2018.12.03

準備を通して、自分の中でストーリーを作る重要性 アメフト・富士通フロンティアーズ 高木翼

Profile

高木 翼(たかぎ つばさ)

富士通フロンティアーズ クォーターバック

あらゆる努力が必要なアメフトというスポーツの魅力

―― アメフトを始めたきっかけは何でしたか?

学生時代にアメフトをやっていた父親に連れられて、小学生時代に参加したフラッグフットボールの練習が最初です。

小、中学時代はサッカーに打ち込んでいたのですが、父親の仕事の関係で中学1年の1年間をアメリカで過ごし、その時に生で観戦したNFLに魅了されました。

毎週テレビで観戦をし、スタジアムにも数回足を運びましたね。

帰国後は再度サッカーに戻りましたが、高校から本格的にアメフト一本に絞りました。

―― 高木選手が考えるアメフトというスポーツの魅力とは?

まず、究極のチームスポーツです。

学生だと100人前後、社会人でも60人が選手としてプレーできる。

それに加えて、コーチ、スタッフ、ファンが一丸となって勝利に向けて努力できるところが魅力です。

あらゆる努力(フィジカル、メンタル、技術、戦術、頭脳)が必要なスポーツです。

また、様々な特徴(足が速い、キックが上手い、投げるのが上手い、体が大きい、頭が良い)を持った選手が「チームの勝利」に向けて活躍できるフィールドがあるところも魅力ですね。

1プレーで結果を変えることも可能です。

―― 所属チームの特長を教えてください。

仕事とアメフトとどちらも高いレベルでの両立が図れます。

チームのフィロソフィーとして「アマチュアリズムで仕事もフットボールも日本一に」と掲げています。

両方を頑張ることを許してくれる風土が会社に根付いていますね。

地域活動にも積極的で、年に数回、地域の小中学校を訪問してアメフト教室を開いています。

参加してくれる小中学生からは好評であり、選手個人としてもアメフト普及や地域貢献活動などという観点から、いい経験が出来ていると思います。

ファンの数が多いことも特長だと思います。

毎試合と言っていいほど、自分たちのスタンドを赤一色で埋めてくれ、選手の力になっています。

これからも地域ファンを増やすことがアメフトを広めていく第一歩だと思っています。

 
仕事もアメフトも「準備」をして挑むことが重要

―― では、現在のお仕事内容、会社での役割を聞かせてください。

富士通の営業部門ビジネスマネジメント本部にて、「営業とマーケティング」を人事的な側面からフォローさせて頂く役割を担っています。

新入社員の配属やマーケティング部隊の人事事項全般を担当しています。

従業員、新入社員はもちろん、本部長といった幹部社員も含めて、相談に乗り、職場の課題解決に向けて業務に励んでいます。

―― アメフト経験が仕事に活きていることはありますか?

準備して挑むことです。

アメフトは対戦相手のスカウティング(事前の分析)をして自分たちのプレーを完成させていきます。

その中で想定外のことは起きるので、それをコーチ選手スタッフが総出で解決します。

仕事においても同じで、会議の進め方、プロジェクトの進め方、施策を実行する上での承認ルートなど、準備を通して、自分の中でストーリーを作る重要性は通じる点があると感じています。

―― ご自身にとってアメフトとはどういう存在でしょう。

大きな目標の達成に向けて、努力しようと心底思えること。

学生時代から多くのものを犠牲にしてまで、打ち込んできたもの。

可能な限りそれは今後も続けていきたいですし、自分の中で大事にしたいことです。

 
甘くない世界だからこそ「頭脳面」において引き出しを作る

―― アメフトや仕事において大切にしている考え方・行動とは?

アメフトでは、外国人QBに勝つために、フィジカル・技術・メンタル・頭脳などあらゆる面での努力が必要になります。

大きな目標を達成するためにはこういった様々な努力を継続して長期的に積み重ねないといけません。

短期的にすぐに結果がでるような甘い世界ではないと思っています。

長・中・短期的に自分に何が足りないのか?いま、どういう努力をすることが結果に結びつくのか?こういった考えを整理して復習するためにノートを定期的にとり、読み返しています。

QBに大事な「頭脳面」において引き出しを作るという意味でも気づきを記しているんです。

仕事では、人と人、物事と物事、人と物事といった「情報」を結びつけること。

1つの本部を担当していますが、その本部の中でも様々なことが起きます。

あらゆる情報(時には「そんなこと?」と思えることも)を掴んでおくことで、課題の解決に繋がることが往々にしてありますね。

また、情報は自分の目で見て、耳で聞くことが大事。

現場に足を運ぶことで多くのリアルな情報をキャッチしています。それを蓄積しておき、いざというときに結びつける。

やりがいを感じる瞬間です。

それから、時間の使い方も。

効率的な働き方、生産性が全国的に求められているので。

アメフトと仕事を両立していますが、1日は24時間と限られているので、時間の使い方が重要になります。

業務都合にもよりますが、平日の業務後にも可能な限りトレーニングに充てられるように工夫しています。

―― 最後に、今後の目標を聞かせてください。

アメフトにおいては、外国人QBが主流となっているXリーグにて日本人QBでも通用する=日本一になれることを証明すること。

その延長線上に日本代表があると思っているので、その舞台で活躍することを最終的な目標として設けています。

仕事においては、今は目の前の業務、与えられたミッションから学びを増やす期間。

HRBP=ビジネスパートナーHR、つまりビジネスを一緒に考えられる人事になることが目標です。

人事というと「内勤でPCに向かって作業をする」イメージが強いと思います。

しかし前述の通り、どんどん現場に足を運んだり、情報をキャッチしたり、好奇心を色んなところで持つことで、自分の引き出しや武器を増やして成長していきたいですね。


高木 翼Tsubasa Takagi

現役アメフト選手
現在:富士通フロンティアーズ

富士通フロンティアーズ(Xリーグ公式サイト)
http://www.xleague.com/profile/fujitsu.php

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