2024.12.13

ラグビー指導者になるには?適性や資格について解説

ラグビーはチーム一丸となって勝利を目指すスポーツです。仲間との連帯感を感じ、全員で勝利に向かって努力することが好きという人は、ラグビー選手に向いているでしょう。

ここでは、ラグビー選手になる方法や、学校選びのコツ、就職先や年収などについて解説していきます。

 ラグビーの指導者(コーチ)とは?

ラグビー指導者=コーチとは、その名の通り、ラグビーをする人々やそのチームに対して指導を行う者のことです。

ラグビーのチームが強くなるためには選手自身の努力はもちろん必要ですが、同じくらいコーチの役割も重要です

競技規則によると、ラグビーの競技の目的は以下のとおりです。

「それぞれ15名、10名、または7名からなる2つのチームが、競技規則およびスポーツ精神に則り、フェアプレーに終始し、ボールを持って走り、パス、キックおよびグラウンディングして、できるかぎり得点を多くあげることであり、より多くの得点をしたチームがその試合の勝者となる」

この目標を達成するためには、コーチの指導力が重要なのです。

ラグビーコーチの主な役割は、以下のようなものがあります。

  • 選手を育成指導すること
  • 選手のモチベーションを高めること
  • 選手の技術を向上させること
  • 選手が安心・安全にプレーできるようにすること
  • 試合の戦略を考えること

コーチは選手たちが目標を達成するための支援者であり、選手たちがグラウンドの中でも外でもラグビーを楽しめるよう導く人といっても過言ではありません。

ラグビーは幅広い世代・バックグラウンドを持った人に愛されているスポーツです。そのためラグビー指導者と一口にいっても、その対象はさまざまです。

ラグビーというスポーツを経験したことがない子どもたちから、トップアスリートを目指す選手、地域の一般の人々など、実に多様です。

指導する対象が誰なのかによって、発揮する専門性は異なります。

アメリカのオリンピック委員会では、コーチの評価は選手たちをどれだけ勝たせたかでは決まらないと考えられています。

“選手の向上にどれだけ寄与できたか”が重要です。つまり、選手たちを勝利へ導けるコーチほど優秀であるとは言い切れないということです。

 資格は必要?

ラグビーの指導者になるために、資格取得は必須ではありません。ジュニア向けのスクールや、地域のスポーツクラブなどで指導をする場合は資格がなくても仕事になる場合がほとんどです。

ただし、過去に自分がラグビーをした経験がないままいきなり指導者になるのはあまり現実的ではありません。指導をするからには、自分自身がそのスポーツを熟知している必要があります。

ラグビーのルールや面白さ、危険なプレー、マナーなど知っていないと、安全で安心、楽しいラグビーを教えることが難しいためです。

一方、プロたちを指導するコーチとなれば話は別です。資格制度が存在するため、しっかりと把握しておきましょう。

現在、国内で最も有名な資格は公益財団法人日本ラグビーフットボール協会の認定資格になります。

資格の詳細については後述しますが、リーグワンなどに出場するチームでアスリートたちの指導を行う場合は、同協会の公認資格が必要となります。

また、ジュニア層や一般の人々を対象に指導する場合であっても、資格を保有していることは信頼感に繋がり、就職の際も有利になるはずです。

 指導者資格制度とは

ここからは、日本国内のラグビーの資格制度について解説します。

公益財団法人日本ラグビーフットボール協会普及育成委員会では、コーチの資質や指導力向上、およびラグビーの振興促進を目的としてラグビー指導者資格を制定しています。

同協会では、指導者たちがラグビー振興の中核となって活躍できるように、安全管理の知識や時代に即した指導方法、選手の能力を引き出す知識など、ラグビーの指導に関わる内容を幅広く伝えています。

協会に加盟するチームには資格保有者をチームの監督またはコーチとして配置することを義務付けています。これによってラグビーの指導者が増え、業界の活性化が期待できます。

また、資格制度を導入したことでリスクマネジメント意識の向上にも繋がると考えられています。

また、近年はスポーツコーチによる体罰やハラスメントが社会問題になっています。社会に対してコーチのレベルを保証するという意味でも、資格制度は有効です。

専門性の高いコーチの社会的需要も高まっています。

コーチ自身が資格を取得して専門性を磨くことによって、選手たちの可能性が広がるだけでなく、コーチ自身のラグビーライフも充実するはずです。

参考:公益財団法人日本ラグビーフットボール協会

 日本ラグビーフットボール協会認定の5種類の資格

日本ラグビーフットボール協会が認定する指導者資格は5つに分類されています。1つずつ解説していきましょう。

スタートコーチ

日本でラグビーコーチとして活動するすべての人を対象とした指導者資格です。

基本的な安全対策の知識やプレイヤーを中心とした指導の仕方、ラグビー憲章、プレーの原則、年代別の指導法などを学びます。

初心者向けの資格にはなりますが、内容は充実しています。

カリキュラムを履修すれば、指導者としての基本は押さえられるでしょう。スタートコーチの資格はオンライン受講で取得できます。

常時開催しているので、仕事や学校と並行しながらの取得がしやすいのも魅力です

  • 受講条件:満18歳以上
  • 受講料:2,000円
  • 資格保有期間:4年
  • 更新方法:オンラインコーチカンファレンス/スタートコーチの再受講

参考:スタートコーチの概要

C級コーチ

選手に対する実技指導スキルを習得します。スタートコーチ資格保有者であれば受講可能です。スタートコーチで学んだ内容を、実技を通して深めていきます。

リスクマネジメントや長期育成方針、個人を対象とするコーチングの方法などを学べます。スタートコーチの資格を取得し、さらにレベルアップしたい人はぜひチャレンジしてみてください。

  • 受講条件:満18歳以上、スタートコーチ資格保有者
  • 受講料:4,500円
  • 資格保有期間:4年
  • 更新方法:オンラインコーチカンファレンス/スタートコーチの再受講

参考:C級コーチの概要

B級コーチ

選手個人への指導方法に加え、チーム課題に対応する指導技術を習得します。

B級コーチは日本スポーツ協会公認資格と連動する資格のため、日本スポーツ協会主催の科目(通信で45時間分)および、日本ラグビーフットボール協会の共通科目を受講する必要があります。

  • 受講条件:満20歳以上、スタートコーチ資格保有者
  • 受講料:42,400円
  • 資格保有期間:4年
  • 更新方法:JRFUコーチカンファレンス/都道府県協会ブラッシュアップ研修会/JSPO研修会

参考:B級コーチの概要

A級コーチ

多角的にプレーヤーおよびチームを分析する技能を習得します。こちらもB級コーチと同様、日本スポーツ協会の共通科目の受講が必要です。

受講時間は合計215時間ほどになるため、スケジュールに余裕を持って取得を目指した方がよいでしょう。また、A級コーチからは受講条件も厳しくなるので注意が必要です

  • 受講条件:満23歳以上、B級コーチ資格保有者、B級コーチ資格取得見込み
  • 受講料:41,300円ほど
  • 資格保有期間:4年
  • 更新方法:コーチカンファレンス/都道府県協会ブラシュアップ研修会/JSPO研修会

参考:A級コーチの概要

S級コーチ

公認資格の中で最上位の指導者資格です。年間計画、チーム戦略、チームマネジメントなど、チームを指導するために必要な知識と技能を習得します。

コーチとしての自己分析やチームビジョンの作成、ゲームプロファイルといったより専門性の高いスキルを身に付けたい方や、海外での活躍も視野に入れている方におすすめです

また、S級コーチの資格保有期間は1年と他の資格より短くなっているので注意しましょう。

  • 受講条件
    (1)有効なJRFU A級コーチ資格保有者
    (2)JRFU A級コーチを受講中の方で専門科目及び共通科目を受講済みで認定待ちの方
    (3)定期的に関わる高校生以上の15人制の指導現場がある方 
  • 受講料:80,000円
  • 資格保有期間:1年
  • 更新方法:コーチカンファレンス

参考:S級コーチの概要

 コーチ養成プログラムに参加しよう

日本ラグビーフットボール協会では、2種類の講習会を開催しています。資格を取得したい人に向けた「資格認定講習」と主に資格保有者を対象とする「ブラッシュアップ研修」です。

資格認定講習、ブラッシュアップ研修ともに全国で行われているので、最寄りの会場で受講することが可能です。

ブラッシュアップ研修はコーチカンファレンスも行われ、主に資格更新を目的とする人が参加しているようです。資格にはそれぞれ保有期間が定められています。

保有期間を過ぎると資格を失効してしまうため、ラグビー指導者として活動を続ける場合は忘れずに更新しましょう

近年は感染症対策の影響によりオンライン方式での開催が多いようなので、協会のホームページで最新情報をチェックしてみてください。

参考:講習会情報

 ラグビー指導者になるための適性

プレイヤーの話を聞くことができる

優秀な指導者の条件に「プレーヤーの話を聞く」ということが挙げられます。傾聴が得意な人は指導者に向いているといえます。単純に会話をして話を聞くということだけではありません。

プレーヤーの表情や口調からコンディションを読み取り、現在抱えている課題を把握したり、1人ひとりの目標を把握した上で適切な指導を行うことが求められます

良い点を誉めて伸ばすことができる

褒め上手であることは、選手の可能性を広げる上で大切なこと。選手のよいところを見て、認めて、褒めて、伸ばします。

褒められることで選手たちのモチベーションは高まり、さらにラグビーに夢中になれるはずです。

また、褒めるときは結果ではなく経過を評価することが大切です。たとえ芳しくない結果だったとしても、そこにいたるまでの努力や行動を認めましょう。

悪い結果が出てしまった場合でも、選手と共に課題を見つめる姿勢になれる人ほど、よい指導者になれるでしょう。

異業種と連携できる

ラグビーの指導者は、チームドクターやアナリスト、栄養士、トレーナーなど異業種の専門家とも連携することがあります。指導者だけがチームをつくっていくのではありません。

多くの専門家たちがチームを取り巻き、分析し、鼓舞しています。異業種の人と共に仕事をすることで、新たな学びや気づきを得られることも多いはず。

「自分がいちばんチームやプレイヤーのことを知っている」などと驕らず、多様な視点でチームを成長に導いていくことが大切です

コーチングスキルがある

近年はスポーツ指導者においてもコーチングスキルが重視されています。

もともとはビジネス業界で浸透している言葉でしたが、スポーツにおけるコーチングは「プレーヤー自身がなりたい自分に近づくためのサポートをすること」。

選手の自発的行動を引き出せるコミュニケーション能力のある指導者になりましょう。

自分自身もスキルを磨き、学び続けることができる

選手たちは練習や試合を重ねてどんどん成長していきます。指導者も選手たちと共に成長し続けることが求められています

セミナーや研修会を活用して、積極的に自己研鑽の機会を設けましょう。こういった勉強会には多くのラグビー指導者が集まります。

同じ課題を持った指導者と悩みや課題を共有したり、指導者としての意見交換ができる貴重な機会です。たくさんの指導者に出会うことで自分の指導方法を見直すきっかけにもなるでしょう。

プレイヤーの目標設定をサポートできる

他者の目標設定のサポートが得意な人は指導者に向いているといえます。そのためには、彼らの現状をよく分析し、課題に気づく視点も重要です

何が課題であり、何を目標に定めるか。そこがはっきりしてくると、選手自身も意欲を持って日々の練習に励むことができるでしょう。

ラグビー指導者はいわゆる「縁の下の力持ち」。選手たちに気づきと成長の機会を与えるキーパーソンです。

 まとめ

ラグビー指導者は選手たちを勝利に導く影の功労者。自身のラグビー経験を活かして指導者に転身するという選択肢もあります。

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