新体操に関係する仕事7選！就活で役に立つ資格も紹介

新体操の競技活動に力を注いできた人が、その経験を活かせる仕事に就くにはどんな方法があるのでしょうか？

本記事では、新体操関係の仕事や役立つ資格、就活のポイントなどを解説します。ぜひ、新体操関係の仕事を探すときの参考にしてくださいね。

日本の新体操業界の実態

新体操は、手具を使いながら音楽に合わせて演技を行う採点競技です。いかに芸術性が優れているかという点が結果を左右します。

競技は個人と団体に分かれ、フープやボール、リボン、クラブなど様々な手具を組み合わせて行われるのが特徴です。

新体操は選手たちのしなやかで美しい動きが観客を魅了するスポーツでもあり、団体競技では選手たちのスピーディーかつ一糸乱れぬ動きが見どころです。

また、着用する衣装も美しく、きらびやかで個性的なデザインを毎回楽しみにしているファンもいます。こういった観点から、新体操の選手はアスリートであると同時にアーティストであるという考え方もあります。

これまで、日本の新体操は諸外国と比較すると結果を残せていないと言われていましたが、2012年のロンドン五輪では決勝に進み、7位に入賞。

代替わりを経ながらも表彰台を目指し躍進を続け、2017年世界選手権ぺローザ大会では団体総合競技で銅メダルを獲得します。

2018年の第36回世界新体操選手権では団体種目別フープにおいて銀メダルを獲得。そしてついに、2019年の第37回世界新体操選手権では種目別ボールでは史上初の金メダルを獲得しました。

日本の新体操選手たちの活躍に伴い、国民たちも新体操というスポーツに対してこれまで以上に強い関心を持ち始めているようです。

また、新体操は世界的にも女性が行う競技として根付いていますが、日本では体操競技種目の中に男子新体操があります。

男子新体操は女子の新体操とは異なり、宙返りなどアクロバティックな動きが多いことが特徴です。まだまだ知名度は低いものの、ジェンダー平等の観点から今後も注目が高まっていくと予想されてます。

参考
日本体操協会　新体操
公益財団法人日本オリンピック委員会　新体操
文藝春秋「新体操日本代表が欧州勢破り金メダル。“恋”の指導やルール変更も追い風に。」

新体操関係の仕事7選

ここからは、新体操に関係する6つの仕事をご紹介します。新体操の経験を活かして仕事をするにはどんな選択肢があるのでしょうか。

プロ選手

企業と契約して活躍するプロの新体操選手はメディアに露出する機会もあることから、多くの人に知られているでしょう。

近年最も注目を集めているのは、新体操日本代表である「フェアリー ジャパン POLA」。世界大会で数々の実績を残している新体操チームです。

美容事業で知られるPOLAのオフィシャルパートナーとなり、美容に関する事業を行う傍ら、新体操の競技を続けています。

プロの道は狭き門ではありますが、競技活動をしながら収入を得ることができる道です。また、引退後は契約先の企業で働ける可能性もあります。

指導者

新体操選手の指導者は、選手をサポートするという立場から直接的に競技に関われる仕事です。主な就職先は、新体操部がある大学や高等学校になります。

この場合、教員として採用された後に部活の顧問になるパターンと、専任の指導者として採用されるパターンがあるため、就職を検討する場合は募集要項をしっかりと確認しましょう。

また、日本体操協会および日本スポーツ協会（JSPO）公認の新体操の指導者資格を所有していると、指導者として就職するときに有利になります。

また、指導をする以上は自身も新体操の経験者かつ豊富な知識と高い技術を持っていることが望まれます。実際に指導者として活躍している方の多くが競技経験を持っています。

インストラクター

選手ではなく一般の人々に対して指導を行いたい場合は、インストラクターという選択肢もあります。

インストラクターの働き方は様々で、地域のスポーツジムやフィットネスクラブなどに就職する方法や、個人で開業をして指導にあたる方法などが考えられます。

元選手がインストラクターになるケースも多く、最近はオンラインレッスンなどを行う人も増えています。

ジムやフィットネスクラブに就職する場合、新体操に特化したクラスは希少であり、新体操の経験を活かしてストレッチやヨガを教えるパターンもあります。

一方、個人経営の教室では、レッスンの内容やターゲットを自分の裁量で自由に決められる良さがあります。

新体操教室講師

幼児や小学生を対象とする新体操教室の講師になる選択肢もあります。

大手企業の河合楽器製作所やイオンスポーツクラブでは、新体操に特化したスクール（クラス）を設けており、子どもたちに新体操の基本を指導しています。

生徒の中には将来的に選手を目指す子もいますが、「ダンスが好きだから」「体を動かす習い事をしてみたい」という理由でレッスンを受けにくる子もいます。

1人ひとり異なるニーズがあることを理解した上で、新体操の面白さや奥深さを教えられるといいでしょう。

採用条件は各教室ごとに異なりますが、競技経験があったり指導者資格を有していると優遇されやすくなるでしょう。また、子どもが好きな人にも向いている仕事です。

参考
カワイ体育教室
イオン新体操スクール

スポーツメディア

新体操に直接関わらない仕事もあります。スポーツジャーナリストや記者、カメラマンといったスポーツメディア関連の仕事もその一つです。

主に、スポーツ選手や競技の様子を取材・撮影し、新聞や雑誌メディアなどで情報発信をします。

就職先は新聞社やスポーツ雑誌編集者、テレビ局などが考えられます。また、フリーランスとして活躍している人も珍しくありません。

新体操の競技経験がある人は、新体操に特化したフリーのジャーナリストになるといった選択もあるでしょう。

新体操は動きや見た目の美しさで人を感動させるスポーツのため、その様子を魅力的に伝えることがメディア関係者の使命になります。

文章や写真、映像を介して新体操の魅力を世の中に伝えたいという情熱を持っている人に向いている仕事です。

スポーツメーカー

新体操の手具や衣装の製造・販売を行うスポーツメーカーで働くこともできます。

スポーツメーカーといっても、企画、製造、デザイン、広報、開発、営業、総務、ITといったように様々な部署が存在し、多様な専門職者が働いています。

自分の得意分野を活かして働くことができることは、スポーツメーカーで働く魅力の一つです。

新体操の競技経験者であれば、自身の経験をもとに商品開発のアイデアを出すことができるでしょうまた、業界にコネクションがあれば営業担当としても力を発揮できます。

以下は、新体操に関連する用品を扱うメーカーの一例になります。

・株式会社佐々木スポーツ

体操関連のアイテムを中心に取り扱っている。

・チャコット株式会社

バレエ、ダンス、体操のアイテムの製造販売、衣装のレンタル等を行う。

・株式会社Dia Corporation

新体操のウェアの企画・生産管理・販売に特化している。

スポーツメーカーへの就職については以下の動画でもご紹介しています。ぜひチェックしてみてください。

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動画配信

新体操の経験を活かして動画配信を行う働き方もあります。ただし、安定収入が得られるわけではないため、副業もしくは趣味としてスタートする人がほとんどです。

新体操の美しい演技を披露したり、自身の経験をもとにストレッチやダイエットの指南動画を発信したり、方向性は様々です。人前に出るのが好きな人には向いているかもしれません。

日本の元体操競技選手である平岩 優奈さんも、YouTuberとして活躍中です。アクロバティックなパフォーマンスを披露したり、最近は出産や育児のレポートが注目されています。

参考
平岩優奈のYouTubeチャンネル

新体操関係の仕事に役立つ資格

ここからは、新体操関係の仕事をする上で役に立つ4つの資格をご紹介します。

日本体操協会公認 指導員資格（新体操）

日本体操協会は、公認体操指導員の資格制度を設けています。その中の一つに新体操の指導者資格があり、競技者育成プログラムに基づいた指導者を養成しています。

カリキュラムは共通科目152.5時間、専門科目50時間から構成されています。

専門科目には新体操の変遷や指導計画の立案方法、新体操の特性と体力トレーニング法といった基礎理論の他、実技面や指導実習が含まれ、新体操選手の指導に特化した内容です。

・受講条件

受講年度の4月1日現在満24歳以上及び日本体操協会公認審判員で、都道府県体操協会の推薦を受け、日本体操協会の承認を得た者（免除条件については別途定める）。

・受講料

共通科目 18,900円
専門科目 10,500円

参考
日本体操協会

日本体操協会公認 高齢者体操指導員資格

日本体操協会が認定する、高齢者の健康づくりを支援するための体操指導員の資格です。体操の基礎理論や高齢者の特性に応じた指導方法、高齢者の特徴や認知症に関する内容を学びます。

資格取得後は、主に高齢者を対象とする指導の現場や、デイサービスや老人ホームなどでも活躍できます。

・受講条件
18歳以上

・受講費用
10,000円

参考：日本体操協会

財団法人健康・体力づくり事業財団公認 健康運動指導士

健康・体力づくり事業財団が発行する運動指導者の資格です。保健医療関係者と連携し、安全で効果的な運動を実施するためのプログラム作成や、実践指導計画の調整といった役割を担います。

生活習慣病予防のための健康づくりや、医療費適正化対策の柱としても期待されている資格です。受講条件や費用はコースごとに異なります。

取得するには養成講習を受講するか、養成校にて養成講座を修了した上で試験に合格する必要があります。取得後はフィットネスクラブや医療施設、保健所などで活躍可能です。

参考：健康・体力づくり事業財団

日本幼少年体育協会 幼児体育指導者検定

子どもに対して体育や運動あそびを楽しく・分かりやすく・安全に指導することができるプロフェッショナルになるための検定です。

学生や初心者でも受験可能ですが、5級から1級まで階級が分かれており、級ごとに受験条件や費用は異なります。

新体操に特化した資格ではありませんが、幼児や小学生を対象とする新体操教室などで働く場合は、子どもに対する指導の仕方や接し方という点において役に立つ資格です。

参考　日本幼少年体育協会

新体操関係の仕事に向いている人の特徴

新体操関係の仕事に向いている人の性質とはどんなものがあるのでしょうか。

ここからは、新体操関係の仕事に向いている人の特徴をご紹介しますので、自己分析の参考にしてみてください。

常に勉強し新しい知識を身につけることができる

現在、国内外では人々の健康への関心が高まりつつあります。アスリートに限らずスポーツに興味を持ち取り組む人々が増えているため、関連する業界では常に新しい取り組みが発生しています。

また、スポーツ庁によって、スポーツツーリズムの推進やアスリートの特性を活かしたキャリア支援といった施策も実施されているようです。

新体操やスポーツに関連する業界で仕事をするのであれば、こういった動向には常に目を向けておいたほうがよいでしょう。数年前に身につけた当たり前が現在の当たり前とは限りません。

自分の知識をアップデートすることで、世の中のニーズに沿った魅力的な仕事ができます。

人に教えるのが好き

上述したように、新体操関係の仕事には「教えること」に特化したものが多いです。そのため、人になにかを教えることが好きな人は仕事を探しやすいかもしれません。

教えるといっても技術指導だけに限らず、新体操をはじめとするスポーツ全般の面白さややりがい、競技活動を送る上でのマインドセットなど、目に見えないものを教える必要もあります。

指導に携わる仕事をする場合は、指導者資格を取得したり各種講習会などを受講し、教え方の技術を習得することをおすすめします。

自分自身の健康や美容にも意識が向いている

新体操は「魅せるスポーツ」ともいわれています。そのため、自分の健康や美容にも意識を向けている選手が多く、そういった素質をセカンドキャリアに活かせます。

特に、元新体操競技者であることをアピールポイントとして打ち出すのであれば、新体操という競技のイメージも背負うことになるでしょう。

競技の世界を離れても健康的で美しいイメージを保つことで、活躍できる場が広がったり、次世代のロールモデルとして活躍できるかもしれません。

スポーツ業界全体を応援したい気持ちがある

新体操の競技に直接関わる仕事をする人はもちろん、直接的に関わることがない仕事であっても、スポーツ業界を応援する気持ちや貢献の姿勢を持っていることが望ましいです。

「スポーツをしている人を応援したい」「スポーツを通して人々の生活が充実したら嬉しい」といった想いを軸に仕事ができると、同じ志を持った人や企業との縁が結ばれ、新しいアイデアや企画が生まれるかもしれません。

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新体操関係の仕事に就くときのポイント

最後に、新体操関係の仕事に就くときのポイントを解説します。

ビジネススキルを身につける

これまで新体操一本でやってきた人の中には、「ビジネスの世界で通用する自信がない」と不安になっている人もいるのではないでしょうか。

たしかに、スポーツで培ったスキルや知識だけではビジネスの世界に入ったときに困ってしまうかもしれません。

しかし、ビジネスのスキルはいつからでも習得することが可能です。大学が行うビジネスセミナーを受講してみたり、一般企業で活かせそうな資格の勉強をしてみるのもおすすめです。

特にグローバル展開をしているスポーツメーカーなどでは、語学力が重宝されます。

資格を取得する

資格を有していると就職先の選択肢が多くなります。新体操の指導に携わる場合は、指導者資格を取得しておくと内定に繋がりやすくなるでしょう。

また、新体操やスポーツに直接関係のない資格も役立ちます。一般企業に就職する場合、TOEICや簿記、MOS、ITパスポート試験、FPといった資格が役立つとされています。

もちろん無資格であっても就職先を探すことはできますが、資格を持っていることによって自信を持って就活に臨めるというメリットがあります。

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自分の特性に合った仕事を選ぶ

様々な職業をご紹介しましたが、自分の特性に合った仕事を選ぶことが重要です。新体操の経験を活かして仕事をするのであれば、競技にどのように関わっていきたいのかを自己分析してみましょう。

また、新体操以外で自分の好きなことや趣味があれば深掘りして考えてみてはいかがでしょうか。

どんなに好条件の仕事であっても自分の特性に合わなければ、働いていて辛くなってしまったり、やりがいを持てなかったりします。就活の際は、自己分析を丁寧に行うようにしましょう。

スポーツ専門就活エージェントを活用する

新体操関係の仕事や、新体操の経験を活かして働くことができる就職先の数はそこまで多くないのが現状です。

そのため、求人サイトなどを活用して自力で求人情報を探し出すことが難しく、膨大な労力と時間がかかると予想できます。

スポーツ専門の就活エージェントを活用することで、スポーツ経験に特化した求人情報と出会いやすくなります。ネットには掲載されていない非公開求人を紹介してもらえる可能性もあるので、ぜひ利用してみてください。

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まとめ

今回は、新体操関係の仕事について、職種や資格などを解説しました。

新体操の経験を活かして就職したいけれど、どんな仕事を選んだらよいか分からないと悩んでいる方は、第三者の意見を聞くことをおすすめします。

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