2025.01.15

プロ野球の審判の年収は?就職する方法や応募条件、注意点もご紹介

プロ野球好きの方や野球経験者の方は、プロ野球の審判に興味がある方も多いのではないでしょうか。プロ野球の審判は、試合の結果を大きく左右する大切な役職です。

そんなプロ野球審判の年収はいくらなのか気になる方のために、プロ野球の審判の年収をはじめ、なり方や必要な資格、就活のポイントなどを解説します。

プロ野球の審判とは?

仕事内容

プロ野球の審判は、NPB(日本野球機構)と契約し、試合においてプレーの判定を行う重要人物

審判の仕事はストライクやアウト、ボール、セーフなどの判定をしたり、インフィードフライや打撃・守備妨害の宣言をすることです。

ストライクやアウト、ボール、セーフなどのプレー判定

プロ野球の審判はストライクやアウト、ボール、セーフなどのプレー判定を行います。

試合中、審判は瞬時に正確な判定を下さなければならず、その判断は試合の進行に大きく影響します。ホームプレート審判は、投球がストライクかボールかを判断します。

また、塁審は、ランナーがベースを踏んだかどうかを判定し、守備側のプレーがアウトかセーフかを決定します。

試合中に野球のルールが適切に適用されているかを監視

試合中に野球のルールが適切に適用されているかを監視することも、プロ野球の審判の仕事です。試合が進行する中で常にルールが守られているかをチェックしています。

プロ野球の審判は、試合の公正さを保つため、細かいルールの適用を怠らず、選手やコーチがルールに従ってプレーするよう監視し続ける役割もあるのです。

試合時のボールの交換

試合時のボールの交換も、プロ野球の審判の役割です。試合中は、ボールは打者がヒットを打ったり、投手が長時間投げることによって摩耗するため、定期的に新しいボールに交換します。

特に投手がボールを汚したり、スピードや回転に影響を与える可能性がある場合には、速やかに新しいボールに交換しなければなりません。

ホームランなどでボールがスタンドに飛んでいった場合にも、新しいボールに交換されることがあります。

審判は試合の進行に影響を与えないよう、常に適切なタイミングでボールの交換を行う必要があります。

インフィードフライや打撃・守備妨害の宣言

インフィールドフライは、内野で捕球可能なフライが上がった際、守備側が故意にアウトを取ることなくランナーを騙すのを防ぐために、審判が早期に「インフィールドフライ」を宣言します。

インフィールドフライを宣言することにより、ランナーは自動的にアウトとなり、守備側が不正にダブルプレーを取ることを防ぐのです。

また、打撃妨害や守備妨害が発生した場合は、審判はその場で妨害の内容を判断し、必要に応じて宣言します。

打撃妨害は、投手が投げる前に捕手や守備選手が打者に不正に接触した場合、守備妨害は守備選手がランナーの進行を不正に妨げた場合に発生します。

これらを宣言することで、試合の公正さを保っているのです。

選手交代の申し出を放送席に伝える

試合中、監督やコーチが選手交代を行う際、審判はその申し出を正確に受け取り、放送席や観客に伝える役割を担います。

選手交代の際には、選手が交代することを公式に記録するため、審判が交代を確認したあと、放送席にその情報を伝えます。

プロ野球の審判は、交代のタイミングや交代する選手名を確実に伝えることで、観客やテレビ視聴者に最新の試合状況を正確に提供するなど、試合の透明性とスムーズな進行をサポートする役割も担うのです。

審判の種類

審判の種類について、もう少し詳しく解説していきましょう。

球審

通常は捕手の後方に配置される審判。投球判定、打者に対する判定、競技の進行についての宣告を行う重要なポジションの審判です。

かつては報道や場内アナウンスにおいて「主審」とも呼ばれていました。ファウルボールを受けることもあるため、球審は怪我防止のための防具を身につけています。

塁審

内野に配置される審判。通常は一塁、二塁、三塁の各類の近くに配置されます。

選手のプレイの妨げにならないように注意しながら腰を落とした低い姿勢で判定を行うことも。走者や打球の状況を見ながらジャッジします。

控え審判

プロ野球における控え審判の役割は、担当審判が急病や怪我などで出場が難しくなったときに交代できるようにすることです。

なお、プロ野球とアマチュア野球では控え審判の意味合いが少々異なります。

アマチュア野球における公式試合では担当審判の規則適用の誤りによって抗議や紛争が生じた場合を想定し、解決のための規定が設けられています。

その規定に基づいて控え審判制度が設けられ、控え審判が担当審判の誤りを訂正したり、担当審判と裁定について競技したりします。

プロ野球審判の年収の仕組みは?

最低保障額

プロ野球の審判の年収は最低保証額が決まっています。1軍の場合は750万円、2軍の場合は345万円になります。

ただし、出場した試合数などの諸条件があり、条件を満たさない場合は最低保障金額に届かない場合もあります。しかし、一定の給料が保証されていることは、仕事をする上で大きな安心感になります。

出場手当

年俸に加え、出場手当が加算されます。1試合の出場手当は審判の種類ごとに金額が異なり、球審は34,000円、塁審は24,000円、控え審判は7,000円と決まっています。

年間の試合数によっては、出場手当だけで200万円近く稼ぐことが可能です。

参考:平均年収.jp

プロ野球の審判の平均年収はどれくらい?

平均年収

プロ野球の審判の年収は、年俸を12等分して毎月支払われる仕組みです。年俸の他にも、遠征費や用具費といった諸経費、出場手当などが加わり年収が決定します。

1軍のプロ野球審判員の平均年収は1,000万円ほどといわれ、実績のある人であれば年収2,000万円になることも。ただし、1年契約のため翌年以降も同じ金額が貰えるとは限りません。

なお、研修審判員時代の年収は100万円ほどといわれています。日本の平均年収445万円にはほど遠い金額です。

参考:平均年収.jp

年収が高い審判の特徴

プロ野球の審判員の年収を大きく左右するのは出場手当です。そのため、出場数が多い審判ほど年収は高くなります

NPBが発表した歴代審判員出場試合ランキングによると、トップは36年で3902試合に出場した岡田功審判員です。

長年に渡り審判の職務をまっとうした岡田氏は、セ・リーグを代表する審判の1人でもあります。彼の年収などは公表されていませんが、出場手当だけで1億円以上稼いだことが予想できます。

参考:日本野球機構

海外との比較

日本と海外のプロ野球審判の年収には大きな金額差があります

メジャーリーグの審判員の最低年収は2018年時点で約15万ドル(約1,650万円)、ベテランになれば45万ドル(約4,950万円)と現地メディアで報じられています。

この金額は日本の数倍であり、メジャーリーグ入りを目標とする審判も少なくありません。

参考:bleacherreport.com

アマチュア野球審判の年収は?

アマチュア野球とはプロ野球以外の社会人や学生、学童が行う野球の総称です。日本には全日本野球協会が存在し、国内のアマチュア野球関連団体を統括しています。

アマチュア野球チームには選手のほかに監督や審判もいますが、審判の報酬は1試合5000〜7000円ほどになります

プロ野球と比較すると歴然とした報酬差があり、普段はサラリーマンをしながら休日だけアマチュア野球をしているという人が大半です。

東洋経済オンラインの記事によると、練馬リトルシニアに所属する粟村哲志氏は個別指導塾の講師を行いながら審判業務を行なっているといいます。

春から秋にかけては毎週末審判業務を行い、大学の軟式野球リーグや草野球の審判を担当することもあるそう。粟村氏の出場数は年間で200試合にもおよびます。

審判員の拘束時間を考えると、報酬は決して高いとは言えません。それでも「野球をすることが幸せ」と感じている人が多く、お金には代え難いやりがいを得ているようです。

参考:東洋経済オンライン

プロ野球の審判になるには?

プロ野球の審判になる流れ

プロの野球審判員になるための条件として、「NPBアンパイア・スクール」で研修を受ける必要があります。

NPBアンパイア・スクールは2013年に設立されたプロの審判員を育成する養成校。年に1回、一週間程度の日程で研修が開催されます。

スクールの受講条件は高校卒業以上の人であれば、性別や年齢などに制限はありません。

NPBアンパイア・スクール受講後に審判としての適性が認められると、次の春のキャンプに参加する権利を得ることができ、適性審査ののちNPBと契約を結ぶことになります。

多くの人が研修審判員として契約し、独立リーグにて研修を行います。その後、育成審判に昇格し2軍で経験を積み、1軍を目指すという流れです。

春のキャンプで高い能力が認められた場合、研修審判のステップを飛ばして育成審判員として契約を結ぶ人もいます。

1軍に昇格してからは塁審からスタートするのが一般的です。球審を務めるには5年以上の経験が必要といわれています

参考:日本野球機構

プロ野球の審判になるために必要な資格

プロ野球の審判になるために必要な資格はありません。ただし、先述したNPBアンパイア・スクールで研修を受講することが必須条件となっています。

以前はプロ野球の審判になるためには「身長175cm以上、25歳未満の男性」という応募条件がありましたが、現在は撤廃されています。

性別問わず門戸が開かれているにもかかわらず、日本に女性の審判員は1人もいません。日本のプロ野球界で女性審判員を育成する環境が整っていないのも原因の1つでしょう。

研修から始まり1軍の球審を目指すのは長い道のり。妊娠や出産を希望する場合、ステップアップが難しくなってしまいます。

また、産休や育休の制度もプロ野球界ではまだまだ整備されていないのが現状です。

どんな人がプロ野球の審判に向いている?

細やかなルールを理解できる

野球は特にルールが多いスポーツといわれています。また、専門用語が多いため初心者は「ルールが分からない」「審判の使っている用語が難しい」といった感想を持つかもしれません。

審判を務める人は、こういった細やかなルールや用語を正しく理解しておく必要があります。審判は試合においてジャッジを下す重要人物であり、試合の勝敗を左右します。

審判がルールをきちんと理解していないと、正しい判定ができず試合のスムーズな進行を妨げてしまいます。

また、ルールのほかにも、選手のポジションと役割、内野と外野の構造、用具の数や使用方法まで正しく理解することが重要です。

冷静な判断ができる

NPBの公認野球規則の中の「審判員に対する一般指示」という項目には「悪い事態に対処するにあたっては、感情を捨てて自制することが、いちばん大切なことである」と記されています。

また、NPBによる23年シーズン最優秀審判員賞に選ばれた秋村謙宏審判員は「投球判定精度が極めて高く、ストライクゾーンが常に安定していた。

また経験豊かであり、常に冷静で難しいプレーに対しての決断力が優れ、円滑な試合運びが評価された」と選考理由が紹介されています。

試合全体を見守り細やかな判定を行う上で、感情的になってしまうのはNG。審判には常に冷静さが求められます。

参考:日刊スポーツ

動体視力が高い

動体視力とは動いているものを正確に見る視力のことをいいます。審判員は動体視力を駆使する仕事です。

プロ野球選手たちが放つ球の行方や咄嗟のプレーを正確に捉えるには、高い動体視力が必要不可欠。

NPBでは審判員の採用時に視力テストを行い、採用後も技量を保つため動体視力検査を定期的に行っています

一般的に、視力は加齢と共に衰えていくものですが、プロ野球界で長く活躍する審判になるためには、視力が衰えないように意識し、日頃から目のケアをしていくことが大切といえます。

競技に対する情熱がある

プロ野球における審判員は、試合の行方を左右する重要な役割を担います。そのため、誠実な気持ちで競技と向き合える人が向いている仕事です。

誠実な気持ちを持って試合に臨むには、野球に対する情熱や愛情があってこそ。「野球が大好き」という熱意がなければプロ野球の審判は務まりません。

「なんとなく野球が好きだから」という簡単になれる職業ではないでしょう。学生時代から野球の経験を積み、研修を受け、適性検査に合格して初めてスタートラインに立てるのです。

1軍の審判を目指すとなれば道のりはさらに険しく、時間もかかります

「好きだから」だけでは審判にはなれませんが、根底に「野球が好き」の気持ちがないと途中で挫けてしまう可能性が高いでしょう。

参考:日本野球機構

就活の注意点・ポイント

アマチュア野球の審判経験者や元プロ野球選手は有利

NBPの審判員の中には、アマチュア野球からスカウトされた人や元プロ野球選手もいます。

アマチュア野球とプロ野球は隔絶されたものではなく、アマチュア時代の経験を活かしてプロの世界に転向できる可能性もゼロとはいえません

また、元プロ野球選手のセカンドキャリアとして審判員の道があります。

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採用試験対策をしっかりと行う

NBPが主催するアンパイア・スクールに入学することがプロ野球の審判になるための第一歩です。「高卒以上」という受講条件以外に制限はなく、審判初心者でも気軽に応募できます。

スクールの内容は実技と座学で構成され、朝から夜まで行われます。NBPの審判長や現役審判員による指導のもと、研修審判員の適性審査が行われます。

野球の基本的なルールが理解できていることはもちろん、冷静に判断できる審判としての素質なども見られます。

この審査に合格するためには、受講期間中に実力を発揮できるかどうかがポイントとなります。

もしも不合格になってしまった場合であっても、受講中に学んだことは財産になります。受講に年齢制限はないため、翌年もチャレンジすることが可能です

スクールに参加するためには、まずは書類選考を通過する必要があります。プロ目線で書類の添削をしてもらいたい人は、就職エージェントなどを利用してみるのもおすすめです。

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審判以外の野球関連の仕事にも視野を広げよう

野球関係の仕事は審判以外にも数多く存在します。プロチームに所属するトレーナーやドクター、データアナリストといった職業もプロ野球界を下支えする大切な存在です。

また、プロの世界にこだわらない場合は、スポーツメーカーや野球スクールに就職するといった選択肢もあります。

「自分がどんな風に野球に携わっていきたいか」を考えてみると、理想の職業の選択の幅が広がるかもしれませんね。

プロ野球の審判を目指すなら「アスリートエージェント」に相談しよう

プロ野球の審判を目指すなら、専門的なサポートを受けることが大切です。

スポーツ専門の就職エージェント「アスリートエージェント」に相談することで、審判としてのキャリアを築くための道筋を効率的に進められます。

アスリートエージェントは、スポーツ業界に特化したキャリアサポートを提供しており、プロ野球の審判の仕事についての深い知識を持っているエージェントです

審判に必要な資格や経験を積む方法、試合での実績を積むためのステップなど、個別の状況に応じたアドバイスが受けられます。

また、アスリートエージェントは、求人情報や審判の試験情報など、業界の最新情報を提供してくれるため、目指すキャリアに必要なスキルや資格を効率よく取得するためのサポートが受けられます。

自分だけでは進めにくい部分も、専門家のアドバイスでスムーズに進められるため、確実にプロ野球審判としての道を切り開くことができるでしょう。

まとめ

責任重大なプロ野球の審判への道のりは、かなり狭き門といえます。しかし、学生時代からコツコツと努力を積むことで夢への距離は近づいていくはずです。

スポーツ関係の仕事を探している人は、アスリートエージェントにご相談ください。あなたに合った就職先をキャリアアドバイザーが無料でご紹介いたします。

面接対策や書類の添削のサポートも行うので、スムーズに就活が進むでしょう。理想の職場に出会いたいと考えている人は、ぜひ登録してみてくださいね

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