2024.10.31
スポーツエージェントの仕事内容からお金事情まで徹底解説
スポーツエージェントの主な仕事内容は選手の代理人としての交渉ですが、ほかにもさまざまな仕事を担います。
年収は契約している選手の年棒、会社に勤めているか独立しているかでも大きく異なります。この記事では、スポーツエージェントの仕事内容や年収を詳しく解説します。
INDEX
スポーツエージェントの仕事内容

代理人として契約交渉
スポーツエージェントはプロのアスリートやコーチなどに代わり、スポーツ団体との契約や交渉を行います。
具体的には、入団の契約から移籍の交渉、契約更新などを担当しています。
多くのスポーツ選手やコーチは契約ごとに慣れておらず、スポーツエージェントが間に入ることでスムーズに契約ができます。
スケジュール調整/選手の売り込み

スポーツ選手のスケジュール調整や交渉もスポーツエージェントの業務内容です。
練習や試合に集中する必要があるプロのアスリートたちに代わり、取材やイベントのスケジュールを調整し、本人の負担がなるべく軽くなるようにしています。
また、スポーツ選手に代わって売り込みや営業を行うこともあります。
アスリートたちが安心してスポーツに打ち込めるように、スポーツ以外の部分を支えるのが仕事と言っても良いでしょう。
分析・研究

スポーツエージェントは直接競技に関わるわけではありませんが、交渉を行う上で協議のルールや戦術について知っているほうが有利です。
また、強豪チームの動向や最新情報についても常にチェックしておく必要があります。交渉や契約を円滑に進めるために分析や研究にも注力しているのです。
打合せ・事務作業

打ち合わせや事務作業もスポーツエージェントの仕事です。クライアントが海外にいる場合は、深夜や早朝に打ち合わせが入ることもあるでしょう。
そして、協議に打ち込むアスリートに代わって煩雑な事務作業を行うため、デスクワークが多いのも特徴です。
時には英語を使って打ち合わせを行ったり資料作成をすることもあります。
スポーツエージェントになるためには

各協会に「代理人」登録してもらう
プロスポーツの統括団体や選手会などの各協会に「代理人」として登録することがスポーツエージェントとして働くための条件となります。
野球、サッカーなど各団体によって条件が異なるため、よく調べてみましょう。
交渉や契約を行うエージェントは、選手にとって命綱のような存在。そのため実績や信用がない場合はエージェントとして仕事をすることは難しいといえます。
長い下積みを経験するケースも多い

最初から契約交渉などの重要な仕事をすることは難しいです。だからこそ、長い下積みの期間が必要で、経験を積んでスキルを高めていくことが大切になります。
この仕事では交渉スキルも必要ですが、語学力を身につけたり資格の勉強をすることも大切になるでしょう。
日本ではスポーツエージェントになるには弁護士の資格が必要な場合もあるので、ハードルが高いです。そのため、多くの人は海外でスポーツエージェントの知識を学び、独立する道を選びます。
独立を目指すなら、海外での仕事が現実的な道です。そのため、語学力も身につける必要があるでしょう。
スポーツエージェントの仕事は専門的な分野なため求人数は多くありませんが、経験を積んでスキルを高めれば、独立の可能性も広がるでしょう。
スポーツエージェントに資格は必要?

スポーツエージェントになるためには必ずしも資格が必要なわけではありません。
しかし、スポーツの種目や働くフィールドによっては有資格者であることが条件の場合もあります。
日本のプロ野球では弁護士資格が必要
日本プロ野球業界においては、弁護士資格を持っていることがスポーツエージェントとして活動するための必須条件となります。
契約交渉を行う上で、法知識が必要となるからです。
弁護士資格は一朝一夕で取得できる資格ではなく、法科大学院を修了するか司法予備試験に合格した上で司法試験を受ける必要があり、それなりの勉強が必要です。
試験の難易度も高く、高確率は毎年20%代となっています。少なくとも3年以上はしっかりと勉強しないと合格は難しいと言えます。
サッカー業界や海外では特に資格は不要

公益財団法人日本サッカー協会においては、書類を提出することで誰でも代理人として活動することが可能です。
必要な書類は以下になります。
- 仲介人宣誓書
- 仲介人登録手数料振込明細書
- 仲介人経歴書
- パスポートの写し
- 住民票
- 所属する会社の登記簿謄本
また、海外でスポーツエージェントの仕事をする場合も特別な資格は必要ないことが多いです。いずれにせよ、就職前に条件をしっかり確認したほうが良いでしょう。
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スポーツエージェントの働き方

スポーツエージェントの働き方には、主に以下の2つの選択肢があります。
どちらを選ぶにしても、スポーツエージェントとして成功するには、地道な下積みの経験が必要です。
スポーツエージェント会社に勤める
専門のスポーツエージェント会社に雇われ、その会社の一員として働くことになります。仕事内容は、スポーツ選手とそのチームとの契約交渉やキャリアアドバイスを提供することです。
この方法は、経験を積むのに適しており、安定した職場環境が提供され、スポーツエージェントとしてのスキルを磨くチャンスを提供します。
独立して活動する

もう一つの選択肢は、自分自身をスポーツエージェントとして独立させることです。スポーツ選手と直接契約し、交渉やキャリアアドバイスを提供します。
これは自己雇用の形態で、成功するためには多くの経験と信頼が必要です。独立エージェントになるためには、スポーツ界での詳しい知識を得ることや人脈を築くことが不可欠になります。
スポーツエージェントの年収・給与

スポーツエージェントとして働きたいと思っている人にとって、年収は無視できないポイントです。
収入についても押さえておきましょう。
収入源は契約料
基本的に契約を結ぶ相手から入ってくる契約料がスポーツエージェントの収入になります。業界差、個人差はあるものの、契約する相手の年俸の3〜5%が相場といわれています。
例えば、年俸1億円の選手と3%の契約をすればおよそ300万円が報酬の相場となります。年俸の高い選手であっても現役引退をする可能性があり、その時点で契約は修了です。
若手の選手は年収もまだ少ないですが、長期契約が見込めます。
会社勤務の場合の平均年収

スポーツエージェントやスポーツマネジメント会社などの会社勤務の場合、給与はその会社の規模や業績によってさまざまです。
求人情報によれば、基本給は月23万〜(固定残業代を除く)と提示されていますが、380万円〜500万円の年収が一般的です。※
プロスポーツ選手の活動は試合のみならず、テレビ番組やコマーシャル、スポーツニュースなど多岐にわたります。
そのため、メディア関連の仕事はプロスポーツ選手の知名度向上に重要です。
スポーツエージェントは選手の代理人として、スケジュールの調整なども行いますが、多くの選手と契約している会社は高い収入を得ることができるため、給与もその分高額になることがあります。
ただし、スポーツエージェントの仕事はまだ新しい分野であり、給与水準は業界全体で確立されているわけではありません。
現在の平均給与は他の企業と比べてやや低い傾向にありますが、今後業界が発展していくにつれて、社員の給与も向上する可能性があるでしょう。
スポーツエージェントの勤務時間・休日
会社勤めであっても、独立エージェントであっても、勤務時間や休日は不規則であると言えるでしょう。
特にスポーツエージェントの仕事は、選手とチームが新しい契約を結ぶときが一番忙しい時期です。その時期はスポーツの種類によって異なります。
例えば、Jリーグでは12月から1月くらいまで、欧州サッカーでは6月から8月くらい、メジャーリーグでは10月から1月くらいがその時期です。
この期間中、スポーツエージェントは多くの仕事をしなければなりません。まず、新しい契約の内容を詳しく調べる必要があります。
また、チームや他のエージェントとの交渉も行います。この時期は休日を作ることが難しいかもしれません。
またシーズン中も忙しいです。新しい契約を結ぶために、選手の試合をチェックし、試合のデータを集めます。
スポーツエージェントの仕事は、人とのつながりを大切にすることも大切です。
仕事の量は多く、自分で時間を管理しないと、不規則な勤務時間になり、休みも少なくなってしまいます。
スポーツエージェントの仕事は忙しいですが、選手やチームとの契約を成功させるために、たくさんの努力と時間をかける必要があるのです。
スポーツエージェントのやりがいは?

スポーツエージェントを仕事にした時のやりがいはどんな点でしょうか?現役で活躍している人の体験をもとにまとめてみました。
選手人生に大きく貢献できる
選手に代わり契約交渉を行うスポーツエージェントは、選手の人生を左右する存在と言っても過言ではありません。
自分が仲介して成立した契約が、その選手の人生の大きな転機となることもあるでしょう。それは大きなやりがいに繋がるはず。
契約している選手との付き合いが長くなるほど信頼関係も深くなり、単なる「契約者」ではなく大切なビジネスパートナーであり家族のように親しい存在となることもあります。
スポーツを通じて多くの人脈を構築できる

スポーツエージェントの仕事をする中で様々な年代、職種の人と関わることになります。
スポーツ業界の人々はもちろん、企業の社長やアーティスト、海外の選手とも接する機会があるかもしれません。
見識が広まり、人としても成長できる仕事です。
スポーツエージェントの現状と将来性
日本においてスポーツエージェントという職業はまだまだ浸透していないのが現状です。
スポーツの種目によってスポーツエージェントになることができる条件も異なり、日本のプロ野球のように弁護士資格が必須の場合もあれば、サッカーのように誰でも登録してスポーツエージェントとして活躍できるという場合も。
そういったルールにバラつきがあることも一因となり、スポーツエージェントの実態が分かりにくいという課題があります。
そのため「契約・交渉」の代理人の重要性が海外ほど浸透していないのです。
しかし、ポジティブに捉えれば伸び代がたくさんあるということです。
まだまだ浸透していないからこそ、強豪相手が少なくビジネスチャンスは多い仕事だと思って良いでしょう。
スポーツエージェントに向いている人
スポーツエージェントに向いている人とはどんな人でしょうか?ここでは、スポーツエージェントに求められる適性やスキルについてご紹介します。
スポーツが好きな人・詳しい人
スポーツエージェントとして活動する際に、スポーツに関心を持つことがとても大切です。
スポーツエージェントは、選手の得意なことや改善すべき点を考える必要があり、選手とチームを良い条件で結びつけるために、自分自身がスポーツに関心を持っていることが不可欠です。
例えば、競技のルールや戦術、主要な国のチームや選手に関する情報や動向など、詳しい知識が必要です。
ルールや特別な技術についての知識を持っているスポーツ好きな人は、スポーツエージェントとして適していると言えるでしょう。
コミュニケーション能力・交渉力がある人

スポーツエージェントの仕事に向いている人は、まずコミュニケーション能力が高いことが大切になります。
スポーツエージェントの主な役割は、話し合いをすることです。
彼らはスポーツ選手の代理人として、仕事に関する交渉や契約、プロモーション、マネジメントなどを担当します。
スポーツ選手との契約は、とても詳細な内容になることが多く、契約金を最大限に増やすかどうかは、スポーツエージェントの腕の見せ所です。すべてはコミュニケーションを通じて成り立っています。
コミュニケーションが得意な人は、交渉もスムーズに進めやすく、クライアントにとって満足のいく仕事をすることができるでしょう。
また、選手との信頼関係を築くためにも、コミュニケーションは不可欠です。
さらに、海外のチームと交渉する場合、英語が必要で、その国の言葉も話せるスキルも持っているととても有利になるでしょう。
情報収集力・分析力がある人

スポーツエージェントには、分析力も必要です。
野球やサッカーなどでは、契約公共の時期があり、その際には契約を結ぶ選手の試合をチェックし、交渉に役立つデータを分析します。
さらに、各国のチームや選手についても知識を持っていることが大切です。良い契約を結ぶためには、時間をかけて情報を集め、分析する必要があります。
普段からデータや情報を分析するのが好きな人は、スポーツエージェントに向いているかもしれません。
誠実で思いやりのある人

他人に悪口を言わず、ルールを守れ、他人を思いやる行動をとれる人柄の良い人が向いています。
スポーツエージェントの仕事は、選手が自分の契約やキャリアを任せる非常に信頼性の高い役割です。
だからこそ、選手は代理人として信頼できる人を必要とします。
信頼関係は、チームや他の関係者とも築かなければなりません。信頼性のある人柄を持つことは、他の人たちとの協力や契約交渉にも大いに役立ちます。
高い語学力がある人

スポーツエージェントの多くは海外で活躍しています。
彼らは日本から海外に進出するアスリートの代理人として活動し、外国語で交渉を行うことが一般的です。
そのため、野球では英語、サッカーではスペイン語やポルトガル語など、対象スポーツに応じた外国語が必要不可欠です。
つまり、高い語学力を持つ人がスポーツエージェントとして適していると言えるでしょう。
まとめ
スポーツエージェントは選手の代理人として、チームやスポンサーなどと交渉する仕事です。移籍や契約更新、CM契約などの場面で活躍します。
年収は選手の年棒に応じて変動するため、個人差が大きいです。
スポーツエージェント含め、スポーツに関わる仕事をしたい方は、ぜひアスリートエージェントにご相談ください。
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