2024.11.21

プロスポーツリーグの売上規模!日本のプロスポーツの将来性は?

多くのファンを生み出している日本のプロスポーツ。娯楽として楽しんでいる方も多いのではないでしょうか。

ここでは、日本のプロスポーツリーグの売上規模やビジネスの仕組み、将来性について解説していきます。

プロスポーツリーグとは

プロスポーツリーグとは、プロのスポーツ選手(アスリート)たちで構成される組織のこと。

チームやクラブに所属するプロ選手たちは競技の結果に応じて報酬を受け取るのが一般的です。

日本には野球やサッカー、バスケットボールなどをはじめとする様々なプロスポーツリーグが存在します。

競技ごとに大会が設けられ、観客やメディアの注目を集め、大きな収益を得ています。

プロスポーツリーグはファンにとってはエンターテイメントであり、自治体や国の文化とも密接に結びついています。

また、海外にも数多くのプロスポーツリーグが存在します。

知名度が高いものだと、英国プレミアリーグ(サッカー)や、NBA(バスケットボール)、MLB(野球)などが挙げられます。

これらのプロスポーツリーグは国際的にも大きな影響力を持ち、世界中のファンから注目されています。

日本のプロスポーツリーグと売上規模

NPB(野球)

NPB(日本野球機構)は日本のプロ野球リーグです。

読売ジャイアンツや中日ドラゴンズ、阪神タイガースなどの球団が所属し、数多くの優秀な選手を輩出しています。

NPBの正味財産増減計算書によると、2022年度(2021年10月~2022年9月)の経常収益は約66億円
2021年度の53.8億円と比較して右肩上がりです。

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参考:一般社団法人日本野球機構

Jリーグ(サッカー)

Jリーグ(日本プロサッカーリーグ)は日本のプロサッカーリーグです。

国内においてプロサッカーチームのリーグ戦を行い、日本におけるサッカーの発展に影響を与えてきました。

Jリーグが2023年7月に発表したクラブ経営情報によると、2022年度の売上は58クラブ合計で1,375億円となり、内44クラブが前期と比較して増収だったようです。

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参考:公益社団法人日本プロサッカーリーグ

Bリーグ(バスケットボール)

Bリーグは日本のプロバスケットボールリーグのこと。

アルバルク東京、千葉ジェッツなど日本国内のプロバスケットボールクラブが参加しています。

Bリーグは日本国内のトップのバスケットボールリーグとして位置付けられ、B1、B2、B3の3つのリーグで構成されています。

Bリーグの2022〜2023シーズンのクラブ決算概要発表によると、B1とB2の38クラブを合計した営業収入(売上高)は約415億円

前期の300億円から38.3%も増加し、Bリーグ創設以来初となる400億円突破となりました。

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参考:公益社団法人ジャパンプロフェッショナルバスケットボールリーグ

Tリーグ(卓球)

Tリーグは日本国内初となるプロの卓球リーグであり正式名称は「T.LEAGUE」といいます。

国内外の卓球のプロ選手たちが集まり、卓球界の新たな展望として期待されています。

公益社団法人日本卓球協会が発表したデータによると、2022年度の事業活動収入は約12億円でした。

参考:公益社団法人日本卓球協会

NTTジャパンラグビーリーグワン

ジャパンラグビーリーグワンは、2022年に開幕した日本のラグビーユニオンの社会人チーム協議会。
正式名称は「NTTジャパンラグビーリーグワン」で、スポンサー名を冠しています。

同リーグは2003年から2021年まで続いた日本のラグビーのプロリーグ 「ジャパンラグビートップリーグ」に代わる形で発足し、初年度(2021年度)の収益は33億円とトップリーグ自体の5〜6倍に増えました。

参考:日本経済新聞

スポーツリーグの収益源は?

スポーツリーグの収益源は多岐に渡ります。代表的ないくつかを紹介します。

広告収入(スポンサーシップ)

プロスポーツリーグでは、企業やブランドから広告料を受け取ります。広告料はプロスポーツにおいて重要な収益源です。

テレビでプロスポーツの試合を見ていると、選手のユニフォームに企業のロゴがプリントされているのを見たことがあるでしょう。

また、サッカーの競技場のいたるところで複数の企業のロゴが目に入ると思います。

一般的には、スポンサーシップ契約を結んだ企業やブランドは、ユニフォームやスタジアム等にロゴを入れることができるのです。

また、スポンサー企業がスタジアムの命名権を得ることもあります。企業はこういった形でファンや視聴者に向けて存在をアピールすることができます。

入場料

試合や大会の入場料、つまり入場者が支払うチケット代金も重要な収益源の1つです。

入場料収益は入場者数で決まるため、試合会場を満員にすることがプロスポーツリーグの目標となります。

また、座席の種類によっても価格が異なり、安い席で2000円、高い席で10,000円と金額幅があるのが一般的です。

近年は、ダイナミックプライシングという需要に合わせて価格を変動させる仕組みがスポーツビジネスの世界でも取り入れられるようになってきました。

スポーツチケットの需要は試合ごとに変動します。リーグが進むにつれて、重要な試合ほど観戦したいと思う人が増えるでしょう。

雨天の日はチケットを半額にするなど需要に見合う価格を設定することで入場者数を増やすことが可能になります。

各プロスポーツリーグでは、入場料での収益を上げるためにチケットの売り方も工夫しているのです。

物販

関連グッズを販売して得る物販収入もあります。

試合会場には物販スペースが設けられ、ファンは応援しているチームのTシャツやユニフォーム、帽子、タオルなどを購入することができます。

スタジアム限定のアイテムや季節限定グッズ、コラボグッズなどは特に人気があり、早々に売り切れてしまうこともあります。

物販を成功させることは、チームのブランド力を向上させることにも繋がります。

放映権

試合をテレビで放送したりインターネットで配信する際は、リーグから放映権を購入する必要があります。

放映権契約による収入も、プロスポーツリーグにとって大切な収入源です。

2016年、スポーツのライブストリーミングサービス「DAZN(ダ・ゾーン)」がJリーグと放映権契約を結んだことが話題になりました。

このとき同社は、10年間2,100億円でJリーグのサッカーを放送する権利を購入しています。

ファンにとっても応援しているチームの試合をリアルタイムで見られることは大きな楽しみとなります。

近年はインターネットの配信サービスも多様化したことで、プロスポーツの試合を以前より簡単に楽しめるようになっています。

移籍金

選手が別のチームに移籍する際には、選手の移籍権を得るために支払われる移籍金が発生します。

移籍金は選手の能力や市場価値によって決まり、一般的には双方のチームと選手の交渉によって金額が決定する仕組みです。

有名な選手であれば数十億円の金額になることも珍しくありません。そのため、選手の移籍はスポーツビジネスにおいて大きな取引と言えるでしょう。

アカデミー収入

アカデミー収入を得ているプロリーグもあります。

アカデミーとは若手選手やトレーナー、指導者のための教育プログラムのことを意味します。

たとえば、プロサッカーチームが若手選手の育成を目的としたアカデミーを設立することは珍しくありません。

チームは将来的に有望な人材を早期から確保できるメリットに加え、アカデミー収入を得ることができます。

スポーツ業界は今後どうなる?市場拡大の可能性は?

日本のスポーツ業界は変革の時期を迎えています。

2021年に開催された東京オリンピック・パラリンピックは日本のスポーツビジネス界に大きな影響を与え、地域経済の活性化やスポーツツーリズムなどが促進されました。

また、近年はデジタルテクノロジーを活用したスポーツ観戦が可能になり、新たなサービスやツールが生まれ、日本のスポーツビジネスの幅が広がっています。

従来はプロスポーツは試合会場に足を運んでその場で観るもの、もしくはテレビ中継で観るものでした。

しかし現在はオンラインでのライブストリーミング観戦やスポーツアプリを活用した観戦が普及し、スマホやパソコンがあれば「いつでも」「どこでも」プロスポーツの観戦を楽しむことができるようになっています。

こういった流れにより、プロスポーツ界における広告やスポンサーシップの価値が向上し、今後もさらに市場規模が拡大していくと期待されます

そして、今後の発展が期待されている「eスポーツ」も着目すべき要素のひとつです。日本でも徐々にファンを増やし、一般社団法人日本eスポーツ連合が発足。

2021年の売上規模が78.4億円に達し、2025年には約180億円まで成長すると見込まれています。これは、野球やサッカーといった歴史あるスポーツリーグの売上規模に劣らない数字です。

スポーツ庁によると、現在のスポーツ市場規模は5.5兆円であり、2025年までに15兆円までに拡大することを目標としています。

日本は今後もスポーツ市場を拡大し、それによって生まれた利益をスポーツ環境の改善に還元していくとのこと。

そのために、スポーツ界と他業界が協力し、新事業を継続的に生み出すことを目的としたスポーツオープンイノベーション推進事業や、地域活性化に繋がるスタジアム・アリーナ改革推進事業に取り組んでいます。

参考:一般社団法人日本eスポーツ連合スポーツ庁

プロスポーツチームに就職するときに知っておきたいこと

最後に、プロスポーツチームに就職する際に知っておきたいことや、就活のポイントなどを解説します。

選手、またはスタッフとしてプロスポーツチームへの入職を志望している人はぜひ参考にしてください。

仕事内容

プロスポーツチームに所属する選手になる場合は、実業団のある企業からスカウトを受けるか試験を受けてチームに入るかといった道が一般的です。

プロの選手になるためには、学生時代に有名な大会で実績を残すことも大切です。

選手の役割は練習に励み、試合で実績を残すこと。時には取材に応じたりプロモーションやイベントに協力することもあります。

プロスポーツチームのスタッフとして働きたい場合も、実業団のある企業の採用試験を受けるのが一般的です。

プロスポーツチームスタッフの仕事内容はスポンサー企業に向けたアプローチ、プロモーションの企画、取材対応、SNS運営、スタジアムの運営や試合のサポートなど多岐に渡ります。

自分の専門性を活かし、チームにどのように貢献したいかを考えてみることをおすすめします。

年収

プロスポーツチームに就職した場合の年収は、チームごとに金額幅があるため平均値をお伝えできません。

チームの規模や地域によっても差があると考えたほうがよいでしょう。

また、アルバイトスタッフと正社員でも収入差はあります。

安定収入を希望する場合は、正社員になったほうがよいですが、最初はアルバイトスタッフから始めて経験を積んでから正社員に登用されるケースもゼロではありません。

適性

プロスポーツチームの運営に携わるため、そのスポーツが好きであることは必須です。しかし、「好き」という気持ちだけでなく、専門知識やスキルも必要です。

プロスポーツチームには、選手以外にもコーチやドクター、トレーナー、栄養士、マネージャー、アナリストなど様々な職種の人が在籍しています。

自分とは異なる立場の専門職者から学び、お互いに尊重する姿勢がなければチーム力を高めることはできません。

コミュニケーションスキルを持っていると、チームで仕事をする上で役に立ちます。

そして、競技を行う選手以外のスタッフも体力も必要です。遠征に同行したり何日もハードな練習が続く中で選手をサポートすることは珍しくありません。

体が資本の世界なので、適切な健康管理と体力づくりができる人のほうが成功する世界といえます。

就活のコツ

プロスポーツチームへの就職は狭き門。しっかりと対策をして採用試験に臨む必要があります。

まずは自己分析を行い、自分自身が学生時代に培った経験とスキルを言語化することから始めましょう。

自分の強みを把握したら、それをチームの中でどのように活かしていきたいか考えます。

「バスケットボール部でのマネージャー経験を活かし、データ分析までできるマネージャーになりたい」といったように、自分がそこで活躍するイメージを具体的に思い描き、伝えられるようにしましょう。

また、このような自己分析を行うときは第三者の意見も参考になります。

友人や家族にアドバイスを求めるのもよいですが、就活エージェントを活用すれば、就活のプロであるアドバイザーが面接対策や書類の添削をしてくれます。

体育会系の就職に特化したエージェントであれば、スポーツ関連の求人情報を多く持っているので、理想の就職先に出会える可能性も高くなります。

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まとめ

プロスポーツ業界の市場規模は世の中の動向と共に変化していくものです。業界への就職を希望している方は、アンテナを高く張って情報収集を行うのがおすすめです。

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