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嵜本 晋輔 / Shinsuke Sakimoto   元サッカー選手|現在:株式会社SOU 代表取締役

挑戦、努力、前進。すべての原動力はポジティブな「危機感」

「もう、戦力として考えていない」

「トップからクビだと告げられたサッカー選手が
今、売上高200億円を超える大企業のトップに。

夢物語のような、何だかドラマのような……
でも、夢でもドラマでもない実話がここに。

ただ、トップとなった嵜本さんが抱くのは
野望はもちろんですが、何よりも「危機感」。

その理由に迫ってみましょう。

Profile

 

嵜本 晋輔(さきもと しんすけ)1982年4月生まれ

元Jリーガー、ガンバ大阪に所属。現在は株式会社SOUの代表取締役を務め、買取事業『なんぼや』、オークション事業『STAR BUYERS AUCTION』などを展開。売上高は2017年8月期で226億円を突破。また、2017年秋にリリースした資産管理アプリ『miney(マイニー)』が話題を集めている。

嵜本さん、ガンバ大阪のご出身なんですよね。どういう経緯で入団を?

高校生のとき、僕の一つ上に有名な選手がいたんです。その選手をスカウトしに来た方がたまたま僕のプレイを見て、1年生から目をつけてくださって。3年間ずっと追いかけてくださったんですよ。関西大学への進学と同時にJ1リーグのガンバ大阪(以下、ガンバ)に入団しました。

ただ、振り返るとJリーガーとして至らないところばかりだったんです。監督の構想を実現するために何をすればよいか、それをもっと考えることができていればなと。自己分析をしっかりとして強みを活かすことも。ただ、当時はとにかくがむしゃらにプレイすることで精一杯だったんです。

必死に頑張ってはいたものの、戦力外通告を受けられて……。

はい、入団3年目のときでした。来季はもう戦力として考えていないから他のチームを探してくれと言われて、分かりましたと。そうして2004年からはJFL(日本フットボールリーグ)の佐川急便SC(以下、佐川)に所属しました。

午前中は倉庫で荷物の仕分けをして、午後からサッカー。ガンバではたとえ試合に出られなくても年俸という形でお金が振り込まれていました。なので、佐川では仕事でお金を稼ぐということの難しさ、大変さを痛感しましたね。

今はビジネスの世界でご活躍されていますが、サッカー選手を引退することは惜しくなかったですか?

自分の実力を潔く見切ったんです。 諦め力かなと思いますね。

プロ選手のほとんどが自分の実力をちゃんと分かっています。J1でレギュラーを取れるかどうか、これから稼ぐことができそうか、日本代表になれるか。アスリートに限らずビジネスマンにもきっと当てはまりますよね。自分が出来ることや出来ないこと、得意なこと苦手なことは知っている。 ただ、多くの人が今の立場を手放すことを恐れるんです。

僕自身は引退前、佐川からまだ残留してほしいと言ってもらっていました。それに元ガンバというJ1リーグ出身の肩書きもあり、JFLではまだまだ通用しました。でもこれからまたJ1を目指せるかと考えたとき、自分の実力じゃおそらく通用しないだろうと悟ったんです。この先の何年後、何十年後まで。

それならば、自分の負けを素直に認めて、新たなステージで勝てばいいんだと考えました。

— 嵜本さんの最初の「新たなステージ」は、父親が経営するリサイクルショップ。
スポーツの世界から飛び出して、ビジネスというフィールドへ。

まったくの畑違いですよね。やっぱりサッカーの方が面白いなと思ってしまいそうですが……。

いえ、ビジネスモデル自体がもう面白かったんです。ある人にとっては全く興味のないもの、 価値の無くなったものが、その価値を感じられる人に届けると「欲しい」と思っていただける。価値が何倍にも膨れ上がるというリサイクル・リユース事業がとても興味深くて。

最初は、冷蔵庫などの白物家電の取り扱いからスタートしました。トラックに乗ってお客さまのご自宅に伺って、たとえば数千円で買い取りますよね。持って帰って洗って販売すると、10倍以上の値で売れることもあります。僕たちが商品を引き取って綺麗にして、それを店舗に出すことで差がこんなにも生まれるんだなって。

そういう経験が本当、純粋に楽しかったんですよ。だから家電を洗っている最中に「ああ、何をしているんだろう……」と落ち込むことも一切無く(笑)むしろ修行の身として雑多な仕事をするのが当たり前だと考えていましたね。今思うと給与は高くなかったですが、そんなことも感じず。いい経験ができていることの方が、僕にとって重要でした。

引退時の想いである「新たなステージで勝つ」ために、何か意識をされていましたか?

サッカーでの反省点を活かして、僕にしかできないことを見つけることですね。成果を出すために自分の存在価値を高める方法、それだけを考えていました。

しかもその価値が自己満足じゃなく、一緒に仕事をする人たち、会社やチームという組織、そして未来の自分のためになるように意識していました。休みは全然なかったですが、苦しいなんて一度も思ったことありません。

とても前向きだったんですね!そうしてどんどんビジネスを展開されますね。

2004年、2人の兄と一緒に三兄弟で会社を立ち上げました。翌年からどういうビジネスをしようかなど本格的に話し合い、2007年に大阪の難波にブランド買取専門店「なんぼや 難波本店」をオープンしました。なんぼやの歴史のスタートです。

それから洋菓子事業も立ち上げました。焼きたてチーズタルト専門店の「PABLO(パブロ)」や、四角いシュークリームなどを販売する洋菓子店「パティスリー・ブラザーズ」などですね。兄2人はそっちに専念することになり、僕がリユース事業の責任者となりました。今、僕が代表を務める株式会社SOUの前身です。

— 戦力外通告を受けた選手が、今や売上高200億円を超える企業の社長に。
まるで映画のようなサクセスストーリー。その裏側を覗いてみましょう。

「好きに、しあがれ。」というSOUのビジョンが独特だなと思います。どのような想いを込められているのでしょう。

何よりも価値のあるものって「個性」だと思うんです。隣に座っている人と自分の差、自分にしか無い強み、それがパッと思いつくかどうか。今の世の中って、コピー、つまり似ているもので溢れているじゃないですか。代わりが利くということは怖いことなんですよね。

多くの顧客に利用されている商品やサービスは、オリジナルで独創性のあるものなんです。決してコピーじゃないから世の中に影響を与えることができる。「 好きに、しあがれ。」というビジョンには、個性を持ち味にして唯一無二の新しいものを生み出していこう、そういうメッセージを込めているんですよ。

SOUという会社の代表として経営のセンスが問われる中で、誰を適材適所に配置してどう戦っていこうかを設計しなければいけません。社員皆の能力や魅力、それこそ個性をしっかり把握した上で組織編成をしつつ、その時々で必要な布陣を敷いています。成果を出し続けるために、ですね。

嵜本さんにとって、経営者としての成果は何でしょうか。もちろん売り上げは大前提かと思いますが。

社員の皆がイキイキと働いているかどうかです。これまでは会社を成長させないといけない、拡大させないといけない。その方が大きかったんですよね。もちろんそれは間違いというわけじゃないんですが、やっとひとつ階段を上れたかなという感じです。フェーズが変わって、新しい景色が見えるようになって。

たとえば僕は、毎日の朝礼で一人ひとりの顔つきをじっと見るんですよ。あと、皆が仕事をしている普段の様子もできるだけ気にかけますね。イキイキとした姿を経営の指標、そして課題にしているんです。でも、社員一人ひとりの立場になって考え切ることはまだまだ出来ていないと思います。

先日、全社員が集まる社員総会でも伝えたんです。これまで顧客満足度は徹底して追求してきたけれど、従業員満足度は追求しきれていなかったと、正直に。だから今年からは社員の皆の心がもっと充実することを考えていきます、と。

どれだけ高い売上であっても、働いている社員の皆が暗い表情をしているような会社はあまり価値がないのでは、と。社員は人生の大半の時間をともに過ごす仲間です。いえ、仲間以上に家族と言えるくらいの存在。世の中には素晴らしい会社がたくさんあるので、学ばせていただきながら、自社に足りないところを補っていきたいです。

昨年にはガンバ大阪のスポンサーになられましたね!感慨深いのではないでしょうか。

チームをクビになった選手がスポンサーになるってあり得ないですよね(笑)ただ、リベンジとか逆襲とかではありません。むしろガンバには感謝をしているんです。

戦力外通告を受ける経験って人生においてそうそう無いことですよね。一般的にはいいことではありませんが、僕としては「危機感」というものを学ぶ機会になったんです。中途半端な成果しか出せていない選手はやっぱり必要とされない。お前はもういらないとはっきり言われたことは、僕にとって大きな財産になりました。

だからこそ今、もっとやらないといけないという危機感を持ってビジネスに臨めています。危機感というとネガティブに捉えられがちですが、僕はそれをポジティブに扱って自分自身の原動力にしています。代表という位置なのでクビになることはありませんが、経営者として衰退しないように。

もし戦力外通告を受けていなければ、危機感を持っていなければ、売り上げ10億円ほどであぐらをかいていたかもしれません。踏ん反り返った結果、SOUという会社を潰してしまっていたかもしれません。200億円に到達できたのは、戦力外通告を通して実力や成果の重要性を、身をもって知ったから。そう考えています。

サッカーを頑張る後輩たちへ、ぜひアドバイスをいただきたいです。

やっぱり僕の反省点は考える時間を作れていなかったことです。自己分析や情報収集をする時間も。アスリートとしてサッカーや身の回りのことをもっと考えることができていれば、サッカー選手として活躍できていたのかもしれません。

今の時代は考えたことを発信できる機会も多いですよね。僕たちの時代はSNSなんて無かったですけれど、最近はツールもたくさんありますし、自分の思考や価値を多くの人に向かって届けられます。

プロアスリートはやっぱり注目されていますし、自分がやっている競技のことをしっかり考える。高いプライドを持ち過ぎずに発信する。自分の価値観に共感してくれる人、応援してくれる人を増やす。それがセカンドキャリアにおいても助けてくれる人を増やす、そういう未来に繋がるのではと思います。

嵜本さんご自身の未来の展望はありますか?

直近の目標としては業界でまずナンバーワンになること。それは最低限の目標ですね。ラグジュアリーブランドを扱う会社としては今、弊社は業界で2位。社員の満足度を上げながら、でも受け身にはならず、どんどん挑戦していきたいと考えています。

培ってきたノウハウを武器に、リユースのマーケットが今後拡大するアジアなどの国外にも進出したいですね。市場の変化に対応できるような新しい事業を生み出して、海外にも自分たちの存在感を示していきたいなと。誰が聞いても知っている、世の中に強いインパクトを与えられるような会社に育てていきます。

あと、僕個人としては子供が生まれて父親でもあるので、パパとしても頑張りつつ(笑)5年、10年、その先もずっと右肩上がりで成長し続けている会社を経営している。そんな親父の姿を息子に見せることもひとつのモチベーションです。

父親と経営者、その二つのバランスを取ることはそう簡単じゃないことは理解しています。でも、どちらもベストな状態にしたいので、自分自身が成長し続けないといけない。父親としてどうあるべきか、ビジネスマンとして経営者としてどうあるべきか、常に自問自答しながらこれからも進んでいきます。

取材後記

「生きている限り、誰もが日々努力をして
自分の手で未来を作っていかないと」

嵜本さんはそう言います。

サッカーを通して、価値や成果の意味を学びました。
だから、今も危機感を持って「努力」を怠らない。
もっとやらないと、そう前を向いて邁進します。

戦力外通告という過去を
自らの「個性」として目を背けず、愛している。

ああそうか、この言葉を誰よりも体現しているのは
嵜本さん自身なのだ、と。だから、SOUも成長する。

「好きに、しあがれ。」

 

株式会社SOU
https://www.ai-sou.co.jp/

ブランド買取「なんぼや」
https://nanboya.com/

Tシャツ提供 ニューモード株式会社
https://newmode0209.fashionstore.jp/

取材/アスリートエージェント 大芦恭道
取材・文/榧野文香

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