2024.08.07

トライアスロン関係の仕事は選手以外にある?人気の仕事や関連資格を紹介

トライアスロンは、スイム・バイク・ランの3つを組み合わせたユニークなスポーツ。

過酷なスポーツともいわれているスポーツですが、アスリートだけでなく一般の人々にも広く親しまれ、国内外でたくさんの大会が開催されています。

そんなトライアスロンに関係する仕事にはどんなものがあるのでしょうか。本記事では、トライアスロン関係の仕事や役立つ資格、就活時のポイントなどをお伝えします。

トライアスロン関係の仕事はある?

1970年代にアメリカで誕生したスポーツ「トライアスロン」。スイム・バイク・ランの3種目を一気に行う特殊な競技であり、世界中で人気なスポーツです。

地域を巻き込んだ大規模な大会を開催しやすいため、スポーツビジネスとしても市場を確立しています。

日本では1984年に全国の組織や団体を統括する「日本トライアスロン連合(JTU)」が設立されました。

日本におけるトライアスロンの愛好者はプロ・アマ問わず増加傾向にあり、もともと陸上や水泳で活躍していた選手たちが第二の道として挑戦するケースも珍しくありません。

また、トライアスロンを仕事にして生きている人たちもいます。トライアスロンで収入を得ると聞くと、「選手になって賞金を稼ぐ」というイメージが強いかもしれませんが、実は選手以外の選択肢もたくさんあります

トライアスロン関係の仕事は大きく分けると、競技に直接関わるものと、間接的に関わるものの2タイプに分類されます。具体的にどのような仕事があるのか解説していきましょう。

参考
日本トライアスロン連合(JTU)
笹川スポーツ財団 トライアスロンの歴史・遠隔

トライアスロンの競技に関係する仕事

まず、競技に直接関わる仕事を3つご紹介します。

トライアスロン選手

トライアスロンの大会に趣味で参加する市民アスリートはたくさんいますが、その一方で、プロの選手もいます。

プロの選手は「トライアスリート」とも呼ばれ、トライアスロンの競技をしながら収入を得て生活しています。

主な収入源は、所属する企業やスポンサーからの契約金や給与になります。多くの選手たちは企業の従業員として働きながら、業務の一環でトライアスロンの競技活動を続けています。

練習や大会でかかる費用は所属する会社が負担してくれる可能性が高く、実力に応じて様々なサポートを受けることができます。

一方で、企業には所属せず個人事業主の形態をとり収入を得ている選手もいます。その場合は、複数のスポンサーと契約し、スポンサー企業のPRをする代わりに契約金をもらって生計を立てます。

また、レースの賞金も選手たちの収入源の一つです。トライアスロンの世界大会である「ワールドチャンピオンシップ」では、優勝者に1,300万円の賞金が支払われたこともあります。

欧米諸国で行われる大規模な大会は、賞金も高額になる傾向があります。

晴れてプロ選手として認められた後は、大会での優勝を目指して練習に励むことになります。

企業の選手として活動する場合は、企業の一般業務を行ったり、地域貢献活動としてファンたちとの交流イベントに参加することもあります。

指導者

トライアスロンの指導者になるという選択肢もあります。トライアスロン未経験者が指導者になることは難しいため、トライアスロンの競技経験者が引退後に指導者になるケースがほとんどです。

主な就職先は、トライアスロンのプロ選手が所属する企業になります。

指導者の求人の数は多くありませんが、日本スポーツ協会が公認するトライアスロンのコーチ資格を所有していると就職先の選択肢が広がるでしょう。

また、トライアスロンは数々のスポーツ競技の中でも特に過酷な競技といわれています。制限時間内に3つの種目で力を出し切るには、強靭な体力・精神力・技術が必要になります。

優秀な選手を育てるためには、指導者の能力も重要なポイントです。

審判員

トライアスロンの大会には、審判員の存在が欠かせません。しかし、大会で活躍している審判員の大半がボランティアスタッフか単発のアルバイトスタッフになります。

審判員の中には元選手もおり、「トライアスロン業界を応援したい」という情熱から審判員を担うケースもあります。

大会によって審判員の業務内容は異なりますが、複数の審判員が選手の誘導やコース設営、トラブル時の対応などを行うのが通例です。

各自治体のトライアスロン連合(協会)では、定期的に審判員講習会が開催されています。トライアスロンの審判の仕事に興味がある人は、ぜひチェックしてみてくださいね。

なお、千葉県トライアスロン連合のホームページでは「審判体験記」が掲載されています。実際に審判員を体験した人のレポートを読むことができるので、参考にしてみてはいかがでしょうか。

参考
公益社団法人日本トライアスロン連合
千葉県トライアスロン連合

トライアスロンに間接的に関わる仕事

選手や指導者のように競技に直接関わることはないけれど、トライアスロン業界全体に貢献できる仕事もあります。

トライアスロンショップ

ウェアやバイク、ゴーグルなど、トライアスロンでは様々な道具を使用します。

トライアスロンに関連するアイテムを取り扱うトライアスロンショップは、全国各地に存在します。主な業務内容は接客、仕入れ、在庫管理、広報、店内レイアウトなどです。

また、アイテムを販売するだけでなく購入後の商品のメンテナンスをしたり、トライアスロンのスクールを併設したりと、ショップごとに事業内容も様々です。

スタッフの求人は比較的見つけやすく、「トライアスロンが大好き」という気持ちがあれば接客未経験でも入りやすい業種といえます。

人とコミュニケーションを取るのが好きな人や、地域にトライアスロンのファンを増やしたいと考えている人にはぴったりの仕事でしょう。

トライアスロンスクール

トライアスロンの指導に特化したスクールも全国に点在しています。スクールの運営に関わるスタッフと、指導に関わる講師陣で構成されているのが一般的です。

指導対象者は本格的にトライアスロン選手を目指す人から、趣味で市民ランナーに挑戦してみたい人まで様々。そのため、幼児や小学生、成人、高齢者と生徒の年齢層が幅広いのも特徴です。

日本には、選手が設立したトライアスロンスクールもあります。愛知県の会員制トライアスロンスクール「あすたま」は、競泳選手からトライアスロン選手に転向した竹内 鉄平選手が競技活動と並行しながら創設したスクールです。

トライアスロンの技術を地域の人々に伝えると同時に、正しい知識の普及やトライアスロンに親しむ人々のコミュニティづくりなどにも注力しているようです。

参考
あすたま

スイミングスクール

スイミングスクールの中には、トライアスロンの指導コースを設けているところもあります。

その場合、三種目の中の「スイム」に特化して指導を行う場合と、グループ内のスポーツジムなどと提携し、ランやバイクの指導も含めて総合的に指導する場合があります。

トライアスロン専門のスクールよりも施設数が多いため、就職先で悩んだ場合はスイミングスクールも視野に入れると選択肢が広がるかもしれません。

三種目の中でも特に水泳が得意な人は、スイミングスクールでトライアスロンの講師を担当する道も検討してみてください。

パーソナルトレーナー

パーソナルトレーナーとは、主にスポーツジムにおいてマンツーマンでトレーニングの指導を行う専門家のことです。

対象者の目標に合わせて練習メニューを作成し、目標達成に向けて助言を行いながらトレーニングをサポートします。

トライアスロンは、走る・泳ぐ・バイクを漕ぐという3つの動きを極めるスポーツなため、競技経験者はそれぞれの分野をバランスよく強化する方法を知っています。

トライアスロンの知識や技能を活かし、バランスのよい指導ができるところが強みになるでしょう。

また、フリーランスのパーソナルトレーナーとして活躍することも可能です。トライアスロンの経験者であれば、経歴を公表することで集客効果も期待できます。

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スポーツメーカー

トライアスロンで使う道具の開発・製造・販売を行うスポーツメーカーは、国内より海外に多い傾向にあります。

一方、スイム用のゴーグルを開発するミズノ、ラン用のシューズを開発するアシックスやナイキは日本でも多くの人に知られるスポーツメーカーです。

トライアスロン用品に特化した開発メーカーに就職するのは難しくても、スポーツ用品全般を取り扱う会社に就職するとなれば選択肢は増えるはずです。

トライアスロンは一般の人にも親しまれている競技なので、日常的に使えるランニングシューズやウェアの開発に携わることは、トライアスロン業界にも貢献することになるでしょう。

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スポーツツーリズムに関連する仕事

スポーツと観光を掛け合わせた「スポーツツーリズム」の取り組みは、地域振興のためにも重要であるとみなされ、政府も様々な支援を行なっています。

トライアスロンはその競技性から、地域を巻き込んだ大会を開催することが多く、スポーツツーリズムの推進が期待されています。

トライアスロンが好きで、地域振興にも興味がある場合は、自治体の役所(地域振興課等)や地域のイベント会社に勤めるのもおすすめです。

その地域の経済発展や観光客の誘致を視野に入れ、トライアスロンの大会をはじめとするスポーツイベントの企画・運営を経験することができるでしょう。

スポーツによるまちづくりに力を入れている地域であれば、よりスポーツツーリズムに関連する仕事が見つけやすいかもしれません。

トライアスロン関係の仕事に役立つ資格

トライアスロンの競技に直接関わる仕事をする場合は、以下の2つの資格が役に立ちます。

日本スポーツ協会公認コーチ(トライアスロン)

日本スポーツ協会(JSPO)が公認するトライアスロンコーチの資格です。日本トライアスロン連合でも同様のカリキュラムの指導者向け講習会が行われています。

スタートコーチ、コーチ1、コーチ3の3つの区分があり、まずは基礎的な知識を身につけることができるスタートコーチの取得を目指します。

コーチ1は子どもを対象とした指導内容に特化し、コーチ3はより専門性の高い指導スキルを身につけることができます。受講条件やカリキュラムはコースごとに異なりますので、公式サイトをご確認ください。

参考
日本スポーツ協会 トライアスロンコーチ資格概要
スタートコーチ
コーチ1
コーチ3

日本トライアスロン連合 公認審判員

トライアスロンの審判員として活動するためには、日本トライアスロン連合の公認審判試験を受けて資格を取得する必要があります。

講習会と試験は、各地域の加盟団体が行います。資格の種類は3種類あり、それぞれ受験費用が異なります。

  • 第3種:認定料 1,000 円、更新料 1,000 円(受験/受講料 1,000 円基本)
  • 第2種:認定料 2,000 円、更新料 2,000 円(受験/受講料 2,000 円基本)
  • 第1種:認定料 3,000 円、更新料 3,000 円(更新研修料:実費) 

受験の詳細や最新情報は各団体の案内を確認しましょう。

参考
日本トライアスロン連合

トライアスロン関係の仕事をする魅力

トライアスロン関係の仕事に就くことで、やりがいを持って働くことができます。ここでは、トライアスロン関係の仕事をする魅力をまとめました。

多様な人々と出会える

トライアスロンは、世代や国籍の垣根を超えて愛されているスポーツです。市民ランナーやアスリート、子ども、大人、高齢層の人々まで多様な人々が集います。

異なるバックグラウンドを持つ人との出会いは、自分が人間として成長するきっかけにもなるでしょう。

観光を楽しみながら仕事ができる

トライアスロンは地域の観光イベントとしても注目されています。大会に出場するたびに国内外の様々な場所に行けることも楽しみの一つです。

競技の傍ら、温泉やリゾート、食事など現地で色々な体験をしてみてはいかがでしょうか。

スポーツツーリズムの推進に貢献できる

トライアスロンは地域振興とも関連しており、選手やスタッフとして参加することでスポーツツーリズムの推進に貢献できます。

また、直接競技に関わらない仕事であっても、地域の中のスポーツ人口を増やし、スポーツを土台にした新しい取り組みを生み出す一助となるかもしれません。

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トライアスロン関係の仕事を探すときの注意点

トライアスロン関係の仕事を探すときは、以下の2つのことに注意しましょう。

ボランティアの募集も多いので仕事の求人と間違えないよう注意

トライアスロンの大会のスタッフはボランティアで構成されるケースも珍しくありません

少額の謝礼をもらえる有償ボランティアやアルバイトスタッフの募集もありますが、継続して働きたいと考えている人のニーズとは合いません。事前に募集要項をよくチェックしてから応募ましょう。

競技に関わる仕事だけで生計を立てるのは難しい場合もある

選手や指導者の中には、競技活動と並行して別の仕事やアルバイトを行なっている人もいます。

実業団チームに所属したり、就職した企業のサポートを十分に受けることができれば安泰ですが、必ずしもそのような働き方だけではありません。

プロの世界で安定収入を得て生活することの難しさについても把握した上で、進路を決めましょう。

トライアスロン関係の仕事に就くためのコツ

最後に、トライアスロン関係の仕事に就くためのコツをお伝えします。

スポーツ系のエージェントサービスを利用すると就活がスムーズに

「トライアスロンに関わる仕事がしたい」、「もしくは競技経験を活かして就職したい」とお考えの方は、たくさんの選択肢を前に悩んでしまいがちです。

また、求人サイトなどを活用しても、希望エリアで理想の求人が見つかるとは限りません。

就活・転職活動を効率よく進めるために、スポーツ系のエージェントサービスを利用することをおすすめします。

アドバイザーが親身になり、企業選びや面接対策をお手伝いできるサービスです。非公開求人を紹介してもらえる可能性もあります。

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自己分析を丁寧に行い、どの業種で働きたいか明確にする

就職先を探す前に、自己分析を徹底して行いましょう。ご紹介したように、トライアスロン関係の仕事といっても様々な種類があります。

自分がどのようにトライアスロンに関わりたいのかを明確にした上で就活に臨まないと、就職後にミスマッチが起こる可能性もあります。

まずは自己分析を丁寧に行い、どの業種でどんな働き方をしたいかを整理してみましょう。

自己分析の方法については、以下の動画でも詳しく説明しています。ぜひチェックしてみてくださいね。

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まとめ

たくさんの人と関わりたい人や、地域にスポーツで貢献したいという熱意を持っている人は、やりがいを感じながらトライアスロン関係の仕事ができるかもしれませんね。

今回ご紹介したトライアスロン関係の仕事に興味がある方は、ぜひアスリートエージェントにご相談ください。

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