2024.11.23
スポーツリハビリトレーナーになるには?仕事内容や必要な資格も解説
スポーツリハビリトレーナーとはどのような職業かご存知でしょうか?
ここでは、スポーツリハビリトレーナーの定義や仕事内容、必要な資格、なり方などを徹底解説します。
「スポーツリハビリトレーナーってどんな仕事?」「スポーツリハビリトレーナーになるにはどうしたらいいの?」とお悩みの方は、ぜひ就職の際にお役立てください。
INDEX
スポーツリハビリトレーナーとは
はじめに、スポーツリハビリトレーナーという仕事について解説します。
スポーツリハビリトレーナーとは、スポーツ業界や医療機関などで活躍するリハビリの専門職。怪我や病気の人を対象に運動機能を回復するサポートをしたり、高齢者のリハビリに携わることもあります。
働く場所によって呼称や必要な資格が異なります。理学療法士や柔道整復師、アスレティックトレーナーの資格保有者がスポーツリハビリトレーナーを名乗ることも珍しくありません。
一般的にスポーツリハビリトレーナーというと、スポーツ選手のリハビリに特化した専門職というイメージが定着しているようです。
リハビリといっても仕事内容は多岐に渡り、栄養指導や健康管理指導、トレーニングメニューの作成まで行なっているトレーナーもいます。
スポーツリハビリトレーナーの活躍の場
スポーツリハビリトレーナーの代表的な活躍の場は、プロチームや実業団、学生スポーツ団体などです。
規模の大きなチームの場合、専属のトレーナーが契約していることも多く、さらに有名なプロ選手には1対1で専属のトレーナーが付くケースもあります。
優秀なトレーナーであれば、フリーランスになって選手個人と契約することも可能です。
スポーツリハビリトレーナーの主な職場は以下の通りです。働く場所によってリハビリやトレーニングの対象者は異なります。
<スポーツリハビリトレーナーの主な職場>
- スポーツチーム
- スポーツジム
- フィットネスクラブ
- ヨガスタジオ
- スポーツメーカー
- 地域のスポーツクラブ
- リラクゼーション施設
- 病院、医療機関
- 介護施設
プロのスポーツ選手だけでなく、一般の方や子どもを相手にすることもあります。様々な場所で活躍できるのも、スポーツリハビリトレーナーの魅力の1つといえるでしょう。
スポーツリハビリトレーナーになるには
スポーツリハビリトレーナーとして働くためには、必要な資格はありません。そのため、未経験でも無資格でもスタートできる仕事です。
しかし、先述したようにスポーツリハビリトレーナーは医療分野にも深く関連する専門職。
スポーツ医学やリハビリテーションに関する知識は必要不可欠であり、まったくの素人には難しい仕事といえます。
顧客にも安心感を与えるためにも、それなりの知識と技術、専門性を証明する資格はあったほうがよいでしょう。
日本国内にはスポーツ医学について学べる専門学校や大学がいくつもあります。専門知識を身に付けたり資格を取得することで、後々の就職やキャリアアップにも役立つはずです。
取得しておくとよい資格
スポーツリハビリトレーナーとして働くときに必須となる資格は法律上はありません。しかし、以下の資格を持っていると有利になります。
柔道整復師
柔道整復師とは、柔道整復術を用いて骨折や脱臼、打撲などの怪我を治療することのできる専門職です。
柔道整復師を名乗るには指定養成校で学んだ上で国家試験を受け、合格する必要があります。養成校では解剖学や生理学、外科学、整形外科学などを学び、接骨院や病院での実習も行われます。
国家試験は厚生労働省が毎年3月に実施しており、最低合格レベルは必修問題80%かつ科目別問題60%です。合格率は50〜60%ほどです。
国家試験に合格すると柔道整復師名簿に登録され、柔道整復師免許が取得できます。
柔道整復師の資格を活かしてスポーツ施設等に就職すると、スポーツリハビリトレーナーとして活動することができます。
参考:全国柔道整復学校協会
理学療法士

理学療法士はPhysical Therapist(PT)とも呼ばれる運動療法と物理療法の専門家です。身体に障害のある人および、障害の発生が懸念される人を対象に、医学的リハビリテーションを行います。
理学療法士は国家資格であり、養成校で3年以上学び国家試験に合格する必要があります。養成校には4年制大学、短期大学(3年制)、専門学校(3年制、4年制)、特別支援学校(視覚障害者が対象)があります。
なお、すでに作業療法士の資格を保有している場合は、養成校で2年学べば国家試験を受験することが可能です。
養成校では一般教養科目、専門基礎科目、専門科目、臨床実習のカリキュラムを履修します。
理学療法士の専門性を活かし、スポーツチームやスポーツ施設、医療機関、介護施設などで運動療法のプロであるスポーツリハビリトレーナーとして活躍することが可能です。
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参考:日本理学療法士協会
鍼灸師

鍼灸師とは「はり師」と「きゅう師」という二種類の国家資格を保有する専門職のことです。
鍼灸師を名乗って活動するためには大学や専門学校などの養成校で3年以上学び、国家試験の受験資格を得る必要があります。
はり師ときゅう師の国家試験は年に一度同日に実施されますが、受験願書に同時受験の旨を記載すると、共通科目の片方を免除できます。合格率は70%ほどです。
鍼灸師は鍼灸院で働いているイメージが一般的ですが、近年はスポーツ鍼灸なども注目されています。
リフレッシュやメンテナンス目的で鍼灸を求める人もいるため、スポーツ施設などに勤務して鍼灸を扱えるスポーツリハビリトレーナーとして活躍できる可能性はあります。
参考:日本鍼灸師会
アスレティックトレーナー

日本スポーツ協会が公認するアスレティックトレーナー(JSPO-AT)の資格を取得しておくと、スポーツ医療業界で仕事をするときに有利になります。
アスレティックトレーナーとは、スポーツ活動中の外傷・障害予防およびコンディショニングや安全・健康管理、救急対応などを実践するプロフェッショナルです。
国家資格ではなく民間資格になりますが、スポーツ業界では知名度が高く、専門性の高いトレーナーであることを証明できる資格です。スポーツリハビリトレーナーを目指す人は、取得しておくとよいでしょう。
受講条件:受講する年の4月1日現在、満20歳以上の者で、JSPO、JSPO加盟団体(都道府県体育・スポーツ協会、中央競技団体等)及びJSPOが特に認める国内統轄競技団体(以下「加盟団体等」という。)から推薦され、受講者選考基準を満たす者。
受講料:共通科目22,000円(税込) リファレンスブック代 電子版2,640円(税込)/紙版3,300円(税込)専門科目55,000円(税込) テキスト代 電子版8,910円(税込)/ 紙版11,000円(税込)
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参考:JSPO
日本スポーツリハビリテーション学会認定トレーナー(JSSR)

日本スポーツリハビリテーション学会が公認するJSSRトレーナーは、スポーツ障害および運動器疾患者を医学的な知識と技術に基づいてサポートする専門技術者の資格です。
資格取得後はプロスポーツチームやスポーツ関連施設、介護施設などで活躍することができます。
JSSRトレーナーの受験資格を得るためには、日本スポーツリハビリテーション学会が実施する60時間以上のセミナーを受講する必要があります。
セミナーの詳細は学会のホームページを確認しましょう。
また、日本スポーツリハビリテーション学会はJSSRトレーナーを目指す人を対象とする個別指導制度を設けています。
スポーツリハビリトレーナーの主な仕事内容
プログラム作成
スポーツリハビリとは、そのスポーツを行うために必要な身体機能や動作の改善を図ること。そのためには事前にプログラムを作成する必要があります。
対象者が満足なプレーができるように、痛みや動作の不具合を解消することを目標に、専門知識を活用してリハビリプログラムを作成するのがスポーツリハビリトレーナーの最初の仕事です。
競技性や個々の課題に応じたリハビリやトレーニングを行うためには、このプログラムがとても大切なのです。
トレーニング指導

対象者が心身のコンディションを整えて練習や試合に臨めるようにトレーニングを実施します。
怪我や疲労がある場合、その部位に負荷がかからない最適なトレーニング方法を提案したり、フォームの修正について助言をすることもあります。
スポーツ医学的な観点からトレーニング指導を行うのもスポーツリハビリトレーナーの特徴です。
食事・栄養面サポート

トレーニング指導だけでなく、食事や栄養面の相談に乗り、助言をすることもあります。
アスリートが最適なコンディションを保ち、安全に競技に臨むためには栄養管理が必要です。現在の食事について把握した上で、どんな食事をすればよいのか考案していきます。
また、食事や栄養のサポートに関しては栄養士・管理栄養士と連携を図りながら行う場合も多いです。
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病気・怪我予防指導

怪我や病気の予防指導を行うのもスポーツリハビリトレーナーの役割です。
スポーツをする中で、骨折や脱臼といった外傷や熱中症などの病気のリスクは高く、これらを未然に予防しなくてはいけません。
そのために、どのような方法でトレーニングをすべきか、どの程度の休息をとればよいかなど、アスリートに対してアドバイスを行います。
また、テーピングの処置や怪我の治療なども業務の範囲内です。理学療法士、柔道整復師など国家資格を持っている人だけが可能な施術もあります。
マッサージ

スポーツマッサージとは、選手のコンディション維持や疲労回復、運動機能の向上を目的に行われるマッサージのことです。
選手のパフォーマンスを最大限に発揮するために行われるものなので、リラクゼーション目的のマッサージとは異なります。
柔道整復師や理学療法士、あん摩マッサージ指圧師などの国家資格を取得しているとスポーツマッサージを行うことができます。
鍼灸治療

アスリートの疲労回復やコンディション維持、故障の治療のために鍼灸施術を行うこともあります。
鍼灸治療を行うことができるのは鍼灸師(はり師・きゅう師)のみです。鍼灸術はWHOでも効果が認められている施術であり、幅広い競技で取り入れられています。
アメリカではプロスポーツ選手のコンディショニングに鍼灸術がよく用いられています。
スポーツ障害が起こりやすい部位にアプローチし、怪我を未然に防ぐ効果もあります。また、外傷だけでなくアスリートのメンタル面のコンディショニングにも有効です。
その他
その他にも、ストレッチ指導や他の専門職者との連携、啓蒙活動といった業務を行う場合もあります。
働く場所によっても業務内容は異なります。
スポーツリハビリトレーナーに向いている人の特徴

ここからは、スポーツリハビリトレーナーに向いている人の特徴をご紹介します。自分がスポーツリハビリトレーナーとしての適性があるのかについて参考程度に確認しておきましょう。
スポーツ経験者

スポーツリハビリトレーナーとして、スポーツ経験者であることは大いに役立つ特徴です。
実際にスポーツを経験したことがあれば、リハビリを受けるアスリートの気持ちや身体の状態を深く理解できるでしょう。
スポーツ経験者は、自らが競技に取り組んできた中で怪我のリスクや復帰の過程を経験していることが多く、リハビリ中のアスリートが感じる焦りや不安、復帰へのモチベーションを共感しながらサポートすることができます。
また、スポーツの動作やトレーニングにも精通しており、リハビリの際にも競技特有の動きや筋肉の使い方を考えながら、より実践的なリハビリプランの作成ができる点も強みです。
特に、競技復帰を目指すアスリートにとっては、スポーツ経験者のトレーナーは信頼性が高く、心理的な支えになるでしょう。
医学や健康に興味がある人

医学や健康に興味がある人も、スポーツリハビリトレーナーに向いている人の特徴です。
体の仕組みや怪我のメカニズム、治療方法に関心を持ち、常に最新の医療知識を学びつづける姿勢が求められる点では、非常に重要なポイントといえます。
スポーツリハビリトレーナーは、アスリートの怪我の回復をサポートするために、解剖学や生理学、運動学、スポーツ医学の専門知識を駆使して、適切なリハビリプランを立てる必要があります。
医学や健康に対する深い関心がある人は、こうした知識の習得に積極的で、アスリートの怪我に対する最新の治療法やリハビリ技術を向上させることができるでしょう。
また、健康への興味があることで、アスリートの体調管理やメンタルケアにも目を向けることができ、選手を総合的にサポートできます。
医学や健康に関心が深い人は、アスリートの怪我の治癒だけでなく、競技復帰後のパフォーマンス維持や再発防止のための健康管理まで視野に入れてアドバイスできるため、選手からも信頼される存在となるでしょう。
コミュニケーション能力が高い人

コミュニケーション能力の有無も、アスリートや患者と良好な信頼関係を築き効果的なリハビリを進める上で重要なスキルです。
リハビリでは、選手の怪我の状態や痛みの程度やメンタルの状況など様々な情報を的確に把握し、適切な治療を行うために、常に選手と密なコミュニケーションをとることが求められます。
怪我に対する不安や焦りを抱えるアスリートに対して、丁寧に話を聞くことで、心理的なサポートも行えます。
また、トレーニングやリハビリの指導をする際には、相手にわかりやすく説明し、適切にフィードバックすることが重要です。
選手が自分のリハビリ内容や進捗を理解しやすいように伝える力があると、選手自身が積極的にリハビリに取り組むモチベーションを高めて、効果的な回復を促すことができるでしょう。
さらに、スポーツリハビリトレーナーはチームドクターや他の医療スタッフ、コーチ陣など、異なる専門家との情報共有や協力体制を築く機会が多くあります。
チーム全体のサポートシステムの中で効果的に機能することができるため、コミュニケーション能力はリハビリトレーナーにとって重要な要素といえるでしょう。
スポーツリハビリトレーナーは専門性が高くやりがいの大きな仕事
スポーツリハビリトレーナーは、アスリートが怪我から復帰して思い通りのプレーができたときに大きなやりがいを感じることができます。
アスリートにとって身体の不調はとても大きな問題です。身体だけでなく精神面でも大きなダメージを負う人もいます。
そんなアスリートたちに親身に寄り添い、彼・彼女らを笑顔にできたときの喜びは想像に難くないはずです。
また、担当している選手やチームが好成績を残せたときも自分のことのように嬉しいと感じるトレーナーが多いようです。
選手との信頼関係が築けているほど喜びは大きなものになるでしょう。そして、自分自身のスキルにも自信が生まれるはず。
スポーツリハビリトレーナーはいわば選手のパートナー。
自分が直接的に競技に関わるわけではありませんが、スポーツ医学の知識を持ってアスリートたちを支える重要な役割を担っています。
アスリートを支える職業について、以下の動画でさらに詳しく解説しています。ぜひ目を通してみてください。
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まとめ
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