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岡田 優介 / Yusuke Okada   現役プロバスケ選手|現在:3人制バスケチーム『TOKYO DIME』オーナー

もっと気軽に挑戦しよう。自分の頭で考えてトライを繰り返して生きる。

もっと時間があれば……
あれもできるし、これもできる。

24時間なんかじゃ足りない!

慌ただしい日々の中、そう頭を抱えたことが
誰しも一度はあるのではないでしょうか。

今回取材をした岡田さんは
学生時代から、大好きなバスケも勉強も全力投球。

今も現役選手でありながら、
選手会を立ち上げ、公認会計士の資格を持ち、
3人制バスケットチームのオーナーも務めています。

どうやって時間をつくっているのでしょう。
いったいどんな思考を?そして、どのような生き方を?

Profile

 

岡田 優介(おかだ ゆうすけ)1984年9月生まれ

現役プロバスケットボール選手。京都ハンナリーズ所属。学生の頃から文武両道で、2010年には公認会計士の資格を取得。現役選手として活躍する傍ら、日本バスケットボール選手会を設立し、初代会長に就任。現在、3人制バスケットボールチーム『TOKYO DIME(東京ダイム)』のオーナーも務める。

勉強に打ち込んだ経験はバスケにも役立っている

―― 岡田さんがバスケを始めたのはお兄さんがきっかけだそうですね。

兄が先にバスケをやっていて、僕もあとを追うように始めました。兄を見て育つという感じですね。ちょうど世の中がスラムダンクブームでもありました。

―― 花が開いたのはいつ頃でしたか?

名前が全国的に知られるようになったのは高校生だったかと思います。当時、関東一の強豪校と言われていた土浦日本大学高校へ入学して、2年生のときにウインターカップでチームがベスト4、個人で大会ベスト5にも選ばれて。

3年時にはインターハイで3位、大会得点王、3ポイント王になったので、それがきっかけだったかなと。強豪校にしては珍しくあまり県外からの選手は採らず、県内の選手が多かったですね。地元の選手をしっかりと鍛え上げるチームでした。

―― 華々しい戦績を収められて、その後は青山学院大学に進学されますね。

バスケが強くて、かつ、勉強もしっかりできるところに行きたくて。勉強が好きというより、自分自身で生きていく力を付けたかったんですよね。好奇心はあるし何事にも全力を出すタイプなので。一度しかない人生だから時間を無駄にせずに、好きなバスケも学びも思いっきりやりたかったんです。

あと、勉強に打ち込んだ経験ってバスケにも役に立っているんですよ。たとえば、試合に負けたら内容を分析して、次に勝つための改善方法を考えますよね。勉強も、試験に落ちたらやり方を分析して次に活かします。向かう姿勢や取り組み方は、共通する部分がかなり多いと思います。

ただ、スポーツは勝ち負けがあるから面白い。試験は自分自身がしっかりやれば受かるけれど、スポーツは相手がいることだしいつも絶対に勝てるわけじゃない。今日は勝っても明日負けることだってあります。それを何回も経験していくと、やっぱりバスケって楽しいなって。簡単じゃないし、単純じゃないからこそ。

レベルの高い環境や仲間との練習、バスケ好きだからこそプレッシャーではなく刺激に

―― 青学では体育会チーム『スクァレルズ』に所属されます。レベルの高い仲間に囲まれてプレッシャーは無かったですか?

無かったですね。自分は誰にも負けないと考えていたし、同期だろうが先輩だろうが目の前の人は全員超えていくぞっていう感じでした。レベルの高い環境も、上手い選手がいることも面白くて。プレッシャーよりも、いつ抜いてやろうと楽しむ気持ちでしたね。

もちろん練習はきついですよ。でも、自分が好きでやっているわけだし負けたくない。好きだから上手くなりたい。上手くなりたいならきついのは当たり前でしょうって考えていました。自ら選んでやっていることだから苦じゃないですよね。

ランを10往復しろと言われたら20往復していたし、シューターだったのでシュート練習では毎日500本決めるなど自分自身でノルマを課していました。自主練もしていましたよ。「あいつに打たせるのが一番だ」とチームの信頼を得ることが、僕の大事な役割だって分かっていましたから。

卒業後はトヨタ自動車の実業団『アルバルク東京』(以下、アルバルク)に加入して、プロとして7年やりましたね。トップチームでバスケをプレーできたことはとても光栄でした。日本代表に初選出されたのが2009年、25歳のとき。その後、自分の成長を求めていくつかのチームを移籍し、今は『京都ハンナリーズ』に在籍しています。

資格という武器を手にバスケ界を盛り上げていく

―― 岡田さん、2010年には公認会計士の資格も取得されますよね。現役バスケ選手がなぜ会計士なのだろうと驚きました。

バスケというスポーツをもっとメジャーな競技にしたいんです。そのために自分のスキルをバスケ界に還元したい。2015年にBリーグが創設されて、今でこそバスケは盛り上がっているように見えるけれど、数年前までものすごく悲惨な状況でしたからね。暗黒時代を知っているし、本当はもっと魅力的なスポーツなのにって。

だから、公認会計士という誰が見ても分かりやすいものをひとつの武器にして、バスケ界の活性化に繋げたかったんです。学ぶことは好きですし。ただ、資格はあくまでも資格ですし、大それたものではないと思っています。大学の学歴と同じでちょっと名刺に書けるくらい。資格を取ること自体じゃなく、取ったあとに何をするのかが重要ですから。

いろいろな役割を担うのは、バスケに関わる全ての人を笑顔にしたいから

―― また、日本バスケットボール選手会も設立され、初代会長に就任されます。このきっかけは何だったのでしょう。

2013年9月にNBL(ナショナル・バスケットボール・リーグ)という新リーグが立ち上がったのを機に、選手会を発足しました。目的はバスケットボール界全体で互いに協力し合い、バスケを普及・発展させることです。

きっかけは、NBLの立ち上げ時に選手にとって不利益な変更があったことで。試合数は増えるのに、給料は制限されるとか。選手の意見が反映されていない、説明もされていないものばかりで、これはまずい方向だなと思ったんです。放っておいたら今後もリーグは選手たちを置いてけぼりにして勝手に進んでいくし、そんなのは将来のバスケ界のためにならない。

だから僕は、本当にこれでいいのかと疑問を投げかけたんです。 選手たちが意見を言える場がないことがそもそもおかしいから、まずは選手会というものを作りましょうと。このままじゃいけないという危機感を、他の誰でもなく選手自身に感じて欲しかったんです。反響は大きかったし、多くの選手から賛同を得られました。

「岡田さん、リーグにストライキでもするんですか?」なんて聞く人もいましたが、そうじゃない。労働組合のような場ではなくて、選手が集まって自分たちの頭で考える組織(※注1)です。リーグはもちろん誰も敵じゃない。みんなで共存共栄としてバスケットボールを普及・発展させましょうと。ストライキかと問われたら毎回丁寧にそう説明しましたよ(笑)

(※注1:日本バスケットボール選手会は非営利型の一般社団法人の形態を取り、日本バスケットボール界の普及・発展を第一の目的に置いている。年に一度の被災地チャリティイベントが一大行事。)

―― 京都ハンナリーズで現役バスケ選手、公認会計士、選手会初代会長……岡田さんいくつも顔がありますね。

あと『TOKYO DIME』という3人制バスケットボールチームのオーナーを務めています。芸人の大西ライオンさん、麒麟の田村裕さんと共同オーナーを務めていて、チームを試合に出場させながら、スポンサーを獲得するための営業やグッズ販売などをしています。

選手たちが何を望んでいるか、それを理解することを『TOKYO DIME』では大切にしています。本当にいいチームは選手が「ここでプレーをしたい!」って思えることですよね。応援するファンは選手がイキイキと活躍することが嬉しいのに、当の選手自身が「こんなチームでプレーしたくない……」と考えていたらどうでしょう。

『TOKYO DIME』でバスケをやるからこそ成長できると思ってもらえるように、選手目線を常に持っていたいですね。低賃金でブラック労働、社員が疲弊している会社はどれだけ利益があっても何の意味もない。それと同じだと思います。選手、現場ではたらくスタッフ、ファン、スポンサー、みんなが輝いているチームを目指して運営していきたいです。

―― すべての人が輝くって素晴らしいですね。また、『TOKYO DIME』はファンやスポンサーとの距離が近いのが特徴ですよね。

ファンの方には選手をより身近に感じて、親戚のお兄ちゃんを応援するような感覚でいて欲しくて。そういう想いで皆さんを「DIMEファミリー」と呼んで、色々な企画をしています。DIMEファミリーにはもちろんスポンサーの方も入ります。ただ出資してもらうだけの関係ってちょっとドライだなって思いますし、試合にもよく来てもらっていて。

ファンとスポンサーを区別せず、DIMEを応援してくれるひとつのコミュニティを作りたいんですよ。DIMEという船に乗って、みんなで一緒に航海しましょう、と。試合のチケットという枠を超えて「乗船券」を買っていただいている感覚です。

昨年に立ち上げた『OSAKA DIME(大阪ダイム)』も新しいチャレンジです。各地にDIMEがあるって面白いじゃないですか。もしかしたら今後も増やすかもしれないですし、そうなるとDIMEファミリーも広げていくことができますね。

自分の頭でしっかり考えて自分の人生を進んで欲しい

―― さまざまな役割を担われて、毎日忙しいと思います。時間が足りないと思うことも多いのではないでしょうか?

時間ね、ちゃんとありますよ。つくるというか、充分あると思うんですよね。バスケの練習時間が1日に3、4時間なら、それ以外の時間は自由に何でもできます。あと、そもそも僕はどれだけ時間をかけたかってあまり関係ないと思っていて。時間の長さよりも濃さ、内容が重要かなと。24時間はみんな平等だから、工夫して質を高めないと。

それと、基本的に目の前のことだけに時間は使いません。他のことにも応用できる汎用性の高いことをやっていますね。たとえば会計の勉強をしていても、会計学を学ぶこと以上に、学問をどのように吸収するかというスキルを学んでいる感覚です。そうしたらまったく別の学問にも応用できますよね。「何のために」という視点で色々チャレンジしています。

―― 本当に多くのチャレンジをされていて感心します。今、まだまだ若いにも関わらず、安定思考の方も増えているんですよね。

挑戦に関しては、うーん……人それぞれかなって。安定を好む人もいるし、正直どっちでもいいんじゃないかなと。それもまた人生、みたいな(笑)ただ、どちらにせよ自分の頭でしっかり考えましょうねということです。誰かに言われるがままじゃなく。スリルを味わいたいなら挑戦すればいい、落ち着きたいなら留まればいい。

ただ、食わず嫌いするよりも、まずはトライしてみようと。やってみたら案外楽しいかもしれないし、自分に合わなければ他の道を選べばいいんですよ。たった一度きりの人生だから広い世界を見ようね、と。今いる場所が本当にベストかなんて外に出てみないと分からないんです。ちょっと出てみて戻ってきてもいい。またいつでも帰ってこればいい。

「背水の陣」ということわざもあるように、日本人は失敗したら後がないと思いがちですよね。チャレンジして成功することが美徳というか。でも、成功しなくてもいいじゃないですか。失敗を恐れてやらないほうがもったいないし、退路は絶たなくてもいい。違ったらやめればいい。上手くいかなければ戻ってもいい。そう思えたら一歩踏み出せるんじゃないかな。 挑戦ってもっと気軽なものでいいと思うんです。

―― 自分らしいキャリアを築かれている岡田さんに、ぜひそのコツを伺いたいです。大切にされている考え方など聞かせてください。

僕の好きなスティーブ・ジョブズ氏の言葉、「点と点をつなげる」ですね。過去に色々やってきたことを、今や未来にどう活かすのか。「この経験にいったい何の意味があるんだろう」じゃなくて、自分自身でその意味を考えるんです。これまでを振り返って点と点を結ぶのは、結局、自分しかいないんですよ。

特にスポーツに励んできた人はそれなりに苦労や挫折があると思いますし、実は今につながっていたり、役に立ったりしているんですよね。ただ、それに気付けるかどうかはやっぱり自分次第。そう心がけながら今を生きるだけでも、悔いのない人生を歩めたり自分らしいキャリアを築けたりできると思います。

あとは、自分で考えて、自分で動くこと。人に与えられるものを待つんじゃなく。ベストなものを探すことを常に心がける。目標にいかに最短ルートで効率的にたどり着けるのかを意識する。僕自身、勉強もバスケも何をすべきか、どう行動を起こすのか、自分の頭で考えてやってきました。

信念を曲げずに突き進んで、その時々にベストなことをやっているので、「あの時、ああすればよかった……」と悔いたことは一度もありません。今までそう生きてきたし、これからも変わらずにやっていくつもりです。今さら性格も生き方も変えられないし、そのまま進んでいこうかなと(笑)

取材後記

たくさんの顔を持つ岡田さん。

岡田優介という、ひとりの人間として
目指しているゴールはどこなのかと尋ねてみました。

「ゴールは無いですね。死ぬまで。
死ぬときがやっと僕のゴールだと思います。」

選手として、まだ若い選手に負ける気がしない
ひとりの人間としても、まだまだ成長したい
だからこそ彼は、これからも挑戦を重ねていくのでしょう。

“挑戦ってもっと気軽なものでいい。”

岡田さんのこの言葉に勇気をもらって、
やりたかったことをひとつ、この春に始めてみませんか。

 

取材/アスリートエージェント 藤江琢司
取材・文/榧野文香

岡田優介 twitter
@ysk_okada

岡田優介 instagram
@ysk_okada

3人制バスケチーム『TOKYO DIME』
https://dime-3×3.com/

プロバスケチーム『京都ハンナリーズ』
https://hannaryz.jp/

Tシャツ提供 ニューモード株式会社
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