2024.11.23

メンタルトレーナーに向いている人の特徴は?スキルや適性を解説

「極度の緊張やプレッシャーの中で最大限の力を発揮する」ということは、簡単なことではありません。

そんなクライアントの精神力を向上させ、最高のパフォーマンスを残せるようサポートするのが、メンタルトレーナーの仕事です。

本記事では、どのような人物がメンタルトレーナーに向いているのか、その特徴に迫ってみましょう。

メンタルトレーナーとは?

メンタルトレーナーは、個人やグループなどのクライアントに対し、心理的な健康とパフォーマンスを向上させるためのサポートをする専門家です。

ストレス、不安、自己肯定感の向上など、心の側面に焦点を当て心理的な課題に対処していきます。現代はストレス社会と呼ばれるほど、今を生きる人たちはストレスにさらされています。

そのため一人ひとりのメンタル管理が重要視されているのです。この精神的なサポートがあれば、多くの人たちの問題解決や目標達成の手助けとなるでしょう。

メンタルトレーナーの成り立ち

メンタルトレーニングは、1950年代に宇宙飛行士の自己コントロール法として始まり、1957年にローマオリンピックにおいて旧ソビエトのスポーツ分野に導入されました。

日本においても、2000年のシドニーオリンピックの時期にスポーツ界の12団体がメンタルトレーニングを導入し大きな成果をあげ、「メンタルトレーニング」が大きく普及することとなりました。

今ではスポーツ選手のほか、一般の人々やビジネスプロフェッショナル、学生にもメンタルトレーニングが広まっています。

参考:メンタルトレーニングとは 〜日本メンタルトレーナー協会の紹介〜

スポーツメンタルトレーナーとは

「メンタルトレーナー」の活躍の場として真っ先にあげられるのは、スポーツ選手の精神面でのサポートを行う「スポーツメンタルトレーナー」です。

スポーツメンタルトレーナーは、アスリートやスポーツチームに対して、心理的な側面でのパフォーマンス向上をサポートする専門家になります。

アスリートのメンタルタフネス、集中力、自己信頼、ストレス管理などを向上させるためのトレーニングやアプローチを提供します。

例えば、競技中のプレッシャーやストレスに対処する方法、自己モチベーションを高める技術、試合前の準備など、メンタル面でのスポーツパフォーマンスを最適化するための戦略を提供し、アスリートが最高の精神状態で競技に臨むことをサポートする重要な役割です。

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メンタルトレーナーと心理カウンセラーとの違い

メンタルトレーナーと心理カウンセラーは、両者とも「心の健康」をサポートする専門家ですが、いくつか違いがあります。

メンタルトレーナーは、個人やグループのパフォーマンス向上と自己成長をサポートすることに焦点を当て、ストレス管理や自己信頼を強化することが目的です。

心理カウンセラーは、クライアントの心理的な問題や課題に対処することに重点を置きます。

うつ病、不安障害、トラウマなどの心の健康の問題を支援し、感情の処理や心理的な回復をサポートすることが目的です。

また、アプローチの仕方にも違いがあります。

メンタルトレーナーは、コーチング、カウンセリング、コンサルティングなどの手法を使用しますが、心理カウンセラーは、カウンセリングを通じてクライアントと深く対話し、問題の解決や心の癒しを大切にします。

メンタルトレーナーに向いている性格・適性

メンタルトレーナーには、どんな人が向いているのでしょうか。 

メンタルトレーナーはクライアント一人ひとりの心に寄り添い、その人が持っている力を最大限に発揮できるようにサポートする仕事です。

心理学の知識や経験などのスキルがもちろん必要になりますが、スキルの他にもメンタルトレーナーの仕事に向いている人の特徴や適性についてご紹介します。

サポートが好き

メンタルトレーナーはクライアントを心理面で支えながら、目標達成やパフォーマンスの向上に導く仕事です。

主役はあくまでもクライアントであり、メンタルトレーナーはクライアントを陰でサポートする存在と言えるでしょう。

そのため、自分は目立たなくても自分のサポートで誰かが輝くことにやりがいを感じられる人や人の成功に喜びを感じる事ができる人、人と一緒に目標に向かって取り組む事ができる人に向いている職業と言えます。

人の悩みに寄り添える

メンタルトレーニングではクライアントの悩みや問題、目標や将来の展望などを理解した上でメンタル面のサポートを行います。

そこで大切になるのはクライアントの気持ちに寄り添い、理解する姿勢やクライアントを助けたいという気持ちです。

「他人には興味がない」「自分さえよければいい」という自己中心的な考え方をしてしまう人では、クライアントと一緒に目標に向かって取り組むことは難しいと言えます。

人の悩みに寄り添える人、自分よりも相手を尊重でき、思いやりを持って行動できる人の方がメンタルトレーナーには適しているでしょう。

聞き上手

メンタルトレーナーは、聞き上手な人が向いています。

聞き上手な能力は、クライアントの話を注意深く聴くことや、感情や思考を理解することに繋がります。

クライアントが自分の気持ちや悩みを話す際、トレーナーは共感し適切な質問を投げかけていくようなスキルが求められます。

聞き上手なトレーナーは、クライアントが安心して感情を表現することができるでしょう。これは、解決策を見つける過程をサポートする能力を持っていると言えます。

根気強い

メンタルトレーニングのプロセスは、クライアントが自己成長や課題の克服を達成するために時間がかかることがあります。

トレーナーはクライアントのペースに合わせて進行し、長期的な成果をサポートするために「根気強さ」が必要です。

「他人のペースに合わせられない人」「物事に飽きっぽい人」は、難しいでしょう。

メンタルトレーナーは、繰り返しの対話やアプローチを通じて、クライアントがポジティブな変化を実感するまでサポートし続けることが求められます。

メンタルトレーナーに向いていない性格・適性

一方で、メンタルトレーナーに向いていない人の性格・適性も紹介いたします。

コミュニケーション能力が低い

コミュニケーション能力が低い人は、一般的にメンタルトレーナーに向いていない可能性があります。

メンタルトレーナーはクライアントとの対話や共感を通じて、感情や課題に向き合い、適切なサポートをする役割を果たします。

コミュニケーション能力が低い場合、クライアントとの効果的なコミュニケーションや信頼関係を構築することが難しくなる可能性があるでしょう。

したがって、メンタルトレーナーとしての適性を高めるためには、優れたコミュニケーションスキルが求められます。

洞察力がない

繰り返しお伝えしますが、メンタルトレーナーはクライアントの感情や思考を理解し、適切なアドバイスやサポートする役割を果たします。

クライアントが言い出しにくいことや目に見えない部分まで推測し、問題となる本質や発言の裏にある意図を見抜く力は、問題解決や目標達成に向けて重要な糸口となります。

洞察力が不足している場合、クライアントのニーズや課題を適切に理解することが難しくなる可能性があるでしょう。

洞察力を通じて、クライアントの悩みやニーズに対する深い理解を得ることが、メンタルトレーナーとしての効果的なサポートをするために大切になります。

口が軽い

メンタルトレーナーにとって大事な資質は、秘密を守れることです。特に、メンタルトレーナーの仕事ではクライアントとの信頼関係が重要になります。

メンタルトレーニングを進める上で、クライアントの悩みや課題、個人情報や秘密にしたい事を聞く機会もあるはずです。

もし、口が軽い人が情報を不適切に赤の他人に共有すると、クライアントのプライバシーや信頼を損ねる可能性があります。

メンタルトレーナーはクライアントの情報を慎重に取り扱い、プライバシーを尊重することが何より重要です。

したがって、情報を適切に管理できることが、メンタルトレーナーとしての適性を示す要因の一つになるでしょう。

メンタルトレーナーに必要なスキル・能力

優れたメンタルトレーナーになるために必要なスキルは何でしょうか。

適切なスキルと能力を持つことにより、メンタルトレーナーはクライアントのメンタルヘルスと成長を効果的にサポートすることができるはずです。

心理学の知識

心理学の知識はメンタルトレーナーにとって重要なスキルの一つです。心理学の知識は、人間の思考や感情、行動、心のプロセスに関する理解を含みます。

クライアント一人ひとりの異なる心理的な側面や状態を理解し、適切なアプローチを提供するために役立つでしょう。

専門分野の知識や経験

専門分野の知識や経験はメンタルトレーナーにとって非常に重要です。

クライアントからの信頼を得るためにはもちろんのこと、専門分野の知識に基づいて、クライアントに合ったカスタマイズされたアプローチを提供することができます。

例えば、スポーツメンタルトレーニングの場合、スポーツの特性やアスリートのニーズに合わせたアプローチが必要です。

専門的な知識と経験を持つことにより、クライアントのニーズに合った効果的なサポートをすることが可能となるでしょう。

カウンセリング力

カウンセリング力は、「共感」「問題解決」「信頼関係の構築」「効果的なフィードバック」など、クライアントとの対話を通じて感情や課題を理解し、適切なサポートをする能力を指します。

クライアントの感情や状況に共感し、寄り添いながらも、クライアントのメンタルヘルスと成長を適切にサポートするカウンセリング力はメンタルトレーナーにとって重要なスキルの一つです。

コーチング力

コーチング力は、クライアントの目標達成や自己成長を高めるための技術やアプローチを指します。

コーチング力を持つことで、クライアントと共に具体的な目標を設定し、そのための計画を立てる能力が向上します。

また、具体的な目標を立てられるような適切なアドバイス力も重要です。

メンタルトレーナーの仕事内容

メンタルトレーナーがクライアントに対して、どのような仕事を行っているのか見ていきましょう。

ヒアリング〜メンタルトレーニング

一般的にヒアリングから始まり、その後メンタルトレーニングまでのプロセスがあります。

クライアントのニーズや目標を理解し、現在の状況や課題、問題点について割り出します。クライアントのバックグラウンドや目標設定を把握することがとても重要です。

シミュレーションとパフォーマンスアップ

特にスポーツメンタルトレーニングの場合、アスリートのパフォーマンス向上をサポートするためにシミュレーションやメンタルトレーニングが行われることが一般的です。

シミュレーションは、アスリートが実際の競技や状況をイメージしてトレーニングするプロセスを指します。

アスリートはイメージトレーニングを通じて、競技の流れや成功体験を再現し、自信や集中力を高めることができます。

パフォーマンスアップは、アスリートのスキルや能力を最大限に引き出し、競技中の成果を向上させることを目指すものです。

これにより、実際のパフォーマンスにポジティブな影響を与えることが期待されるでしょう。

振り返りとメンタルの調整

振り返りとは、クライアントとのセッションごとや一定の期間ごとに過去の進捗や体験を振り返るプロセスを指します。

クライアントと共に、目標の達成度やポジティブな変化、課題や障害についての振り返りを行い、次のステップやアクションを計画します。

メンタルの調整は、クライアントのメンタル状態を最適な状態に調整するプロセスです。

「不安に思っていることはないか」「ストレスに感じていることはないか」などネガティブな感情を取り除き、クライアントがリラックスし、集中力を高め、自信を持って行動できるようにサポートします。

メンタルトレーナーになるには

実際にメンタルトレーナーになるためには、何を学ぶ必要があるのでしょうか。

下記で紹介しているものは必須ではありませんが、メンタルトレーニングの分野は幅広く、様々なバックグラウンドを持つ人たちが関与しています。

自身の興味や強みに合った学習と経験を積み重ねることが、メンタルトレーナーとしてのキャリアを築く上での一歩となるでしょう。

大学で心理学やスポーツ科学を専攻する

メンタルトレーナーになるために、大学で心理学やスポーツ科学を専攻することは一つの選択肢です。

現在、メンタルトレーナーとして活躍している人の多くは、大学や大学院で心理学を専攻していた人です。

また、スポーツメンタルトレーニングを考えている場合、スポーツ科学の専攻は競技者やチームのメンタル面をサポートするための知識を得るのに役立ちます。

「メンタルトレーニング検定対策講座」や「養成講座」を受ける

「メンタルトレーニング検定対策講座」や「養成講座」は、メンタルトレーナーとしての資格を取得するための検定を提供していたり、専門的な知識とコーチングスキルやカウンセリングスキルといったスキルを身につける手段として選ばれることがあります。

これからメンタルトレーナーを目指す人にとって、民間の資格スクールで講座を受けることは、メンタルトレーニングの具体的なイメージを掴むことができるはずです。

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メンタルトレーナーの将来性

続いて、メンタルトレーナーの将来の展望についてみていきましょう。

現状

現代社会においてインターネットは多くの利点をもたらしましたが、同時に心の問題を抱える人が増えているという認識があります。

例えば、オンラインコミュニケーションが増える一方で、対面でのコミュニケーション機会が減少することもあり、孤立感や社会的不安を感じる人もいるでしょう。

だからこそ、メンタルヘルスケアやメンタルトレーニングの重要性が高まっているのです。

需要

特にスポーツメンタルトレーニングの需要が高まっており、アスリートやチームがパフォーマンス向上やストレス管理のためにメンタルトレーニングを活用しています。

一方で、ビジネス分野でもメンタルトレーニングの需要が増加しています。

ストレスの軽減、自己管理、コミュニケーションスキルの向上など、ビジネスプロフェッショナルがメンタルトレーナーの支援を求めるケースが増えているのです。

また、オンラインプラットフォームやアプリを活用したリモートでのメンタルトレーニングが広まっており、クライアントとのやりとりをオンラインで行うメンタルトレーナーも増えています。

将来性

メンタルトレーナーの将来性は非常に高いと言えるでしょう。

メンタルヘルスの重要性が広く認識され、ストレス、不安、うつ病などの心理的な課題への対処が求められています。

メンタルトレーナーは、個人や組織がメンタルヘルスを向上させるために必要なサポートができる専門家として需要が高まっているのです。

今後の活躍の場

メンタルトレーナーは、今後さまざまな活動の場で重要な役割を果たすことが予想されています。

<メンタルトレーナーの活躍の場>

  • スポーツ業界
  • ビジネス分野
  • 教育領域
  • 個人コーチング
  • リモートでのメンタルトレーニング

個人のメンタルヘルスの向上や、パフォーマンス向上をサポートする重要な役割を果たす専門家としての活躍の場が今後も拡大すると考えられます。

まとめ

メンタルトレーナーになるためには、適性と専門的なスキルを磨くことが重要です。

自己成長とクライアントのサポートに情熱を持ち、コミュニケーション力を発揮することで、人々のメンタルヘルスとパフォーマンスを向上させる専門家としてのキャリアを築くことができます。

メンタルトレーナーの仕事だけで食べていけるようになるのはなかなか難しいことかもしれません。

しかし、心理学の知識やスキルが自身の今後の成功やキャリアアップの可能性を高め、将来の職場で活かされるはずです。

まずは、自分自身が成功のイメージをもって、前向きに取り組んでみましょう。

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