2024.10.12

器械体操関係の仕事9選!選手以外の仕事や就活で有利になる資格を紹介

器械体操関係の仕事と聞くと、体操選手をイメージする方が多いのではないでしょうか。実は選手以外にも、器械体操関係の仕事には様々な種類があるのです。

本記事では、器械体操に関係する仕事や、就活のときに役立つ資格などを徹底解説します。

日本の器械体操業界の実情は?

器械体操とは、平均台や鉄棒、跳び箱、平行棒、あん馬、つり輪などの道具を使って行う運動のことを意味します。

また器械体操には、道具を矯正具と考えるスウェーデン式と技術面から評価するドイツ式が存在します。

競技としては、男女で種目が異なります。男子種目にはあん馬、つり輪、跳馬、並行棒、鉄棒、女子種目は跳馬、段違い平行棒、平均台となっています。

器械体操以外も含めた体操種目全体で見ると、オリンピックや世界選手権において、男子はこれまでに数々のメダルを獲得してきました。

女子は東京1964大会の団体総合の銅メダルが唯一のメダルでしたが、東京2020では村上茉愛選手が種目別ゆかで銅メダルを獲得しました。

女子種目では57年ぶりの快挙であり、ニュースでも大きく取り上げられました。

また、器械体操は学校教育にも取り入れられているため、ジュニア向けの体操教室やスポーツクラブにもニーズがあります。

高齢化社会に伴う社会全体の健康志向の増進の影響もあり、シニア層が健康維持増進を目的としてフィットネスクラブ等で器械体操の習い事をするケースもあります。

このように、器械体操はアスリートの競技種目という側面以外に、一般の人々にも親しまれているスポーツです。

参考:日本オリンピック委員会

器械体操関係の仕事9選

ここからは、器械体操に関連する仕事を9つご紹介します。

体操選手

体操選手を職業とする際は、企業とプロ契約、もしくは労働契約をする必要があります。プロ契約の選手は、企業から年俸をもらい競技に専念することができます。

有名な選手は企業の広告塔となり、テレビCMや雑誌などのメディアに出演することもあります。

労働契約の選手はシーズン中は体操競技に専念し、それ以外の時期は一般の従業員として企業で働きます。

しかし、日本においてプロとして活躍した体操選手はごくわずかであり、ほとんどがアマチュア選手という実情です。

プロ契約をした体操選手として、オリンピックで複数のメダルを獲得した内村航平選手が有名ですが、コロナ禍における企業の業績悪化の影響を受けプロ契約は終了してしまったようです。

企業とプロ契約をすることで体操の魅力を日本に広めることができ、業界全体に大きく貢献することが可能です。

とてもやりがいのある働き方ですが、その道のりは容易ではないでしょう。

スポーツトレーナー

スポーツトレーナーとは、スポーツチームにおいて選手たちの健康管理やコンディション調整を行う人たちです。

アスレティックトレーナーやストレングストレーナー、メディカルトレーナーなど専門性ごとに名称が分かれています。

器械体操の経験を活かして体操選手のスポーツトレーナーになることもできますが、バスケやサッカーといった他の競技の選手を対象に働くという選択肢もあります。

日本における体操競技の市場はそこまで大きくないため、体操選手のトレーナーを目指すとなると就職先が見つからない可能性があるからです。

また、スポーツジムなどに就職し、アスリートや一般の人を対象にトレーニングを行うこともできます。

スポーツジムの求人は比較的多く、フリーランスとして活躍しているスポーツトレーナーも珍しくありません。

スポーツトレーナーに興味がある方は、以下の動画もあわせてご覧ください。

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インストラクター

インストラクターは、スポーツの技術指導を行う人のこと。主に一般の人々を対象とするスポーツジムやフィットネスクラブにおいて技術指導を行います。

器械体操の経験を活かし、ストレッチやヨガ、バレエ、ダンスなどのクラスのインストラクターをしている人もいます。

体全体を使って行う器械体操の経験は、他の運動の技術にも応用しやすいのが強みです。

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審判員

体操競技は採点制のため、各大会において審判員が必要です。各大会では、日本体操協会の公認審判員が活躍しています。

公認審判員には第1種から第3種まで区分があり、担当できる内容が異なります。

資格については後述しますが、体操の審判員はボランティアが多く、職業として目指すとなると厳しいのが現状です。

今後、体操競技の市場が今よりも拡大すれば他の競技のように職業としての審判員が増えていくかもしれません。

スポーツ施設のスタッフ

地域の人々が利用する体育館やプールなど、スポーツ施設で働く人もいます。

インストラクターとして技術指導をする以外にも、事務作業や経理、設備点検、清掃など施設の運営に携わる業務がメインとなります。

一般の人々を対象に、スポーツの楽しさを広めていきたいという熱意を持った人や、地域に貢献できるスポーツの仕事がしたいという人には向いています。

特別な技術や知識は必要ないため、現役選手を引退してブランクがある人も無理なく始められるでしょう。

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高齢者向け施設のスタッフ

介護付き老人ホームやデイサービスなどの高齢者向けの施設において、レクリエーションで体操を行うことがあります。

社内の専任のスタッフが講師を務めることもあれば、外部講師が担当することもあります。

介護関連の資格を持っていれば、高齢者向けの施設で介護職者として活躍しながら体操の経験を活かすことができる可能性もあるでしょう。

子ども向け体操教室講師(指導者)

主に、幼児や学童期の子どもたちに、教室などで運動の仕方を教える先生の仕事です。

跳び箱やマット運動、鉄棒など道具を使う運動の他にも、走り方やダンス、リズム運動、水泳など種目は様々です。

本格的に選手を目指している子に教えることもあります。

自分自身の器械体操の経験を活かし、次世代を担う子どもたちに運動の技術や楽しさを伝えるやりがい溢れる仕事です。

保育・教育関係の資格を持っていると就職の際に強みになります。

仕事内容は体操教室ごとに異なります。得意なスポーツがある場合は、そのスポーツに特化したクラスを担当できる場合もあるので、見学や面接の際によく確認してみましょう。

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スポーツジャーナリスト・カメラマン

新聞や雑誌、Webメディアなどでスポーツ選手たちの活躍を伝えるのが、スポーツジャーナリストやスポーツカメラマンです。

新聞等で記事を書くことに特化する人は、スポーツ記者とも呼ばれます。

新聞社や編集プロダクションに就職する以外にも、フリーランスとして活躍している人も少なくありません。

働き方の自由度が高くなる上、他社の仕事を掛け持ちすることができます。

書くことや写真を撮ることが得意で、世の中にスポーツの最新情報を伝えたいという思いを持った人におすすめの仕事です。

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スポーツ用品メーカー関係

用具やユニフォームなどを開発・製造・販売する企業に就職し、間接的にスポーツ業界を支えることもできます。

器械体操の経験を活かし、体操競技で使用する用具をつくるメーカーで働くという選択肢もあるでしょう。

器械体操の道具やウェアを製造・販売するメーカーには、SASAKINGCスポーツセノー株式会社といった企業があります。

企業の規模にもよりますが、大きな企業であれば企画・開発・デザイン・広報・営業・経理・総務など複数の部署が存在します。

自分の得意なことを活かした働き方ができるのもメーカーに勤務するメリットです。

メーカーに就職するコツについては、以下の動画でも解説しています。ぜひチェックしてみてくださいね。

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就活で役に立つ!器械体操の仕事に関係する資格

ここからは、器械体操の仕事に関係する代表的な資格を4つご紹介します。

日本体操協会公認 一般体操指導員

日本体操協会が発行する民間資格です。

健康を目的とした一般体操の指導者向けの資格であり、日本体育協会が認定する公認体操指導員資格の専門科目と同じ内容になっています。

受講資格は体操指導者を目指す18歳以上で、日本体育大学で講習会を受講することで取得可能です。学生でも取得できます。

資格取得後は、スポーツクラブや介護施設などで活かすことができます。

費用合計:17,900 円 (内訳: 受講料 15,400 円 + テキスト代 2,500 円)

参考:日本体操協会

日本体操協会公認 高齢者体操指導員資格

日本体操協会が発行する、高齢者の健康づくりを支援するための体操指導員の資格です。

受講資格は年齢が18歳以上であり、7時間のオンライン講習を受けると取得できます。

体操の基礎理論や高齢者の特性に応じた指導方法、高齢者の特徴や認知症に関する内容を学びます。

資格取得後は、デイサービスや老人ホームなどで活躍できます。

費用:10,000円

参考:日本体操協会

財団法人健康・体力づくり事業財団公認 健康運動指導士

健康・体力づくり事業財団が発行する運動指導者の資格です。

保健医療関係者と連携し、安全で効果的な運動を実施するためのプログラム作成や、実践指導計画の調整といった役割を担います。

生活習慣病予防のための健康づくりや、医療費適正化対策の柱としても期待されている資格です。受講条件や費用はコースごとに異なります。

取得するには養成講習を受講するか、養成校にて養成講座を修了した上で試験に合格する必要があります。

取得後はフィットネスクラブや医療施設、保健所などで活躍可能です。

参考:健康・体力づくり事業財団

日本幼少年体育協会 幼児体育指導者検定

日本幼少年体育協会が発行する幼児体育の指導者資格です。

子どもに対して体育や運動あそびを楽しく・分かりやすく・安全に指導することができるプロフェッショナルになるための検定です。

学生や初心者でも受験可能ですが、5級から1級まで階級が分かれており、級ごとに受験条件や費用は異なります。

ジュニア向けのスポーツインストラクターや、キッズ体操教室などで働きたい人におすすめの資格です。

また、保育士資格や幼稚園教諭免許を持っている人が、幼稚園や保育園で働く際にも役に立ちます。

参考 日本幼少年体育協会

器械体操関係の仕事に向いている人の特徴

器械体操に関係する仕事に就くのに適した特性とは、どんなものがあるのでしょうか。就活の前に、ぜひ自己分析をしてみましょう。

常に勉強し新しい知識を身につける意欲がある

健康やスポーツに世間の関心が高まりつつある昨今、関連する業界においても常に新しい取り組みが起こったり、スポーツ庁が新たな施策を打ち出したりしています。

そのため、体操に関係する仕事に就く人は常に最新情報にアンテナを張り、知識をアップデートできるとよいでしょう。

スポーツ医学に興味がある

スポーツと医療の世界は近いところにあります。体の仕組みや生理学、リハビリテーション学などの知識を持っていると、仕事をする上で役立つ場面があるはずです。

特にアスリートを対象とするトレーナーであれば、スポーツ医学の知識は必要不可欠です。

人を喜ばせることが好き

インストラクターや体操教室の講師など、人と関わる仕事をする上で「相手を喜ばせたい」という気持ちは大きな原動力になるはずです。

相手の目標を丁寧にヒアリングし、一緒にプログラムを作成したり、アドバイスを行ったりする場面も多いはず。

相手が目標を達成して喜んでくれたとき、喜びを分かち合えることもやりがいに繋がるでしょう。

スポーツ業界全体を応援したい気持ちがある

器械体操に特化した仕事というのは少なく、他の競技やスポーツに携わりながら器械体操の経験を活かしていくことになる人が大半です。

そのため、スポーツ業界全体に対する愛着や、応援したい気持ちを持っている人ほど仕事に夢中になれるはず。

自分自身のスポーツに対してのモチベーションについても、ぜひ就活の前に分析してみてくださいね。

経験を活かして器械体操関係の仕事に就くには?

最後に、就活のポイントをお伝えします。器械体操関係の仕事に就きたい場合は、以下の3つのポイントを大切にしてください。

器械体操の経験で培った強みをアピールする

まずは、器械体操の経験で培った強みを整理してみましょう。

体力や柔軟性といった技能的な部分だけでなく、厳しい練習に耐えた忍耐力や、仲間と励ましながらやってきた際のコミュニケーション能力、練習の計画を立てたときに身につけた計画性なども、ビジネスの場面では長所となります

器械体操とは関係ないスキルであっても、就活の場面では役に立つことがあるのです。

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自分の特性に合った仕事内容を探す

先述したように、器械体操に関係した仕事といっても様々な職業があります。

競技に直接的に関わる仕事もあれば、間接的に関わる仕事もあります。

インストラクターのように人に対して指導を行う仕事もあれば、メーカーのようにものづくりがメインとなることも。

自分の特性をどの分野で活かしていきたいかをよく考えることで、就職後のミスマッチを防ぐことができます。

器械体操の技能以外のスキルを身につける

これまでに器械体操一本でやってきたという方は、ぜひ技能以外のスキルを身につけてみてはいかがでしょうか。

例えば、本記事でもご紹介した指導者資格を取得すれば、人に運動を教える技術を身につけられます。

また、グローバル展開をしている企業に就職する場合は、英語のスキルも役立つでしょう。

自分が希望する職種に応じて必要となりそうなスキルを習得すると、内定に繋がりやすくなります。

スポーツ専門の就職エージェントで求人を探す

これまでの経験を活かして器械体操関係の仕事に就くためには、スポーツ専門の就職エージェントで求人を探す方法がおすすめです。

スポーツ専門の就職エージェント「アスリートエージェント」は、スポーツ経験を活かして就職を目指す人のサポートを行う就職エージェントです。

希望する内容や条件の仕事先探しの相談から選考対策、内定後のフォローまで、一貫した支援に対応します。

また、スポーツに関連する企業紹介も実施していることから、器械体操関係の仕事の紹介が受けられる可能性もあります。

就活サイトや公式には出ていない器械体操関係の求人情報を入手できるかもしれません。

「器械体操の経験を就活で活かしたい」「器械体操関係の求人情報を知りたい」という人は、ぜひアスリートエージェントにご相談ください。

まとめ

本記事でご紹介した以外にも、スポーツ関係の仕事は幅広く存在します。自己分析をもとに自分に合った就職先を探すことをおすすめします。

アスリートエージェントは体育会学生の就活に特化したエージェントです。自己分析から就職先探しまで無料でお手伝いします。

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