黒田 敦史 / Atsushi Kuroda   元体育会アメリカンフットボーラー|現在:経営者/事業プロデュース

自分の役割をしっかりと果たす

黒田さんはこんな人

アメフト選手だった黒田さんのポジションは、オフェンスライン。ルール上、自分自身はほとんどボールを持つことができません。

敵のディフェンスをブロックして、ボールを持ったチームメイトが走れる道をつくる。攻撃の中心となる選手を、敵から守るために壁をつくる。体を張って、時に自らを犠牲にしてでも、仲間やチームのためにプレーする。それはまるで、「黒子」のような存在。

引退後はビジネスの世界で活躍されている黒田さん。
今もなお、自分らしい生き方を貫かれていました。

「黒田さん、今後のビジョンは何ですか?」
「私はやっぱり、世界最高の黒子となりたいんです。」

Profile

 

黒田敦史(くろだ あつし)1974年05月生まれ

元体育会アメリカンフットボーラー。京都大学在学中にアメフト部に在籍し、3、4年生時の2年連続の日本一に貢献。松下電器産業(現:パナソニック)でソリューション営業を担当しながら、アサヒ飲料「チャレンジャーズ」にてアメフトも継続し日本一に。39歳で株式会社ブリリアントソリューションを立ち上げ、代表取締役を務める。

ずっと続けていた野球からアメフトへ転向

―― 黒田さん、アメフトはいつから始められたんですか?

大学からです。高校まではずっと野球をやっていたんですが、そこまでレベルの高い選手じゃなかったんです。このまま大学で続けてもプロの世界ではきっと通用しないって自分で分かっていたので、違うスポーツをやってみようと思って。

じゃあ、何をするかって考えたときに、小学生の頃にテレビでアメフトを見て「かっこいいな」って惹かれた記憶がどこかにあって。それを思い出してアメフトが良さそうだなと。京都大学(以下、京大)に現役合格して、アメフト部に入部しました。

―― 野球からアメフトへの転向ですね。実際やってみてどうでしたか?

京大のアメフト部ってほとんどが未経験者で、アメフト経験者は3%ほど。それでも優勝するようなチームだったんです。勝つというゴールから逆算して、やるべきことを徹底的かつ合理的にやっていこうっていう考えのチームでした。

―― 強いフィジカルも技術も必要となるアメフト。経験のないメンバーで優勝するってまったくイメージが湧きませんが……。

「戦略」と「戦術」を大切にしていたんです。まず、戦略でいうと、とにかく日本一を目標にしていたので、チームのミッションをいつも頭に置いて一人ひとりがすべきことを突き詰めて実行していたんです。戦術面では、海外のチームで行われているような新しい戦い方をいち早く導入するなどして、最先端のものを取り入れていました。

優勝というゴールに向かって、「戦略」と「戦術」をひたすら愚直にやるというスタイルでしたね。目指すものを明確にしないでダラダラやるということは一切なく、短時間でより効果的にやる、工夫するというチームで。私が3、4年生のときに、チームとして2年連続で日本一になることができました。

入社後しばらくしてやっぱりアメフトがしたくなった

―― 卒業後、一社目は松下電器産業(現:パナソニック)に入社されたとのことですが、アメフトも続けられたのでしょうか。

卒業してからもアメフトを絶対にやろうとは考えていなかったんですが、入社後しばらくして身体を動かしたくなったんです(笑)知り合いが多く所属していたこともあって、アサヒ飲料の「チャレンジャーズ」というクラブチームに入団しました。

チャレンジャーズでも日本一に2回なれたんですよ。チームや周りの人に恵まれて、大学と社会人と両方で日本一を味わうことができました。運がいいなぁと思いますね。アメフトは3年ほど続けて引退しました。

いい仕事に恵まれ、社長賞獲得

―― 社長賞も獲得された黒田さんですが「ビジネスマンとして誰よりも輝いてやる!」といった強い想いがそこにあったんですか?

いえいえ、結果そうなったという感じです(笑)私、新入社員時代からユニバーサル・スタジオ・ジャパン(以下、USJ)の立ち上げプロジェクトを担当させてもらっていて。ソリューション営業担当として、パーク内の音響、映像、照明の設備といった松下電器産業の製品が使えるものをUSJに提案する仕事をしていました。今、パーク内のスピーカーはすべて私が納入したものですよ(笑)

全社的に注目されていたプロジェクトでしたし、与えられた仕事が大きかったんです。いい仕事に恵まれた結果として、社長賞をもらえたんだと思っています。

コンサルティングの世界にキャリアチェンジ

―― その後、コンサルティングの世界に進まれたのはどうしてだったんでしょう。

経営に近いところで仕事がしたくなったんです。営業部門としてモノを売ることはできるけれど、経営なんて全然分からないし社長を生で見たことも無い。会社の中枢で何が起こっているのかまったく知らない。組織が大きすぎて把握できていないことが多かったんです。

企業っていうのは、経営や戦略的な側面と、それを実行する現場との両輪ですよね。私はずっと現場をやってきたし、次は経営へ視点を当ててみたいなと。それなら経営・戦略コンサルティングが一番いいだろうって考えたんです。あと、本音ではそろそろ飽きたなと(笑)ずっと営業としてやってきたので、それまでとは違うことをやりたいなっていう気持ちもあったんですよね。

―― どのような会社に転職されたんですか?

一社目はA.T.カーニーという戦略コンサルの会社で、3年ほど勤めました。二社目はフロンティア・マネジメントといういわゆる一般的な戦略コンサルとは違って、企業再生をメインで行っている会社に入社しました。

業績の良くない企業に役員として送り込まれて、しっかりと立て直しをするという仕事をやっていました。もう潰れかかっている企業や、ほとんど倒産したと言ってもいいくらいの企業も担当をしましたし、その会社の一員として再建に奮闘していましたね。

高い目標を達成するために何でもやるマインドは京大アメフト部で手に入れた自分の強み

―― 厳しい環境でビジネスをされる黒田さんですが、体育会出身だからこそ仕事に活きていることをぜひ聞かせてください。

打たれ強さです。企業再生って会社にたった一人で乗り込んで、周りの人たちが嫌がることもやらないといけない時があるんです。その会社を立て直すために。ものすごくストレスがかかることなんですよね。

でも、私は京大のアメフトチームで高い目標を達成するために何でもやるというマインドを培うことができました。だから、どんな状況も乗り越えられるストレス耐性は身についていたんだろうなって。アメフトでの経験が無かったら、気持ちがもたなかったかもしれないですね。

アメフトで培ったことを発揮しようと意識したわけじゃありません。無意識に活かすことができていたんです。打たれ強さも、目標に向かって最大限の力を出していくことも、京大のアメフトチームにいたことで人としての土台をしっかり築くことができていたから。アメフトの技術だけでなく、人間力も鍛えてもらいました。

自分でやりたいことが実現できる会社がなければ作ればいい

―― 真剣に競技に打ち込むと人間力が磨かれ、必ずビジネスの世界でも活きてくる。私もそう信じています。その後、「独立」という道を選ばれました。

39歳での独立でした。仕事を通して多くの企業に入り込んでいくと、日本にはいい会社がたくさんあるのに良さを活かしきれていないことに気付くんです。じゃあ、何が欠けているんだろうと考えますよね。結果、情報や人材などが足りていないんだなと。そのギャップを埋めるために、他社と上手く繋ぐような仕組みがあるといいのかもしれないってひらめいたんです。

そこから私自身の構想がわあっと広がっていって、どんどん熱をもって止まらなくなったんです。転職も考えて話を聞きに行ったりもしましたが、自分がやりたいことを実現できる会社は見つからなくて。それなら自分でつくるしかないなって思って、じゃあ起業するぞってなりました。

会社に「退職したいです」と伝えたら、いきなりのことで驚かれましたね。そんなこと考えているなんて知らなかったよって。でも、私自身、起業するなんてまったくの予想外だったので、私もこうなるなんて知らなかったですという感じでした(笑)

―― 大きな決断。後悔されたこと、ありますか?

何十回とありますよ(笑)いや、後悔ではなく、辛いというか……想定外なことが山ほどあって。自分自身のアイディアの乏しさにぶつかりましたし、独立当初に考えていたことは一週間くらいで砕け散りましたね。

やってみると上手くいかないな、これは違うなってことがいくつもありました。ビジネスモデルも何回も見直しましたし、最初に計画していたことからどんどん変わっています。大変なことばかりですが、独立してから日々進化はできているなと感じますね。

世界最高の黒子として、クライアントと一緒に事業を推し進める

―― 今の仕事内容を詳しく教えてください。

事業プロデュースです。まず、社会にとって魅力的かつ、ビジネスとしても成り立つ事業構想をプランニングします。弊社のパートナー企業を巻き込んでチームを作ったり、予算確保や資金調達をしたりして、その事業を実現できるようサポートしています。事業が育ってきたら、さらに拡大させるように進捗管理などのマネジメントもしていますね。コンサルの要素もある仕事です。

「ビジョン」という大きな絵を描いて、クライアントと一緒にその絵に向かっていくんです。絵は描いたけれど、あとは知りませんじゃなく。ビジョンを実現するために色々な企業や人を巻き込んだり、調整したりっていうのが弊社の役目ですね。お客さまは大手、中小企業、ベンチャーとさまざまです。

―― お客さまのビジョンを叶えている黒田さんですが、ご自身のビジョンや今後の目標はありますか?

売上100億超えの事業を100個つくる。2025年までの経営目標にしていて、私が10年かけて叶えたいビジョンです。世界で活躍する企業の裏方、黒子役となっていきたいと考えていて。日本や世界で存在感を発揮するすべての企業の裏ではブリリアントソリューションがサポートしている、そういう姿を目指しています。

―― アメフトでいうとまさにオフェンスラインですね!

そうですね(笑)目立たないけれど、静かに自分の役割をまっとうするタイプかなって思います。世界最高の黒子となって、縁の下の力持ちとなりたいですね。

高い目標を目指し、戦略を持って行動していく

―― 体育会学生の皆さんに、こんなことを意識したらいいよ、やったらいいよというアドバイスはありますでしょうか。

スポーツをやっている以上、やっぱり高い目標を目指すことかな、と。最近は「競争」や「勝ち負け」を良しとしない風潮もありますが、スポーツに関わるのなら勝たなきゃいけないと私は思うんです。勝利を目標として掲げて、具体的なアクションに落とし込む。その徹底度合いが選手としても人としても差を付けるんじゃないでしょうか。

将来にも役に立つからそうしなさいというわけじゃないんです。ただ、目標達成に没頭をしていたら、知らないうちに土台がしっかり築かれる。それがゆくゆくは仕事においても必ず活きてくるって間違いなく言えます。今本気でやっていれば、自然と未来の自分のためになっていくのだと思います。まあ、10年、20年後になって気付くんですけどね(笑)

会社に入ることが目的ではなく、自分がやりたいことを実現できる場所を選ぶ

―― 「企業の選び方が分からない」という学生さんもいます。体育会の先輩として、黒田さんなら何を伝えますか?

私は大企業で仕事をしていたし、大手企業や中小企業のコンサルもやってきました。今は自分で経営もしています。大手も中小企業もベンチャーも、会社員も経営者も、ありがたいことにすべて経験しているんですね。そういう立場から言うと、私は大手企業に行ったほうがいいとも行かないほうがいいとも、どちらも思っていないんです。

何より大切なことは、自分自身が何をしたいか。たとえば、日本の社会において大きいことを成し遂げようとするなら大企業の方が出来ることもあります。スピーディーに色んなことをしたいのならベンチャーが向いているかもしれません。企業の規模とかそういうことではなくて、その先でいったい何を達成したいのか。それが大切なんです。

学生の皆さんには頭に置いておいて欲しいです。会社に入ることを目的にするんじゃなく、やりたいことに目を向けて、実現するための場所を選ぶということを。

―― まずは自分がどうしたいか、ですね。だから黒田さんも起業されて。

私、起業することを人には勧めないんです。これほど大変な想いも辛い経験も、しないで済むならその方がいいと思いますし、独立について相談されると「やめたほうがいいよ」なんていつも言っていて(笑)

ただ、私は起業をしないとやりたいことができなかったんです。自分のやりたいことができる一番の方法を選んだ。それだけなんですよ。ずっと松下電器産業にいると思っていたし、転職するつもりもなく、ましてや起業するなんて本当に想定外ですよ。

体育会学生の皆さんには、やりたいことに正直になって欲しいです。その「やりたいこと」が世の中のためになって、自分も周りもわくわくするようなものだと尚更いいですよね。まあ、かっこよく言っていますが、私も仕事をしていく過程でこう考えるようになったので焦らなくてもいいと思います。一社目の段階で何をしたいか決めなくても、一生懸命はたらく中で見つかっていくもの。私自身、まだまだ成長途中ですから。

取材後記

すべきことを見ないふりせず、自分の役割をしっかり果たす。黒田さんはアスリートとしても、ビジネスマンとしてもそう生きてきました。

黒子としてチームの勝利を支え、黒子としてクライアントの輝きをサポートする。自分らしい生き方を貫いた結果、引退した今もやりたいことを実現しながら、充実した人生を送っています。

やりたいことは、自分自身の心の中にあるもの。その「やりたいこと」から人の役に立つものを、自分の役割として探し出す。会社、先輩、どこかの誰かに見つけてもらうものじゃありません。

好きなこと、楽しいこと、興味のあることを集めるところからでもいい。
まずは、自分自身とじっくり向き合うことから始めてみませんか。

 

株式会社ブリリアントソリューション
http://brilliant-solution.co.jp/top/

取材/アスリートエージェント 小園翔太
取材・文・編集/榧野文香

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