浅野 拓磨 / Takuma Asano   |現在:現役サッカー日本代表選手

「僕はずっと夢の延長線上にいる」現役サッカー日本代表 浅野拓磨選手【前編】

2018年FIFAワールドカップ、日本代表が出場決定。

6大会連続、6度目の出場が確定したのは、
昨年のワールドカップアジア最終予選 オーストラリア戦。

華麗に先制点を決めたのは、FW浅野拓磨選手。
今回、一時帰国のタイミングでお会いすることができました。

「今日はよろしくお願いします。いい話、できるかな。」
彼の爽やかな笑顔と、和やかな雰囲気でスタートした取材。

世界の舞台で活躍する、トップアスリートの思考には
仕事、ビジネス、キャリアに通ずるものがあるのでしょうか。

特別スピンオフ企画です。

Profile

 

浅野 拓磨(あさの たくま)1994年11月生まれ

現役サッカー日本代表選手。高校卒業後、サンフレッチェ広島とプロ契約を結ぶ。2016年よりドイツ・ブンデスリーガ・VfBシュトゥットガルトに所属。2017年のW杯アジア最終予選オーストラリア戦では貴重な先制点を挙げ、勝利と共に6大会連続W杯出場に貢献した。ジャガーの愛称で親しまれる。

目次

日本代表として活躍されている浅野選手。代表チームはさまざまな選手がそろっていると思いますが、その中でどうご自身をアピールされていますか?

本当、みんな個性的ですね。自分らしさを持つ人が集まっていて、しかも芯が強くてブレないです。その中で僕は自分の個性を押し出さないというか……無理にしゃしゃり出ないというか。人は人、自分は自分っていう考え方なんです。

周りの選手よりも目立たないといけない、自分をどうにか表現しないといけない、人がやっているから僕もやらないといけない、そう思うことも無いんです。たとえば、僕は喋ることが好きですけど、みんなが盛り上がっているからって無理をして輪に入っていくこともないですし、気にすることもありません(笑)

僕らの世界には、試合やプレーという絶対的な表現場所があります。きっと他の世界にもそういう場ってありますよね。それ以外でどう振る舞うかよりも、一番重要なところに集中して最大限の力を発揮すればいい。僕はそう考えています。

つまり、浅野選手なら「ピッチ上」ということですよね。自分自身の仕事、サッカーをする場所。

そうですね。サッカー選手であるからには、ピッチ上こそ自分をどう表現するかを一番考えるべき場だと思うので。自分の武器を思いっきり活かして、誰が見ても最高のプレーができるようにしたいです。だからこそ、ピッチ上では100パーセントで表現して自分の色を出すように頑張っています。

100パーセントで表現するために、言いたいことも遠慮せず言えていますか?先輩後輩、年齢といった壁にぶつかってしまいそうですが……。

やっぱりそれもピッチ上では言うようにしていますね。海外でプレーするようになってから、より発言できるようになりました。国内でプレーしているときは「言わないといけない」って意識していたけれど、今は意識することなく。そうしないと生きていけない世界に入ったので。

ドイツでは英語やドイツ語の知っている単語をとにかく並べて、ジェスチャーも交えて伝えています。ここに走るから、ここにボールを出して欲しい、という感じで。より物怖じせず言えるようになったこと、表現の幅が広がったことは、自分自身の成長に繋がっているなって実感します。

言わないと生きていけない世界。確かに海外はそうかもしれませんが、日本代表チームだと言葉が通じるからこそ、気をつかうこともありませんか?

海外では伝えたいことをちゃんと伝え切れず、もどかしいことも多いです。 日本では言葉が通じるだけでありがたくて、言いたいことをはっきりと、ぱっぱっと口に出すようになりましたね。もともとは気にしいなので、性格そのものが変化したように思います。

とは言っても、長谷部選手、本田選手など素晴らしい先輩方がいる中で、最初は名前を呼び捨てにするだけで緊張しました(笑)でも、僕たちが目指しているのは仲良しこよしチームではなく「勝利」です。プロとして集中すべきことは、サッカーのプレーだと信じてやっています。

意識を分散させずに、重要な成果のみに集中する。それって仕事でも活かせますよね。では、周りからの評価もあまり気にしないんでしょうか。

まったく気にしないです!って言いたいですが、さっきも少し話したように、僕はもともと気にしいなんです(笑)過去を振り返っても小学生からコーチの顔色をうかがっていましたし、ドイツでも監督の機嫌にプレーが左右されることがありました。監督が自分を見ているって考えちゃうとミスをして。

そのメンタルの弱さが自分のマイナス面だなって、ドイツに行ってより感じましたね。海外の選手っていい意味で周りを気にしないんですよ。だから僕も監督や周りのことを気にしすぎないようにして、自分のプレーに集中するようになっていったんです。

評価を気にしすぎると、モチベーションにも影響しますよね。浅野選手にとってモチベーションアップになることって何ですか?

家族へのテレビ電話ですね。好感度を上げようとしているわけじゃないですよ(笑)ドイツに行ってからは毎日するようになりましたし、家族と話をすると頑張ろうって思えるんですよ。落ち込んだときも立ち直るきっかけになりますし、僕の支えですね。

厳しい勝負の世界で常にパワーを発揮するためにはもちろん、どんな時でも自分の実力を最大限に出せるよう、モチベーションを上げる方法を知っておくことは大切だと思います。自分のテンションは自分で作るものだなって。

あと、試合のスイッチをどこで入れるかも自分自身で決めています。
僕の場合、試合前の準備ですね。キックオフの2、3時間前に軽食タイムがあるので、そのあたりからスイッチを入れ始めます。もっと前からっていう選手もいますけど、僕はできるだけリラックスして余裕を持っておきたいんです。

当初、イギリス・アーセナルFCへ移籍予定でしたが、ビザの許可が下りずにドイツ・VfBシュトゥットガルトへ。リーグも国も違いますが……。

サンフレッチェ広島(以下、サンフレッチェ)の頃から、海外ならブンデスリーガに挑戦したいと考えていたんです。日本人が多く活躍しているし、プレースタイルも合っているかもしれないって。そんな中でアーセナルから声をかけてもらって、せっかくならビッグクラブに飛び込んでみようって思いました。

結局、ビザ問題がありましたが、イギリスだからとかドイツだからとか場所はたいした問題じゃなくて。どこに行こうが、僕はシンプルに「挑戦」するだけなんです。新天地で自分のサッカーを思いっきりやる、ゴールを決める、ただそういう想いでした。

身を置いた場所でやるべきことをやる。仕事にも通じますね。浅野選手にとっての仕事は「サッカー」だと思いますが、どう向き合っていますか?

サッカーは確かに僕の仕事ですけど、実は“仕事”っていう感覚になったことがほとんど無いんです。お金をいただいてプレーさせてもらっているので、プロとしての大きな責任感は持っていますけど。

僕、昔からずっと夢を追いかけている延長線上にいるんですよ。子供の頃からの「プロサッカー選手になりたい」っていう夢が実現して、またその延長線上にはゴールを決めたいとか、ワールドカップに出たいとか、新たな夢があって。サッカーは夢や目標を追いかけ続けるもので、僕の人生そのものです。

仕事を超えて人生なんですね。仕事だとどこか義務感もありますが、浅野選手はサッカーを「やらなきゃいけない」と捉えることは無いんだろうな、と。

いえ、ありますよ。ただ、僕は自分が目指す夢に対して少しでも近づきたいから、常にやらなきゃいけないって思ってやっているんです。僕はサッカーでやりたいことや叶えたいことがあるので、「やらなきゃいけない」っていうのは仕方なくという義務じゃないし、マイナス思考でもないんです。やりたいことを実現するための、ポジティブな手段です。

まだ23歳と若いのに、そんな風に考えられるって素晴らしいですね。何かきっかけがあったのでしょうか。

高校進学が大きなターニングポイントでした。四中工(四日市中央工業高校)は強豪校なので遠征費などのお金がかかるし、公立なので特待制度も無いんですよ。うちは兄弟も多いし、とてもじゃないけど行けないだろうって。地元の高校に普通に進んで、そこでしっかりと存在感を放ってプロになるつもりでした。

でも、サッカー部の顧問の先生が僕に言ってくれたんです。「高校3年間はきっとご両親に苦労をかけてしまうだろうけど、その後しっかりプロになって恩返しをすればいい」って。ああ、そういう考え方もあるなって気付いたと同時に、危機感も持つようになったんです。

四中工に行って、必ずプロサッカー選手になって、お父さんとお母さんに恩を返す。そうなるとプロにならない、なれないという選択肢なんてすっかり消えます。絶対になる。その覚悟で高校に進学しました。ありがたいことに、サンフレッチェ時代からずっと仕送りという形で両親に返すことができています。

高校に進学できることが当たり前だと思っている時点で甘いなって思うんですよ。高校に行けることが、強豪校を選べることが、サッカーをできることが幸せなこと。だからこそ全力で頑張らないといけない。僕、7人兄弟なんですけど、六男の弟が四中工でサッカーをしているので、そういう気持ちでやれよって言いたいです(笑)

今回、サッカーへの想いや日本代表としての姿勢を聞かせていただく中に
仕事やキャリアに活かせるヒントがたくさんありました。

次回公開の【後編】では、引退に対する考え方や、夢との向き合い方など
さらに深い内容を盛りだくさんにしてお届けします!

▼後編はこちら
「最終ゴールはない。目標は更新し続ける」現役サッカー日本代表 浅野拓磨選手【後編】


 

浅野拓磨オフィシャルブログ
https://lineblog.me/asano_takuma/

取材/アスリートエージェント 尾崎俊介
取材・文/榧野文香

タグ:,

FACEBOOK

TWITTER

INSTAGRAM

就活・取材に関するお問い合わせは、
お気軽にご相談ください。

ご連絡いただいた個人情報は、
お問い合わせの回答以外には一切利用いたしません。

お電話でのお問い合わせ

TEL.03-5738-8013

TEL.03-5738-8013

受付時間 平日10:00-17:00

『アスリート・ライブ』運営会社

株式会社アーシャルデザイン www.a-cial.com
TEL:03-5738-8013 FAX:03-5738-8015
電話受付時間 9:00-19:00(土・日・祝日除く)

CONTACT FORM項目は全て必須入力でお願いします。

お名前
お電話番号
メールアドレス
ご用件
メッセージ本文

元プロアスリ体育会の方でビジネスでも活躍している方達をご紹介