2024.12.18

バスケのコーチライセンスとは?ケース別に必要なライセンスを紹介

バスケコーチになるにはJBA公認のライセンスを取得する必要があります。指導対象によって必要なライセンスは異なると把握しておきましょう。

この記事では、バスケコーチの仕事内容やライセンスの取得方法、バスケコーチに必要なスキルなどをご紹介します。

バスケコーチの概要

バスケコーチは、コート上の選手たちに戦術的な指示を与え、チームを勝利に導くリーダーの役割を果たす職業です

バスケットボールの試合では、出場選手が5人と少なく、ゲームの展開スピードが速いため、選手起用と的確な指導が勝敗を左右します。

仕事内容

バスケットボールコーチの主な仕事は以下の通りです。

  • 練習メニューの作成
  • 試合中の指示
  • 試合の分析
  • 選手のコンディションやメンタル面のサポート

学校のコーチをする場合、中学や高校の生徒たちにバスケを教え、大会に向けて目標を設定し練習メニューを考えます。

民間のコーチをする場合、小さな子供たちやクラブチームで楽しくプレーすることを大切に指導します。

社会人チームのコーチをする場合は、仕事後や休日に練習を行うため限られた時間で効果的なメニューを考える必要があります。

プロのチームを指導する場合は、ヘッドコーチが全体を指揮し、アシスタントコーチがそのサポートをし、選手たちを指導しています。

これには新規選手の獲得、相手チームのデータ分析をする重要な仕事も含まれています。

年収

バスケットボールコーチの年収は、経験や指導力、所属するチームや組織によって異なります。

学校のコーチは一般的に教員として雇用され、教員の給与に準じることが多いです。学校でも外部契約コーチの場合だと、基本的には時間給になります。

1時間あたりの給料は1,000円〜2,000円程度で、週に数回、1回あたり2〜3時間の指導が一般的でしょう。※1

最近では、部活動指導員として大会や練習試合での引率など、技術面以外のサポートも行う仕事があります。

部活動指導員は県や市に採用された学校職員であり、労働に応じて報酬も支払われます。自治体によって異なりますが、1時間あたりの給料は1,000円〜2,000円程度が多いです。※2

民間のコーチとして子供やアマチュアチームを指導する場合、時間給やセッション単位での報酬が一般的です。

一方で、プロのリーグやトップクラスのアマチュアリーグのヘッドコーチやアシスタントコーチは高額な年収を得ることがあります。

これには契約内容、成績に応じたボーナス、スポンサーシップなどが影響します。実績を上げるのが求められるハードな仕事ですが、その分、選手と同じぐらいの収入が期待できるでしょう。

今現在では、プロリーグでのコーチ求人は出ていませんが、Bリーグ公式サイトの採用情報は随時確認すると良いでしょう。

コーチの求人以外にプロバスケットボールチームの運営職やマーケティング職などを多く募集しています。※3

そもそもプロリーグでコーチをするためには、JBA公認のS級ライセンスが必要で、それなりの実績や経歴も大切になるため求人が出ることはあまりないです。

プロ選手と同じようにスポーツエージェントをつけチームと交渉・契約することが一般的であり、一筋縄ではいきません。

※1 学校でのバスケットボール部のコーチ_求人ボックス
※2 部活動指導員 東京都板橋区 中学校_スタンバイ
※3 Bリーグ採用情報_Bリーグ公式サイト

バスケコーチに必要なコーチライセンスとは?

日本バスケットボール協会公認のコーチライセンス制度は、コーチが必要なスキルや知識を習得し、プレーヤーたちに安全で信頼性のある環境を提供することを証明できるものです。

そして、スポーツ体験を豊かにし、個人の成長とスポーツの技術向上に寄与することを目指しています。

バスケットボール競技を通じて、できるだけ多くのプレーヤーが楽しんで参加する環境を作ることが必要です。

また、一個人としてもプレーヤーとしても成長できるようにするには、コーチ自身が自己成長し、適切なサポートを提供するスキルを磨くことが欠かせません。

バスケの指導対象ごとに必要なコーチライセンスは異なる

バスケットボールコーチとしてのライセンスは、指導対象に応じて必要なライセンスが異なります。
ここでは、ケース別にご紹介します。

ミニバス

ミニバスケットボールは、12歳以下の子供たちがプレーするバスケットボールのカテゴリーになります。
ミニバスのコーチになるには、JBAのE級(E-1、E-2)ライセンスが必要です

ただし、全国大会に参加する場合には、D級ライセンスが必要とされます。

中学・高校

中学生や高校生を指導する際、ライセンスがなくても指導することが可能です。

JBAの公式ウェブサイトには、「ライセンスを取得していることが望ましい」と記載されていますが、必須ではありません。※1

ただし、全国高等学校選手権大会(ウインターカップ)や全国U15選手権大会では、D級ライセンスが必要という規定が明示されています。

そのため、中学生や高校生を指導するコーチを志す場合、D級ライセンスの取得がおすすめです。

※1参考
各大会におけるコーチライセンスの適用基準 日本バスケットボール協会

一般

一般的なバスケットボールチームには、社会人、大学、専門学校の選手が所属します。このようなチームで指導したい方には、C級のコーチライセンスの取得をおすすめします。

全国専門学校選手権大会ではE級ライセンスの取得のみで指導が可能ですが、社会人の全国大会(一部の大会)や大学バスケットボールで指導をするためには、C級のコーチライセンスが必要条件となっているのです。

そのため、一般のバスケットボールコーチを目指す際には、C級ライセンスを取得する必要があります。

プロ

プロのバスケットボールチーム(B.LeagueやWJBL)で指導したい方には、S級のコーチライセンスの取得が必要です。

ただし、S級ライセンスが必須なのはヘッドコーチ(HC)のみです。プロのアシスタントコーチ(AC)を目指している方は、B級ライセンス以上が必要となります。

より詳細な情報を知りたい方は、日本バスケットボール協会の公式HPをご覧いただくことをおすすめします。

バスケコーチライセンス区分と取得方法

バスケットボールコーチになるためのライセンスは、E級ライセンスからS級ライセンスまで細かく区分されています。

取得方法や期間も異なるため、自身が必要とするライセンスが何かを考えてみましょう。

E級ライセンス

E級ライセンスは、初めてコーチを目指す方向けの資格です。このライセンスを取得することで、最低限のコーチングスキルを身につけ、より効率的で効果的な指導が可能となります。

E級ライセンスは、15歳以上であれば取得可能です。e-ラーニングを通じて学ぶことができ、申し込みから最短1〜2日でライセンスを取得できます。

D級ライセンス

D級ライセンスは、バスケットボールの基本的な指導能力を持つ人に与えられる資格です。

取得には、18歳以上であること、E級ライセンスの取得が必要になります。資格取得のプロセスは、オンラインの事前学習と対面またはZoomを使った2日間の集合講習を含みます。

C級ライセンス

C級ライセンスは、主に18歳以下の若い選手を指導するための資格です。

取得には、18歳以上であること、D級ライセンスの保持が必要になります。またライセンス獲得のためには、事前学習と対面またはZoomを用いた3日間の集合講習を受講する必要があります。

B級ライセンス

B級ライセンスは、全国規模の競技者(主に18歳以下)を指導するための資格です。この資格を持っている人は、同時に都道府県の育成センターコーチとして中心的な役割を果たします。

取得には、22歳以上であること、C級ライセンスの保持が必要です。ライセンス取得のためには、計60時間の集合講習と自宅学習があり、事前課題や指導実践などを5日間の期間で開催されます。

A級ライセンス

A級ライセンスは、全国規模のチームやプレーヤー(主に18歳以上)を指導できる資格です。同時に、地域単位でのリーダーシップを発揮するための人材を育成することをこのライセンスで目指しています。

取得には、22歳以上であること、B級ライセンスの保持が必要です。

ライセンス取得のためには、計95時間の集合講習と自宅学習があり、事前課題や指導実践、事後課題などを4日間×2回に分けて開催される講義に参加する必要があります。

S級ライセンス

S級のコーチライセンスを取得していると、B.LeagueのB1のチームのヘッドコーチの条件を満たしていることになります

B2やB3の場合にもS級のコーチライセンスを取得しておけば、指導することが可能です。現時点では、S級ライセンスの取得方法は公式HPには掲載されていません。

しかし、A級ライセンスの取得に、B級ライセンスの保持が要求されることを踏まえると、S級ライセンスの取得には、A級ライセンスを獲得し、実務経験を積むことが必要になるでしょう。

さらに都道府県バスケットボール協会またはプロリーグからの推薦も必要です。

ジュニアエキスパート

ジュニアエキスパートは育成世代に特化したライセンスとなります。このライセンスは、2019年度のコーチライセンス制度の改定に伴い新設された資格です。

文字通りエキスパートを育成するにあたって、スクールやU15、U18のクラブチームのコーチや育成センターのコーチができる指導者ライセンスです。

取得には、B級ライセンス以上の保持が必要になります。取得のためには、養成講習を前期、後期とそれぞれ4日間ずつ、計8日間受講する必要があります。

キッズサポーター

以前は「キッズインストラクター」という名前でしたが、2019年に新しく新設され、「キッズサポーター」というコーチライセンス名称に変更されました。

対象は10歳以下の未経験または初心者の子供たちで、彼らに体を動かす楽しさを伝えることができる指導者ライセンスです

取得には15歳以上である必要があり、わずか半日ほどの講習に参加することで取得できます。申し込みは公式HPから行うことができます。

バスケのコーチライセンスは更新が必要

コーチライセンスは、一度取得しても永久的に有効ではなく、基本的には毎年の更新が必要です

E級ライセンスは、受講年度を含めて4年間有効ですが、D級以上のライセンスでは毎年の更新が必須で、そのためにはリフレッシュポイントを獲得する必要があります。

リフレッシュポイントは、「リフレッシュ研修」という講義を受講し、更新する年の過去4年間の間に2ポイント獲得する必要があります。※

一方、キッズサポーターライセンスは5年で自動的に失効し、再取得時には再び講習を受講する必要があります。

このライセンスは、受講年度を含めて3年間有効で、更新には所定の更新研修を受講する必要があります。

※参考
リフレッシュ研修 日本バスケットボール協会

更新登録前に毎年次研修を受講する

日本バスケットボール協会(JBA)では、2019 年度にコーチライセンス制度の改定を行い、2023年度以降コーチライセンスの更新制度の導入を始めました。

「毎年次研修」「ライセンス別研修」が新たに導入されており、対象者はJBA公認S・A・B・C・D・E・E-1・E-2級コーチライセンスを保持しているすべての方です

毎年度のコーチライセンス更新手続きの際、20分程度の動画コンテンツ視聴が必須とされています。

更新手続きが必要ない E・E-1・E-2 級コーチライセンス保持者においても、毎年次研修の動画の視聴は必須となるため注意が必要です。

※参考
2023年度コーチライセンスの登録手続き
2023 年度以降のコーチライセンス更新制度の改定

D級以上はリフレッシュポイントを取得する

JBA公認S・A・B・C・D級コーチライセンスを保持している方は、日本バスケットボール協会(JBA)または都道府県協会にて開催するリフレッシュ研修を受講する必要があります。

リフレッシュ研修は、対面(集合)やオンライン、オンデマンドで開催されています。

リフレッシュ研修で付与されるポイント数は、1.5時間で 1 ポイントを原則とし、各リフレッシュ研修で設定されたリフレッシュポイントが取得可能です。

2027年度から本格的に導入されますが、2023年度〜2026年度の4年間の累計ポイントがライセンスごとに決められた以下のポイント数に達していることが2027年度の更新要件となるため注意が必要です。


※参考
リフレッシュ研修_JBA

更新登録料を支払う

更新登録料を毎年指定された期間内に支払う必要があります。

JBA公認E級コーチには登録証(カード)の発行がないため、PDF登録証またはデジタル登録証を利用することになります。

2024年度の更新登録料の案内は、2024年3月頃にJBAの公式サイトを一度確認しましょう。

※参考
日本バスケットボール協会(JBA)

バスケコーチになるには?

日本または海外の大学に進学する

バスケットボールコーチになるには、いくつかの道があります。まず、日本または海外の大学でバスケットボールを学ぶことが一つの方法です。

中学や高校など学校でバスケットボールの指導をしたいなら、教育学部や教員免許を取得できる学部で必要な単位を履修し、教員の資格を目指す方法があります。

これにより、学校の部活や教育機関で指導する道が開けます。

民間のスクールやプロチームでのコーチを目指す場合は、スポーツ専攻を卒業すると実践的な技術を身につけることができるでしょう。

日本スポーツ協会が定める大学を卒業すれば、コーチの資格を取得できます。

大学4年間の学びを通じて、バスケットボールの指導法やデータ分析方法をじっくり学びたい人や進路に迷っている人にとって適していると言えるでしょう。

アメリカ留学を選べば、バスケットボールの本場でコーチを目指すこともできます。アメリカの中学や高校で指導するには、教育学部へ進学してアメリカの教員免許を取得しましょう。

また、専門的なコーチングを学びたいなら、スポーツコーチング専攻が選択肢となります。

アメリカの大学留学では、一流の知識や技術を身につけるだけでなく、NBAの試合を観戦できる絶好の機会もあります。

英語でのコミュニケーションスキルも向上し、将来的にグローバルに活躍するためのステップにすることが可能です。

専門学校に進学する

もう一つの選択肢は、専門学校でバスケットボールコーチングに特化したプログラムを受けることです。

専門学校では、2年または3年の短期間で効率的にバスケットボールコーチに必要な知識と技術を学べます。

プロチームとの連携がある専門学校を選ぶとなお良いでしょう。プロのコーチから直接学ぶことで、実践的なコーチングやデータ分析のスキルを身につけられます。

また、専門学校は就職サポートが充実しており、BリーグやWリーグなどのプロリーグと提携しているところもおすすめです。

「バスケコーチになりたい」や「早く就職したい」という目標を持つ人にとって理想的な進学方法と言えます。

ライセンス以外にバスケコーチに求められるスキル5つ

ライセンス取得はもちろん指導する上で必要な資格ですが、どんな人がバスケットボールコーチに向いているのでしょうか。

バスケットボールコーチに求められるスキルについて5つご紹介します。

適切な指示・指導ができる

コーチに求められるスキルとして第一に、チームを勝利に導く適切な指示や指導ができることが大切になります。

バスケットボールの試合は展開が早いため、相手チームと自チームの情報を効果的に処理し、選手たちに有効な戦略を伝える能力が必要です。

そのため、情報の速やかな処理と判断、的確な指導力が不可欠です。これに加えて、コミュニケーションスキルも適切な指導を行う上で非常に重要になります。

選手ひとり一人に寄り添える

チームが勝利を達成するために、コーチの役割は試合中だけに留まりません。

特に、選手ひとり一人が最大限に輝けるようにすることが重要です。コーチは選手それぞれの強みを最大限に活かし、弱点を克服する方法を考える力が求められます。

選手の能力を引き出せる

選手をモチベーションづけ、練習や試合において最高のパフォーマンスを引き出す力が重要です。選手たちがやる気を持ち続けられるようサポートすることが指導者に求められるスキルになります。

練習や試合中に発生する問題を迅速かつ効果的に解決する能力は、選手たちに自信を持たせるきっかけにもなるでしょう。

模範となる言動ができる

バスケットボールの技術や指導力だけでなく、リーダーシップを持って選手やチームにポジティブな影響を与える言動ができる力が必要です。

技術的な専門知識と選手の模範となるような人間性を組み合わせることで、選手との信頼関係を築き、チームにより大きな成果をもたらすことができるからです。

技術向上の努力ができる

バスケットボールの規則や技術は今後も進化していきます。

そのため、常に技術向上に向けた努力を惜しまない姿勢や継続的に学び、新しい情報を取り入れる意欲を持つことが、バスケットボールコーチにとって適している特徴といえるでしょう。

まとめ

バスケのコーチライセンスは8つの区分があり、それぞれ受講条件や講習時間などが異なります。ミニバスや中高生など、指導対象によっても必要なライセンスが変わると把握しておきましょう。

バスケコーチに興味のある方はぜひアスリートエージェントにご相談ください。

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