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阿久津 貴史 / Takahito Akutsu   パワーリフティング現役選手|現在:経営者/スポーツサプリメント事業

自分の正義を貫いてたくましく生きる

阿久津さんはこんな人

良くないことを見つけたとき「ダメ」って言えているかな。本当は自分の考えがあるのに、周りを気にしてノドの奥に閉まっていないかな。そんなことを考えるような取材でした。

自分の正義を貫いてたくましく生きる

Profile

 

阿久津 貴史(あくつ たかひと)1982年11月生まれ

パワーリフティング現役選手、起業家。日本人初の大手スポンサーがついた本格的なプロ第一号。現105kg級日本チャンピオンであり日本記録保持者。現在、全日本選手権6連覇中。アスリートだけでなく経営者の顔も持ち、高品質のサプリメントを扱う株式会社ピークパフォーマンスニュートリションの代表取締役を務める。

 カラダ、やっぱり大きいですね!もともと何のスポーツをされていたんですか?

ありがとうございます(笑)高校ではボクシングを。17歳でプロライセンスを取得したので、その道で食べていくことも考えていました。でも、遺伝的に元々弱かった視力がだんだん低下して。このままだとボクシング界では活躍できないと悟ったので、高3のときにスパッと諦めました。

それで、トレーニングも好きだったので国際武道大学のスポーツトレーナー学科を受験しました。新しく新設されるところでタイミングも良くて。ただ、まだまだ身体も動かしたかったので、入学後にすぐ部活見学をしたんです。パワーリフティング部の練習を見たときに「これは自分にハマりそうだな。」って感じてすぐに入部しました。そこからは勉強とパワーリフティングを並行させて。18歳のときですね。

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 直感ですね。パワーリフティングのどういうところに惹かれたんでしょう。

幼い頃から「強さ」に憧れていました。だから男らしい競技に魅了されたのかな。あと、昔から力も強いほうで(笑)学校の体力テストで成績トップクラスだったり、腕相撲で負けなしだったり、成功体験がいくつもありました。だから、重いバーベルを上げているのを見て、これなら自分にやれそうだなってビビッときましたね。実際にやってみるとなかなか難しかったのですが……。

当時から日本チャンピオンを目指して、その先の世界にも挑戦しようって考えていました。大学では全日本学生2位。関東大会での優勝はあったけど、学生日本トップは叶いませんでした。実際に一般のチャンピオンになれたのが29歳で、10年ちょっとかかりましたね。大きなスランプは特になかったですが、ケガも多くて。年中どこか痛めているような競技です。

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 パワーリフティングにトレーナーの勉強。文武両道のお手本ですね!将来のキャリアもしっかり計画されていたんだろうと思います。

いえ、その頃はあまり深く考えていなかったです(笑)トレーナーの資格は取得したけれど、パワーリフティングにのめり込んでいたので、トレーナーになるんじゃなくて就職して競技もこのまま続けようって。普通に就活して、一般の上場企業に入りました。

でもね、3週間くらいで辞めてしまったんです。取引先にひたすら営業しに行く日々が忙しくて、この感じだと競技を続けていくのは無理だなぁと。今思えば新人なんて最初はみんな忙しいものなんですけど、常識も何も知らなかったので……こんなことしていちゃダメだなって思って、辞めますって言ってしまった。上の人には怒られましたね(苦笑)

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  3週間!次の就職先は決まっていたんですか……?

まったく。辞めますって言った日に真っ先に某大手ジムに電話して、仕事ありませんかって聞いて。まずはアルバイトから始めたんです。22歳のときですね。インストラクターとして働いているうちに、パーソナルトレーナーだけで生計を立てている人が日本にもいることを知りました。

学生時代にトレーナーの資格は取得していたので、休日にパーソナルトレーニングを行っていきました。少しずつクライアントが付くようになって、1年ほどで完全にパーソナルトレーナーとして独立することができたんです。

  早期退職からの独立。人生がガラリと変わる感じですね(笑)新規でお客さんを集めなければならない職業ですが、未来に対しての不安は無かったですか?

どうだったかなぁ。まだ若かったし、未来の心配をした記憶はあまりなくて(笑)それよりは自分がやれることをやっていました。パーソナルトレーナーとしてクライアントを増やしながら、翌年、24歳のときにサプリメントの会社を立ち上げました。

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スポーツ栄養学も大学から勉強していたんですが、自分が本当に取り入れたいサプリがないってずっと思っていたんです。アスリート目線だと本来この成分をこれだけ配合して欲しい、でも企業は利益を出したいから配合を削ったり材料の質を落としたりする。裏面の成分表示を見ると一発で分かります。そうなると理想のものなんて実現できない。

僕らの競技はフィジカルが勝敗を大きく左右するので、テクニカルな部分が勝敗を大きく左右する競技の選手より、食べたり摂ったりするものに対しての関心が強いんだと思います。

  どういうサプリメントなのか気になります。

スポーツ選手に特化した、いえ、特化しすぎたくらいのものを扱っています(笑)メインターゲットはトップアスリートですが、もちろん一般の方でもサプリメントの質にこだわっている方、身体により良いものにお金を使いたい方はご購入してくださっています。今はオンライン販売のみですが、続々とプロアスリートの方に使っていただいています。

- 取材時の2017年7月、創業12期目。プロアスリートと経営。どちらもバランスよく両立させることってきっと大変。

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  経営において阿久津さんが心掛けていることってありますか?

業界でいかにとんがった存在になるか。他社の真似事はしない。オリジナルのものしかつくらない。シャープに尖がらせたブランドロゴも、エッジの効いた企業でいようっていう想いを表現したんです。商品開発でも常にそれを考えてブレないようにしています。根底にあるのはやっぱり自分自身が納得しているものを飲みたいから。

アスリートと経営者。どちらの顔も大切にする中で、これまで葛藤もたくさんありました。競技のシーズンはできるだけ忙しくならないように準備を整えていても、結局どこかで予測不可能なことが起こって忙しくなったりなんてことはよくあります。

 その二つの顔を保つこと、きっと想像以上にハードだと思います。ただ、アスリートだからこそ経営やビジネスに活きていることがあるんじゃないでしょうか。

マイナスなことが起こってもプラスに変えられる力がついたことですね。たとえばケガをして競技の成績が落ちてしまったとき、そのケガの原因を探っていきます。それを改善することで前よりも自分を高められる。

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経営においても同じなんです。こうすれば売れるかなと予想したけど、意外と売れなかった。どうしてだろうって振り返って改善や工夫をすることで売れるようになります。そこの思考の使い方は競技に全力投球したことで身に付いたかなって思っています。他にも、辛いときこそ我慢して踏ん張るとか。経営もそうですから。

僕の場合、どちらかというとアスリートとしての経験がすべてビジネスに活きているタイプ。アスリートとして踏ん張り時があって、そこから伸びた感覚を知っているんです。だからこそ仕事で大変なときも「頑張り時だな。」って焦らずに集中できますね。

 ご自身の経験をもとに、現役アスリートの皆さんに伝えたいことはありますか?

海外の選手って現役中からセカンドキャリアの為に勉強している人が多いんです。でも、日本は競技だけっていう人があまりにも多い。本を読んだり勉強したりして、違う世界に触れておくことって大切です。自分の人間力を高めるためにも。練習後にスマホでゲームばっかりやっているんじゃなくてね。

スポーツの最終的な目標って「自己成長」だと思うんです。成績はもちろんだけど、経験を積むことで自分という人間がどれだけ高みに達するか。その意識を持っていれば、どんなジャンルやどんな場所でも自分を高めようとするから強いですよね。相手に勝つことも大事だけど、自分に勝つことも含めての“勝利至上主義”になっていこうねって。

自分の正義を貫いてたくましく生きる

あと、自分自身が自分のスポンサーになれるような仕組みをつくることも今の時代はできるということ。実業団に入れない、企業からお金をもらえない、だから競技を続けられないって言う人がいます。でも、自分で何かをやってアスリートとしてのキャリアを続ける方法もある。

スポンサーが見つからないって言うばかりの人は、それだけの価値が自分にあるのかを一度よく考えて欲しいんです。もらうのは当たり前じゃない。自分で動く、何かをする思考も持つこと。

 最大のライバルは自分、ですね。最後にアスリートとしての阿久津さんの目標をぜひ聞かせてください。たしか、全日本6連覇中とのことで!

やっぱり世界チャンピオンになることです。今、世界での順位は12位前後が続いているので、まず6位の入賞レベルにはなって、しっかりと頂点に上りたい。必ずなれるかどうかは分からないけれど、充分にやり切ったところで終わりにしたいんです。引退後、未練を残したくないから。趣味や遊びでやることはあっても、本当に勝負をかけてやるのは40歳までかなって考えています。

自分の正義を貫いてたくましく生きる

阿久津さんをひとことで表すと“正義”。

ビジネスでのゴールは、本当に良いものや正しい情報をアスリートに届けること。アスリートの勝利に1%でも貢献できたらいい、それが僕の使命ですと、目をキラキラさせてお話される様子がとっても印象的で。

情報も、誘惑も、選べるものだって多いこの世の中で、流されることなく自分の正義を貫くことができたなら。良いものは良い、悪いものは悪い、そう言うことができたなら。彼のように大きな力こぶは作れなくとも、きっと、たくましく生きられるんじゃないかなって。

心を強くして、たくましく。

 

阿久津貴史 オフィシャルサイト
http://takahitoakutsu.com/

オフィシャルブログ
https://ameblo.jp/t-akutsu/

株式会社ピークパフォーマンスニュートリション
http://theppn.jp/

Team X-treme Power!!!(パワーリフティングジム)
http://t-x-p.com/

取材/アスリートエージェント 小園翔太
取材・文・編集/榧野文香

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