Sports

中村 亮 / Ryo Nakamura   元サッカー選手(FC東京)|現在:経営者

「アメリカへのスポーツ留学を盛り上げ、日本人選手の世界進出への手助けを」元FC東京 中村亮

「サッカーをやってきたことが、
僕の中に強い自信を与えてくれた」

元FC東京 選手の中村亮さんは
現在、スポーツ留学をサポートする株式会社WithYouの代表に。

自分と同じようにスポーツを頑張ってきた子どもたちに
新たな世界や可能性を見せるため
アメリカと日本を行き来する多忙な日々を送っています。

選手から子供たちのサポーターへ。

プロ引退から起業までには、どんな道のりがあったのでしょうか。
そして、中村さんのこれからの夢は?

Profile

 

中村亮(なかむら りょう)1981年8月13日生まれ

元サッカー選手。滝川第二高校、鹿屋体育大学と進み、2004年にJリーグ「FC東京」に入団。2005年シーズン終了後に引退。その後、中学校教諭や歌手・モデルを経て、単身アメリカへ留学。このアメリカ留学をきっかけに、海外へのスポーツ留学などをサポートする株式会社WithYouを設立し、代表取締役を務める。

  順調だったサッカー人生から、2年でプロ引退

―― サッカーは何歳から始めたのですか?

3歳の時に、父の勧めで地元にある神戸FCのアカデミーに入りました。だから、自分の意思で始めたわけではなくて、最初はサッカーが全然好きじゃなかったです(笑)。でも、小学校3年生の時にJリーグ開幕戦をTVで見て、その華やかさやプロ選手のパフォーマンスに衝撃を受けて「サッカー選手になりたい」と思うようになりました。

さらに、中学生の時にジーコサッカースクールに参加してブラジルに行き、サッカーへの気持ちがより強くなりました。ブラジル留学は、本当に衝撃的で。初海外だったし、見るもの全てが新しくて。サッカー王国と言われる国でサッカーを経験できたことは貴重な体験で、自信にもつながりました。

―― その後、FC東京に入団されますが、わずか2年で現役引退されます。当時どのような心境でしたか。

後悔がないと言えば嘘になりますが、僕は、自分がサッカーセンスのある方だとは思っていませんでした。プロになれたのは、自分の努力だという自負があるんです。努力したからプロへの道が拓けたと。

当時、FC東京が次の入団先を探してくれていたので、サッカー選手を続けようと思えば続けられたんです。でも、2年の間に大きな怪我をして、自分の売りであった足の速さを出せない状況でした。冷静に考えて無理して続けるのではなく、ここで区切りをつけて新たな山に挑戦しようと、引退を決意しました。

―― では、次のキャリアを考えて辞められたわけではないんですよね。

もちろんそうです。 僕は、「サッカーしかない」という人間ではなくて、いろいろな可能性の中でサッカーという険しい道を選んだと思っていました。「この厳しい道を選んでプロまで行けた。これ以上に厳しい山はないだろうな。」と思えたんです。

サッカーをやってきたことが、僕の中に強い自信を与えてくれました。だからサッカーを辞めてもこれからの人生をやっていけると確信していたんです。

―― サッカーを辞められた後は、どうされたんですか。

体育教師の免許を持っていたことや、両親が教師だったこともあり、横浜市の中学校の先生になりました。子どもたちは可愛くて楽しい毎日でした。ただ、子どもたちと「将来の夢」について話していた時に、彼らのキラキラした純粋な瞳を見ながら、僕自身にもまだ新たな可能性があるんじゃないかと思うようになりました。

―― そこからどうして起業しようと?

ありがたいことにサッカー選手時代、企業の社長など普段会えないような方とお付き合いさせていただきました。そこから漠然と起業には憧れがありました。でも、特にやりたい事業があったわけではなかったんです。

あと、学校の先生を一年で辞めてから少し芸能関係の仕事をしたんですが、自分が弛んでいく自覚があって。「このままじゃダメだ」と思い始めていて……。以前から英語の勉強をしたいと考えていたのと、過去のブラジル留学経験から海外に興味があったので、一念発起でアメリカへ留学することにしました。

  アメリカ留学がきっかけで見つけた新たな道

―― アメリカにはどのぐらい滞在されていたんですか?

2年ぐらいロサンゼルスにいて、いろいろなことを経験しました。

まずは、英語力が伸びない(笑)。「一生懸命勉強しているのに、どうして」と自信を失いかけていた時に、留学先の大学でサッカーの授業を受けたんです。試合の最後でVゴールを決めたら、サッカー部の学生らに声をかけられて。そこから彼らと付き合うようになり、英語が少しずつ伸びていきました。

そう、僕の英語が伸びなかった原因は「アメリカ人の友達がいないこと」だと気がついたんです。英語の上達にはネイティブなアメリカ人と会話することが大事。でも、留学生はたいてい留学生だけでまとまってしまい、アメリカ人と仲良くならない。サッカーの授業でゴールを決めたことで、その課題が解決したんですよ。

―― サッカーをきっかけに、留学生活が劇的に変わったんですね。

僕は「英語が話せないから現地の友達ができない」と思っていたんです。でも「みんな僕の得意分野を知らないから、友達になれなかった」ことにも気がつきました。中村亮はサッカーが得意で、さらに元プロ選手だということが知られて、相手のリスペクトが生まれて、人が近づいてきてくれるようになっていったんです。

ここでピンときました。これをビジネスにできないかと。僕はプロになれたけれど、子どもたちの多くが一生懸命スポーツに取り組んでいてもプロになれないのが現状。大学4年生までスポーツを頑張っていた子が就職活動をするとなると、難しい部分もある。それなら、スポーツという武器を活かして、新たな可能性に挑戦できる道を拓いてあげたい。

調べていくとアメリカはカレッジスポーツが本当に盛んで、例えばアメリカンフットボールでは、大学リーグの試合でも一試合で何億というお金が動きます。さらに、全米には5万人以上を収容するスタジアムが50大学以上ありますし、返済義務のないアスリート向けのスカラーシップ(奨学金制度)も豊富にある。

―― アメリカは、大学スポーツの環境が整っているんですね。

僕が留学していたときに、仲良くなったサッカー部の学生でもスカラーシップをもらっている人が多かったんです。彼らのサッカーレベルと比較して、日本にはもっとレベルの高い学生たちがたくさんいます。でも、その学生たちは日本でなかなか返済義務の無い奨学金をもらえない。

レベルの高い日本の子どもたちに、環境の整ったアメリカでのスポーツ留学を勧めれば、興味を持ってもらえるだろうと考えたんです。アメリカへのスポーツ留学が盛んになれば、日本のスポーツ界の英語力向上にもつながるし、日本人の世界進出への手助けになると考えました。さらに、サッカー界への恩返しにもなる。

今まで次のキャリアを模索していた僕ですが、ここにきて、心からやりたいと思えることが見つかったので、会社を興しました。

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