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佐藤 吏 / Tsukasa Sato   元レスリング選手|現在:一般社団法人 代表理事/早稲田大レスリング部コーチ

日本一14冠 元レスリング選手 佐藤吏が伝える「勝利」の価値

現役中の日本一のタイトルは、通算14冠。
元レスリング選手の佐藤吏(さとう つかさ)さん。

「日本一になれば、人生がらりと変わると思っていたんです。
 でも、人生なんてそう簡単には変わらなかった。」

そして佐藤さんは、決意しました。
自分の名前で社会に必要とされるようなことをしよう。

現役中に幾度となくタックルをした彼は今、
その勢いを落とすことなく
アスリートのキャリアづくりに突き進んでいます。

Profile

 

佐藤 吏(さとう つかさ) 1984年6月生まれ

4歳からレスリングを始め、天皇杯全日本選手権など現役中の日本一のタイトルは通算14回達成。レスリングの名門、秋田商業、早稲田大学出身。現在は一般社団法人日本アスリートコンサルティング協会 代表理事としてアスリートが活躍できる社会創りを行いながら、早稲田大学レスリング部コーチとして日本一のチーム作りにも貢献している。

  アスリートである自身を活かし、アスリートの強みを生かす社会づくりを

―― 佐藤さん、アルソックのご出身ですよね。吉田沙保里さんも在籍されたレスリングの名門ですね。

早稲田大学を卒業してアルソックに入りました。およそ4年間お世話になりましたが、戦力外通告を受け、退職することになりました。現役中から選手と並行して起業もしたいと考えていたんですがこの時、必ず起業すると決めました。

―― 現役時は競技に集中する選手もいる中、どのような想いだったんですか?

自分自身の人生なんだから、引退の時期やセカンドキャリアはスポンサー任せにするんじゃなく自分で決めたいと。そうしたら、早稲田のOBで読売千葉広告社の社長に「オリンピックを目指しながら経営もするなんて、生半可な気持ちじゃできない。どちらも失敗する。まずはうちの会社に入って学んだらどうだ。」とアドバイスをいただいて。

午前は会社、午後は練習と実業団並みの条件で面倒を見て頂きました。入社して3年、ほぼ毎日、社会人経験のない僕に「仕事とは何か?」など多くのことを教えてもらいましたね。いろいろ面倒を見ていただきました。本当に命の恩人です。その後、独立に踏み切ったんです。

―― 独立されていかがでしたか?

最初はもう、何をどうやればいいか分からず……手探りでした。当時、パーソナルトレーニングブームの全盛期だったので、ウェイトコントロールならレスリングの知識も活かせるなと始めてみたら、思いのほかお客さまが増えて。それで立ち上げたのが一般社団法人日本アスリートコンサルティング協会です。

『アスリートがアスリートであるために』というミッションを掲げ、アスリートのキャリアを生かせる社会の創出、アスリートの強みを生かした社会貢献、セカンドキャリアの解決に取り組んでいます。

たとえば、トレーニングやコンディショニングなど、独自の強みを持ったアスリート・講師の派遣から始めました。
プロの皆さんが持っている高いスキルを世の中に発信するために、マーケティングプランや企画をつくり、企業と繋げたりしています。今はトレーニングに限らず、様々な分野の一流の方々とプランニングする形に拡大しています。

三越伊勢丹さんの『完全オーダーメイド講座』からもオファーをいただき、ヨガインストラクター、ダンサー、鍼灸師、美容師、ジュエリー作家、フラワーアーティスト、ネイリスト、カウンセラー、お菓子作家などさまざまな分野から一流の講師を派遣していますね。

僕はレスリングである程度しっかりやってきたという自負があったので、他分野でも一定のレベルまで突き詰めたひとと仕事をしてみたいと考えていたんです。アスリート時代に築いたネットワークを使いながら、それを実現できるようにずっと動いてきました。

  夢描いた日本一を獲得し、待っていた現実と学び

―― レスリング選手の引退は一般的にいつ頃なんでしょう。佐藤さんのように起業される方も多いのでしょうか。

全体の7、8割は大学生で引退しますね。そこで残ったひともほとんどが25歳頃には辞めてしまいます。4年のオリンピックスパンで考えるので。

引退後はひとそれぞれで、完全にキャリアチェンジする、スポンサー企業に残ってそのままサラリーマンとして勤め続ける、コーチになる、などですね。
起業はめずらしいかなと思います。まわりでパッとすぐ思い浮かぶ人はいないですし、レスリング界の中では少ないかと。

―― 佐藤さんはサラリーマンになることはまったく考えていなかったんですか?

僕は考えていなかったです。アスリートのセカンドキャリアに関することをやりたいけれど、それって一般企業では難しいかなと思っていたので。起業だぞ、と。ただ、義親の事業を 2年ほど手伝い、とんかつの「かつや」の立ち上げを一店舗任せてもらっていました。

右も左も分からない状態からマネジメントからオペレーションまでやって……。ものすごく難しかったですね(笑)。読売千葉広告でお世話になっている時は早稲田のコーチとして練習の半分を私が担当していました。そこで、団体日本一や学生王者も育てていたので、チームマネジメントは出来ると思っていましたが、それが間違いでした。

スタッフには時給以上のモチベーションで仕事をして欲しいけれど、スタッフ側は時給をもらってどれだけラクできるか、ですから(笑)。
でもそこでの経験が、ひとの動かし方の学びになりました。

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