。
スポーツリハビリを取り扱う病院に就職する

理学療法士がスポーツ分野で活躍するための一番の近道は、スポーツリハビリを取り扱う病院に就職する方法です。
スポーツのリハビリを目的とする患者が多く来院することから、実践的な現場で経験を積むことができます。
優秀な医師がいる病院であればあるほど、有名なスポーツ選手が集まる傾向にあり、将来的にプロのチームと契約を結べる可能性もあるかもしれません。
まずは、実践的な経験が積める環境に身をおいて、スキルを磨くことからはじめましょう。
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スポーツトレーナーになる

プロスポーツチームの中には、選手をサポートするためのスポーツトレーナーとして理学療法士を探していることがあります。
理学療法士としての技術を持ちながら、ケガの予防やリハビリ、トレーニング指導をするスポーツトレーナーを目指す方法もおすすめです。
スポーツトレーナーになるための必須資格はないため、資格がなくてもスポーツトレーナーを目指すことが可能です。
しかし、プロスポーツチームの専属を目指す場合は狭き門となるため、スポーツトレーナーとして活躍するうえで有利になる関連資格や医療の専門資格を習得することが重要になります。
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勉強会などに参加して人脈を作る

スポーツ分野で活躍するためには人脈が欠かせないため、勉強会などに参加をして人脈を作りましょう。
勉強会に足を運ぶ講師の多くが、スポーツ分野で活躍する医師などです。勉強会や親睦会で関係性を作ることで、後に仕事がもらえる可能性にもつながる可能性があります。
なるべく積極的に足を運び、コミュニケーションをとることを心がけましょう。
スポーツ分野で活躍する理学療法士の将来性

近年、健康志向も高まり、スポーツに打ち込む社会人やシニアの割合も増加傾向にあります。
スポーツトレーナーのニーズも、プロのチームに限らず、地域のスポーツクラブや学生チームにまで広がってきています。
理学療法士の資格を持っていることで、今後ますますスポーツの分野で求められる機会が増えてくると予測されるでしょう。
多くの人が生涯スポーツを楽しめるように、今からスキルを磨いて、スポーツ分野で活躍できる理学療法士を目指すことをおすすめします。
スポーツ分野の理学療法士の仕事を探すならアスリートエージェントに相談を

理学療法士がスポーツ分野で活躍できるフィールドは数多くあるため、希望する就職先探しや就職活動に迷いや悩みを持つ人もいるのではないでしょうか。
スポーツ分野の理学療法士の仕事を探している人は、スポーツ専門の就職・転職エージェント「アスリートエージェント」に相談することをおすすめします。
スポーツ分野に特化した就職支援や求人紹介を行っており、一般の求人サイトなどではなかなか見つけられない仕事が見つかるかもしれません。
さらに、アスリートエージェントは求人情報の提供だけでなく、エントリーシートや履歴書の書き方、面接対策など就活における全面的なサポートにも対応しています。
「就職活動の進め方が分からない」「専門家からアドバイスが欲しい」など、スポーツ分野の理学療法士を目指す上で不安がある方は、ぜひアスリートエージェントにご相談ください。
まとめ
理学療法士がスポーツ分野で発揮できるスキルや技術は数多くあります。
理学療法士としてスポーツの分野で活躍したい人は、必要な知識をもって挑戦してみることがおすすめです。
アスリートエージェントでは、スポーツに特化した就職活動を全面的にサポートしています。就活の進め方に悩んでいる人は、お気軽にご相談ください。
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